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頑固おやじのクラブ工房 Vol.8 冬ラフがやさしくなるウェッジチューン、教えて!

アプローチが上手てなるクラブチューンがある! なんて知っていました? オヤジさんがじっくり語ります。通勤GD「頑固おやじのクラブ工房」 Vol.8。

Q、寄せワンが増えるウェッジチューンは?

ラフからの距離感が合いません。寄せワンが増えればスコアはよくなるはず。バウンスを削るとか、ロフト調整とかで、ウェッジの距離感が安定する方法、ありませんか?(44歳・HC11・会社員)

A、“打ち込まない”工夫が効く

「この前の土曜日、社内のコンペがあったんですけど、93、叩いちやって……。ラフからのアプローチがダメで、全然寄せワンが取れなかったんですよ」

会社に勤めてからゴルフを始めて、年6ラウンドぐらいのペースだったのが、40歳すぎてから少し余裕ができたらしく、月2ペースでラウンドするようになった常連さん。

最近調子良くて、シングル入りも見えてきたのに、同僚の前でボギーペースを切れなかったのが相当悔しかったらしい。

「前からラフは苦手で、たまたま寄れば1パットもあるかな、という感じでしたけど……。なんかこう、ラフから上手く距離感を合わせられるようなウェッジ、作れませんかね?」

「考え方次第だな。別に、ラフに沈んだ球とか、湿った重いラフから寄せたい、てワケじゃないよな? 球が少し沈んだぐらいのを、ポーン、トロトロで1ピン以内に、てことだろ。それなら作れると思うよ」

奴さん、目を丸くしたね(笑)

「それですよ、それ。ぜひ作ってください」

「使い古したSW、持ってきな、いじってやるから」

「エッ? もう溝とかソールとか擦り減って、傷だらけですけど」

「大丈夫、そのほうが余計なスピンがかからないからちょうどいいんだよ。早く持ってきな」

チューンのポイントは“上から打ち込まない”ようにすること。ちょっと、説明しようか。

ライ角を少しフラットにすると、ラフの抜けが良くなる

フェアウェイからのショットとは違って、ラフとバンカーだけでは“薄め”にとらえると、ひどいミスになる。だから、ソールが確実に球の下を潜らないといけない。

「だから、上から打ち込むんじゃないんですか?」

ソールが球の下に入るだけじゃ、球は上がらないし、飛ばないんだよ。“抜ける”ことが、一番大事なんだ。

「ジーン・サラゼンがSWを発明したきっかけが、飛行機の翼からだって聞いたこと、あるだろ? 打ち込んだヘッドが砂に刺さらずに“離陸”するようにした、つまり“抜けて上がる”から距離感の合うサンドセーブができるようになった、てワケなんだよ」

ラフで、球と草の間にヘッドを入れようと鋭角に打ち込んだら、刃から刺さって抜けるはずがない。そんなのはバンカーの目玉か、ラフに深くしzんだ球を叩きだすような特別な場合だけでいいんだ。

バンカーで手前の砂から削るように、ラフでも手前の草から払えばいい。

「昔、あるプロが逆目のラフからはアッパー気味に抜く、っていうのを聞いたんだが、ナルホドと思ったね」

「ヘッドを緩やかに球の下に滑り込ませて、フェースに乗せるように振り抜くイメージだと、打点が多少タテにずれても大丈夫。それに、スピンはかからなくても、高さを出せるから、それこそポーン、トロトロで止められる」

「ウーン、ドスッとヘッドを止めていたのがまずかった…。低く入れて、振り抜くんですね」

で、そのアッパー気味に振りやすくするチューンのコツは、ライ角度を1~2度弱、フラットにすることと、ロフトを少し立ててグースネックにすること。

「ロフト58度を56度ぐらいにしてライ角度を少しフラットにすると、ちょっとフェースを開くだけで手元を低く構えられる。で、自然と緩やかな軌道で振り下ろせて、球の下に最下点をイメージしてもグースでヘッドが遅れる分、アッパーに抜けやすくなるのさ」

月刊GDより(イラスト/コーチはじめ)