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【読者記者】No.1793「スライスのせいでなかなか飛距離が出ません」

読者が自身の悩みを解決する方法について、直接プロに取材する「読者記者」。今回のお悩みは「スライスのせいで飛距離が出ない」というもの。果たして解決方法は?

PHOTO/Hiroshi Yatabe TEXT/Daisei Sugawara THANKS/洗足ゴルフスタジオ

読者記者No.1793 野口香織さん

●50歳 ●主婦 ●ゴルフ歴/3年6カ月 ●ベストスコア/115 ●平均スコア/118 ●ドライバー飛距離/145ヤード ●145㎝

先生/中村香織

86年生まれ、京都府出身。07年、プロ入会。13年に国内女子ツアーシード権獲得。ツアー引退後、19年に自身のスクールを設立、レッスンの道へ。「洗足ゴルフスタジオ」を中心に活動中

野口さんのお悩み
「スライスと引っかけで飛距離が出ない」


ドライバーのスライスが大きくてかなり飛距離を損している感じがします。だからといって、スライスさせないように意識すると引っかけが出てしまいます。


トップで少しだけフェースが開いていて(2コマ目)、それをうまく閉じながらインパクトしている。ただし、タイミングがずれると、右にも左にも飛ぶ可能性はある

野口 ドライバーがもう少し飛べば……。スライスのせいで、かなり飛距離を損しています。

中村 ボールをつかまえたい気持ちが強いと、グリップをギュッと握っちゃうので、ヘッドが走りにくくなるんです。ヘッドを走らせる感覚があれば、自然にボールはつかまりますし、飛距離も出ます。

野口 グリップをしっかり握らないほうがいいということですか?

中村 スウィングすると、クラブのポジションが変わって、遠心力や重力も加わるので、手の中でグリップが動こうとしますよね? それをギュッと握って押さえ込むんじゃなくて、動こうとするグリップをやわらかくキャッチし直しながら振るといいんです。とくに切り返しでは、右手人さし指の付け根にいったん、クラブが乗るのを感じてから、キュッと小指側を締めてダウンスウィングする。このクラブの「キャッチ感」が大事です。

野口 今までにない感覚です。でも、それを意識しただけで、ヘッドが走るのがわかります!

<問題点>
腕をねじって上げている

始動直後に腕をねじって上げているため、フェースが開きやすい。ダウンスウィングで閉じる動きが必要

記者「しっかり握ったほうが速く振れますよね?」
プロ「クラブの動きに合わせて握り直す感覚が必要なんです」

グリップを極力、ゆるく握ってスウィングすると、スウィングのポジションごとに手の中でグリップが動こうとする。それをできるだけ同じ場所に留めておくような意識で、連続的に「キャッチし直す」と、クラブの動きを妨げずに振れる。軟らかいシャフトを振る感じで、最初は小さくヘッドを揺さぶり、それを徐々に大きくしていくイメージだと、ヘッドが走りやすい

Drill1
クラブを逆さに持ち右手だけで何かを叩く

右手1本でクラブを振ると、トップでヘッドの遠心力(+重力)によって小指側が開き、切り返しで改めて握り直して振り下ろす感覚がわかる。指全部を強く握っていると、この「キャッチ感」を感じられない。クラブを逆さにして、速く振るとこの感覚がさらにわかりやすい

切り返しでギュッと強く握らない

Drill2
切り返しを意識してアイアンを打つ

グリップをできるだけゆるく握り、切り返しでクラブの重心移動を感じながら振る。ヘッドが走る感覚がわかると、ボールは自然につかまる

Point1
背中側にクラブの支点を作るイメージ

スウィング中のクラブの支点を、背中側にイメージすると、大きなアークで振れる。支点が腹側だと、小さいアークになる

Point2
背筋を伸ばすと腕も伸びやすい

猫背アドレスだと、腕(ひじ)も曲がりやすくなり、無駄な力が入りやすい。背筋を伸ばすと、力を入れずに腕を伸ばせる

Point3
みぞおちからヘッドまでを意識する

「みぞおち」から糸がピンと張って、ヘッドにつながるイメージで、スウィング中は腕を自然に伸ばす。力むとひじが曲がり、腕が短くなる

<取材後記>
ヘッドが走るのを感じられた
「フェースをスクエアに」というのを意識して振っていましたが、それではヘッドが走ってなかったことがわかりました。グリップをゆるくしたら、すぐにヘッドの走りを感じました。

月刊ゴルフダイジェスト2022年12月号より