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【目澤秀憲の目からウロコ】二重作拓也編②最大スピードを得るには「ブレーキ」が大事

目澤秀憲コーチが、異業種からゴルフのヒントを得る連載「目澤秀憲の目からウロコ」。前回に続き、スポーツドクターの二重作拓也氏に、「スピード」を得る方法について話を聞いた。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara

二重作拓也 ふたえさく・たくや。スポーツドクター。格闘技医学会代表。8歳で空手を始め17歳でアメリカでも試合に出場。格闘技の経験とスポーツ医学の臨床経験から「格闘技医学」「パフォーマンス医学」を提唱し、海外にも招聘されている。『可能性にアクセスするパフォーマンス医学』(星海社)はAmazon3部門でベストセラー1位に
目澤秀憲 ゴルフ界の最先端を知り尽くすコーチ。現在は河本力、金子駆大、永峰咲希、阿部未悠などを教える

>>前回のお話はこちら

  • 目澤秀憲コーチが、異業種からゴルフのヒントを得る連載「目澤秀憲の目からウロコ」。今回話を聞いたのは、スポーツドクターで格闘技医学会代表の二重作(ふたえさく)拓也氏。自分の体しか使わない空手と、道具を使うゴルフ。競技の性質は違うものの、体の動きの本質部分では共通点もありそう。今回は「スピード」の上げ方について話を聞いた。 TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki ……

左足でどう
ブレーキをかけるか

―― 前回は、スピードは「脳」が作るという内容でした。より速い動きを脳内でイメージできると、実際に速く動けるとのことでしたが。

目澤 ゴルフの場合、スピードとパワーは直結している部分があるのですが、二重作さんから見て、ゴルファーがより速くクラブを振るためには、何が必要だと思いますか。

二重作 ゴルフも格闘技も人間の動きですから、格闘技の力(あるいはスピード)の出し方に重ねて考えるなら、やっぱり「ブレーキ」が大事なんだと思います。下半身にしっかりとブレーキをかけるほど、パンチやキックの威力は増しますから。


目澤 ゴルフだと切り返しで左足を踏み込むときに、飛ぶ選手ほど足裏とももに強い力がかかっています。

二重作 空手の手法で、下肢の踏ん張り方がよくわかるものがあるんですが、ちょっと試してみますか? たとえば、左足を前に出してひざを曲げ、低い構えを作ります。そこから頭の高さが変わらないようにしながら、後ろの足(右足)を少しずつ前の足に引きつけていくんです。最終的には、右足を地面から浮かせられるくらいまで引きつけてみてください。

目澤 左の大腿がかなりキツいです。右足が上がるところが一番キツい。

二重作 大腿にそういう感じで力が入っている状態で、パンチなり蹴りを出すのがいいということですね。スピードスケートの選手が氷を蹴るときもそうなっているはずですし、ドジャースの大谷翔平選手がホームランを打つときの、インパクトの「粘り」もまさにそれです。

目澤 ダウンスウィングでは、もちろん左大腿を意識していますが、力の入れ方がかなり違う感覚です。この状態で手を振ると……ちょっと指先が痛くなるくらい速く振れますね。

二重作 インパクトの瞬間まで、そのブレーキが利いているといいと思います。

目澤 インパクトまで、ですか? 実はスウィング中の足裏の圧力を計測すると、左足裏に最大圧力がかかるのは、左腕が地面と平行になるくらいの地点ということがわかっているのですが……。

二重作 足裏で測っちゃうと、足と体のパーツ全部の合計になっちゃいますからね。もものブレーキの力だけで言えば、インパクトの瞬間までしっかり利いているほうがいいです。

目澤 なるほど。やってみて気づいたんですが、大腿を少し内側に締める感じがしますね。

二重作 左の大腿を内側から押してあげて、それを押し返すように力を入れることでも、それなりの効果が得られると思います。あるいは、ももの間にボールを挟んで、それを落とさないようにスウィングするとか。

目澤 どちらもグッと中心に力が寄る感じがしますね。土台の安定を強く感じます。

大腿内側を締めると下半身が劇的に安定する

格闘技の素人が普通にパンチを出す構えを取っただけだと、簡単に拳を押し返されてしまう(写真左)。ところが、ももの間にボールを挟んで構えるだけで、大腿内側(うちもも)が締まり、いわゆる「丹田」にも力が入って、拳が押されにくくなる(写真右)

大腿に一番力が入る
ポイントを探す

足を前後に開いた構えから、徐々に後ろ足を引きつけていくと、前足のももに一番力が入る「形」がわかる。「軸足がこの状態で蹴りを出すと、ひざが跳ね上がり、軸足自体が返り(蹴りの方向に回転し)ます。意図的にやるのではなく、結果としてそうなることが重要です」(二重作)

身体に力を込める本当の意味がわかった

ももの間にボールを挟んでスウィングするだけで、腕振りのスピードが明らかに速くなった。身体の中心に力が集約されるのを感じました」(目澤)

月刊ゴルフダイジェスト2026年3月号より