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手打ち、伸び上がり、あおり打ち…スウィングの悪癖まで直っちゃう!?【D・チャンドのローボール講座】<後編>

狭いホールやアゲンスト、ランの出やすい冬のラウンドなどで大きな武器になる「ローボール」。普段からローボールを多用するディネッシュ・チャンドによると、低い球を打つ練習をすることで、スウィングにも好影響があるという。詳しく話を聞いていこう。

TEXT/Yumiko Shigetomi THANKS/船橋CC PHOTO/Tadashi Anezaki

写真はチャンドの弟子である、船橋CC練習生の高橋真央さん。ローボールを教わっており、この練習でスウィングを磨き、プロテスト合格を目指している。

解説/ディネッシュ・チャンド

子供の頃に働いていたフィジーのゴルフ場でビジェイ・シンと出会いプロを目指す。20歳で来日して25歳でプロテスト合格。ツアー3勝。今季からシニアツアーに参戦している

>>前編はこちら

ローボールの練習は悪いクセの矯正にもなる

チャンドいわく、ローボールの練習は、スウィングの悪いクセを消してくれるという。この練習でスウィングが良くなるというのはありがたい話なので詳しく知りたい。

「高い球で飛ばすときでも、自分で球を上げようとして体重が右に残ったり左サイドが浮いたりするのはダメな動きでしょ。あとはアマチュアに多い手打ちね。それがローボールを練習すると直るんだよ」

確かに低い球を打っていると左サイドが浮かなくなることは理解できるが、手打ちまで直せるのか?

「ローボールは左サイドが浮かずクラブを左に振り抜かないといけなくて、そのためには腰がターゲットを向くくらい回ることが大事なんだよ。腰が止まる手打ちだと左には振れないからね。ボクはベルトのバックルがグルッと体の左方向から引っ張られるようなイメージで腰を回してるよ」

強くて低い球が打てるようになったときには、スウィングが磨かれているというわけだ。

「そう、そしてボール位置とインパクトのイメージを変えるだけでハイボールとローボールを打ち分けられるようになるよ」

【ローボールはココが大事1】
腰をターゲットに向ける

腰が止まるスウィングだと左に振り抜けないだけでなくフェースが返って引っかけのリスクがある。ベルトのバックルが引っ張られるイメージで腰を回すこと


【ローボールはココが大事2】
右手で球を押すイメージで打つ

左手でしっかり持つと左腕の力みにつながり、スウィングにブレーキがかかってしまう。右手主導で、ボールを押すように使っていこう

【ローボールはココが大事3】
左目でボールを見る

左サイドが浮く原因のひとつが、顔が早くターゲットを向いてしまうこと。左目でボールを見たまま打つようにすれば低く振り抜いていけるようになる

ローボールを極める3つのドリル

ドリル1
アドレス時よりも手元が低い状態でインパクト

構えた手のすれすれにグリップがくるようにクラブを持ってもらい、それに当たらないようにして打つドリル。ハーフスウィングでいいのでグリップに当たらないように低く振り抜く。手の位置が高いとグリップに当たってしまう。そうなってしまう人は、フェースが開いて、右に高い球が出てしまう。

コレも効果的!
クラブなしで右手素振り

いきなりボールを打つのは難しいので、まずはクラブを持たず、アドレス姿勢で両手のひらを合わせるように構え、そこから右手だけで振る素振りも効果的。ポイントは、切り返しからインパクトで構えた左手の位置よりも下を通すように素振りをすること

ドリル2
左わきにグローブを挟んで打つ

グローブやヘッドカバーを左わきに挟んでフォローまで落とさないように打つ。球を上げようとするアッパースウィングの人は、インパクトで左わきが開いて落ちてしまう

ドリル3
ボールの先にモノを置いて打つ

ボールの右斜め前あたりにヘッドカバーなどを置いて、それに当たらないようにインサイドに振る練習。これも左わきを締めながらやるといい。フォローでクラブがアウトサイドに抜ける人は球が上がってしまいやすい

月刊ゴルフダイジェスト2023年1月号より