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穴井詩、岩井明愛、葭葉ルミ、女子ツアーの飛ばし3傑“300Y”スウィング

毎年恒例、LPGA公認のドラコン大会「朝日インテックpresentsドライビング女子コンテスト」住友生命Vitalityレディス東海クラシックの2日目終了後に行われた。驚異の300Y超えで優勝を飾った穴井詩をはじめ、上位3人の飛ばしのスウィングを、プロコーチの辻村明志氏に解説してもらった。

PHOTO/Shinji Osawa THANKS/住友生命Vitalityレディス東海クラシック

解説/辻村明志
つじむらはるゆき。上田桃子や吉田優利などを指導するプロコーチ

飛ばし屋共通の“背中使い”がある

フェース使いに注目して見てみると、穴井詩はローテーションなし、岩井明愛はあり、葭葉ルミは適度にありと、同じ飛ばし屋でも三者三様。

右下の葭葉ルミはハーフウェイバックでフェースが斜め下を向く、スクエアなフェース使い。一方上の穴井詩は、同じポジションでフェースが真下を向く超シャットフェース。逆に左下の岩井明愛はフェースが正面を向くオープンフェースでローテーションを積極的に使うタイプであることがわかる

「どれも正解で、こうしなさいということではない。腕の使い方は人それぞれですが、もっと大きな部分は共通している」と辻村明志コーチは言う。それが、“背中”の使い方だ。「3人とも、トップで左肩が深く入っています。背筋を目いっぱい使って、上体をねじることでパワーを溜めているんです。まずはここが飛ばしの条件です」

そこから切り返し、ダウンスウィングに入る。このときの動きを辻村コーチは“背中で踏ん張る”と表現する。

「下半身は回転し始めているんですが、左肩はギリギリまで粘って、胸がまだ右側を向いている。いわゆる“間”ができている状態ですね。3人の5枚目の写真を見てもらうと、正面から見て右ひじが左腕の下にあるのがわかると思います。背中を回転させないで粘らないと、この状態にはならないんですね。そこからは、背中を一気に回転させてインパクトを迎える。粘った分だけ、とてつもないパワーが生まれるというわけです。フェースの使い方にはそれぞれ特徴がありますが、広背筋を大きく使ったスウィングという点が、3人に共通した部分ですね」


1位 穴井詩 302.1Y
「体の強さとしなやかさで飛ばす」

「これだけフックに握って、シャットに使うと、チーピンしやすい。でも彼女はダウンスウィングで強烈なタメを作り、やや“振り遅れ”気味にスウィングすることでインパクトで上手く合わせている。体の強さと上手さで飛ばしていますね」

2位 岩井明愛 295.0Y
「右肩が高い状態をキープして振る」

「2人に比べるとトップが低い位置にあります。この状態から飛ばしにいくと、ダウンスウィングで右肩が下がりやすいのですが、彼女はかなり高い位置をキープしている。この動きにより、適度な入射角でボールをとらえることができるんです」

3位 葭葉ルミ 294.8Y
「トップまでの動きで飛ぶ準備が完了!」

「テークバックで大きく右に体重移動していますが、右足で体重をしっかり受けとめ、パワーを溜めています。さらに、トップでの左肩の入り方がすごい。ここまでの動きで、飛ぶ要素がたくさん入っています」

ドラコン出場選手のクラブとボール

月刊ゴルフダイジェスト2022年12月号より