【本当にあったルールの話】Vol.1 バンカー内の蜂の巣の近くに球が止まった! これって救済してもいいの?
JLPGAの競技委員を務める中﨑典子さんと阿蘇紀子さんが、競技中に実際にあったルールの事例をご紹介!
ILLUST/Yasugahira Masaya
中﨑典子
なかざきのりこ。ツアープロからJLPGA競技委員に転向し活躍中
阿蘇紀子
あそのりこ。JLPGAの競技委員で米メジャーなどの経験もある
7月に開催されたステップ・アップ・ツアー「あおもりレディスオープン」最終日。9番グリーン奥のバンカー内の球にプレーヤーが近寄ろうとしたところ、数匹の蜂がブンブンと飛び回り、怖くて球に近づけない状況でした。よく見るとバンカーの顎に穴が開いていて、その中に蜂の巣があり、蜂がそこから出入りしているのがわかりました。
Q. バンカー内の蜂の巣の近くに球が止まったらどうする?
A. 同じコースエリア内で救済を受けられる
このような場合、蜂に刺される覚悟で球に近づいてプレーをしなければならないかといえば、そうではありません。規則16.2は、危険な動物について扱っています。これは、球をあるがままにプレーすると、球の近くの危険な動物によってプレーヤーが重症を負う可能性がある場合、罰なしの救済ができる規則です。 例えば刺す蜂、毒蛇、熊などの動物で、バンカーや池を含め、コース上のどこでも罰なしの救済を受けることができます。
このケースでは、同じバンカー内で球よりホールに近づかず、危険の及ばない箇所を基点に、そこから1クラブレングス以内に別の球をドロップしました。
※この記事は、2023年1月1日から施行されたゴルフ規則に基づいた内容です
月刊ゴルフダイジェスト2023年11月号より