【The Rules】後方線上にドロップしたらホールに近づいた。再ドロップしないとダメだっけ?
今日もコマッ太くん、マナブくん、キク子ちゃんの3人でラウンド。すると、ルールに関して意見が分かれる場面が。果たしてこんなとき、どう処置すればいい?
ILLUST/Tomoko Sano TEXT/Youichi Tsunoda
コマッ太くん
せっかちでうっかりでルールのミスや勘違いが多いのがたまにキズ。でも本当はマジメ
マナブくん
根っからの勉強家。ルールブックをよく読み裁定集にまで目を通している、頼れる存在
キク子ちゃん
ゴルフのプレーとルールはまだまだ勉強中。でも他人の意見をよく聞く耳を持っている
コマッ太君はアンプレヤブルを宣言して、ボールとホールを結んだ後方線上の救済を受けた。だが、ドロップした球は落下点からホールに30センチほど近づいて止まった。このまま打っていいのかな?
落ちたところから1クラブ以内なら、そのままプレーじゃない?
1クラブ以内は救済が成立するエリアだからホールに近づいてもOK。そのまま打てるんじゃないの?
ドロップした球がホールに近づいたときは再ドロップでしょ?
少しでもホールに近づくのは有利になること。認められないから、2回目のドロップをすべきでは?
果たしてどう処置するのが正しい?
そのままではプレーできない。
そう判断したときは、アンプレヤブルを宣言し、1罰打で救済を受けることができる。
そのときの救済の3つの選択肢から、コマッ太君は後方線上の救済を選んだ。ホールと球を結んだ後方線上にドロップだ。するとその球が落下点からホール方向に転がった。実戦ではよくある状況だ。
こういうとき「ホールに近づいたらやり直し」というのはゴルファーの常識になっていたよね。
「自分に有利にならないようにする」のが当然だったからだ。
でもそれは昨年までのお話。ルールが改正された23年からは「後方線上の救済では、1クラブ以内ならどの方向に転がってもよい」に変わったんだ。
ドロップした球がインプレーの球になるのは、正しい救済エリアに止まったとき。昨年まではこの救済エリアは、基点を中心にした半円だった。ホールとは反対側で半径1クラブの半円だったんだ。
その円が今年から真円になった。落下地点からホールに近づいても、1クラブ以内ならそのままプレーしなければいけない。再ドロップすると誤所からのプレーで2罰打になるよ。
思わぬ罰で落胆してドロップアウトしないように注意しようね!
※ゴルフ規則19.2bなど
後方線上の救済は、1クラブ以内の円内ならホールに近づいてもOK。やり直すと違反
月刊ゴルフダイジェスト2023年6月号より