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No.1ルーキー金谷拓実がスウィングを自己分析。「左ひじが抜けるのは真っすぐ飛ばしたい意識の表れ」

PHOTO/Tadashi Anezaki、Satoru Abe

アマチュア時代に数々の記録を打ち立て、昨年プロ転向した金谷拓実。世界を見据え日々研鑽を惜しまない金谷に、自身のスウィングの特徴と課題をセルフ解説してもらった。

金谷拓実
かなやたくみ。1998年生まれ、広島県出身。2019年に史上4人目となるアマチュア優勝を果たし、2020年プロ転向。参戦3戦目となるダンロップフェニックスでプロ初優勝を果たした

課題は左ひざが割れること
地面の力を上手く利用したい

昨年、ZOZOチャンピオンシップに出場したとき、この舞台で戦うために必要なのは飛距離だけだと思ったんです。アイアンの精度やアプローチ・パットは前より良くなったし、ある程度はできている。目標は300Y。でも、3年前より20Yは伸びていますし、着々と、です。
 
課題はインパクトで左ひざが割れること。(ナショナルチームの)ガレス・ジョーンズコーチにもよく指摘されます。これでパワーが逃げている。左ひざの動きが大きくなると、頭も動きやすいし、回転も素早くできない。やはり踏み込んで回転力を上げるのは大事なこと。左ひざが流れず、壁が作れるようになれば飛距離アップにつながる。以前よりハンドダウンに構えているようにみえるのも重心の意識を下に置き、地面からのパワーを使いたい気持ちの表れです。
 
スウィングのイメージは、右ひじを曲げた状態のままテークバックして体を回転するだけ。フェースローテーションが少ないのはその結果。インパクト以降で左ひじが抜けるのも、真っすぐ打ちたい自然な反応です。インパクトゾーンでフェース面が長く真っすぐにいくことで、曲がらない要因になります。
 
目指すのは効率のよいスウィング。野球のピッチャーが、力感なくピュッとキレのいい球を投げる感じ。自分の体が動きやすい動きをすればパワーも出るし、体に負担の少ない、効率いいスウィングになる。飛距離アップには厳しい環境に身を置くことも必要。今年もチャンスを逃さず、努力し挑戦し続けます。

金谷拓実のドライバー

>>金谷拓実のスウィングを別ウインドウでじっくり見る

アプローチは「バウンス」がすべて
砂の上で音を聞く練習がおすすめ

いま「ショット・トゥ・ホール」というスコアを管理するアプリを使っています。ラウンド中にどの距離を何回打ったかが、20Y刻みで出る。これを使えば、そのコースで使わない番手がわかりますし、練習のときも効率がよくなる。僕は感覚派ですが、データやシステムを自分のなかに落とし込めれば感覚の裏付けができてズレもありません。アプローチのヘッド速度などもしっかり計測して取り組んでいます。

アプローチは、昨年、練習する時間がより多くなり、技も増えたと思います。一昨年から60度のウェッジを入れました。UTを2本入れていたのですが、それを打つ回数より、グリーン周りで打つ回数のほうが多い。難しいコースほどグリーン周りは大切です。僕は状況やライに応じてクラブを替えてアプローチしますしね。

コツはバウンスを上手く使うこと。その練習さえしておけば、どんな場面でも大きなミスをすることはないはずです。

練習のポイントは「音」。バンカーで練習するといいと思います。まず、手で操作せずにそのままクラブをポンと置いた状態でフェースを少し開くと、それがバウンスが当たっている状態です。そのままクラブを握って、砂にバウンスを当てる練習をすると、使い方がわかる。バウンスが使えていたら「トーン」といい音がするんです。

世界で戦うため、ドライバーだけでなく、小技ももっと磨いていきたいです。

金谷拓実のアプローチ

週刊ゴルフダイジェスト2021年2月2日号より