【本当にあったルールの話】Vol.5 ボールが木の根元! 救済エリアは木を貫通して計測できる?
JLPGAの競技委員を務める中﨑典子さんと阿蘇紀子さんが、競技中に実際にあったルールの事例をご紹介!
ILLUST/Yasugahira Masaya
中﨑典子
なかざきのりこ。ツアープロからJLPGA競技委員に転向し活躍中
阿蘇紀子
あそのりこ。JLPGAの競技委員で米メジャーなどの経験もある
2022年ステップ・アップ・ツアーかねひで美やらびオープンの2日目。プレーヤーは18番ホールのティーショットを右へ曲けてしまい、急傾斜に生えている木の右側に球が止まりました。そのままではプレーができないため、アンプレヤブルでラテラル救済を受けようとしましたが、2クラブレングスの救済エリアを左側に取るには木が邪魔な状態でした。
Q. 救済エリアは、木を貫通して測ることができる?
A. 木を貫通して計測することができる
救済エリアの大きさを決めるためにクラブレングスで測る場合、木の中を通して計測することができます。プレーヤーは自分のドライバーを物理的に木の中を通すことはできないので、そのようにしたと推定することで正しく定めます。アンプレヤブルのラテラル救済は、球が止まっている位置からホールに近づかない2クラブレングスが救済エリアとなります。プレーヤーは1罰打のもと、木の左側に救済エリアを取り、そこに球をドロップしてプレーを続けることができました。
このように救済エリアを測る場合は、木やフェンスのような物を直接越えたり、中を通すことによって計測することができます。
※この記事は、2023年1月1日から施行されたゴルフ規則に基づいた内容です
月刊ゴルフダイジェスト2024年3月号より