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【ゴルフジム】「最近飛ばなくなってきた。しっかり体全体で振ろうとしているのですが…」

読者の悩みを教え上手なプロがマンツーマンで解決する連載「ゴルフジム」。今回のお悩みは「最近飛距離が落ちてきてしまった」というもの。その解決法とは?

PHOTO/Yasuo Masuda TEXT/Daisei Sugawara THANKS/ダイナミックゴルフ千葉

教える人/齊藤かおり

さいとうかおり。岩手県出身。29歳でゴルフを始め、米LPGAティーチング資格を取得。20年、同A級取得。ドラコン競技で342ヤードの日本記録を達成し、世界大会にも出場。ドラコン日本大会10勝。㈱岐本金属所属

<今週のお悩み>
「少しずつ飛距離が落ちてきて
一緒に回る人に負けることが多いです」

●浅香衣世さん(59歳/身長158cm/ゴルフ歴30年/ベストスコア92/平均スコア100)
全体的に、「体の回転で打とう」という意図が強く感じられるスウィング。腕がやや硬直気味で、リリース時に両ひじが伸び切っていない(4コマ目)。もう少し、腕を自由に振ってあげたほうが、スウィングスピードは得やすいはず

浅香 最近始めた人の中には飛ぶ人が多くて……。それで、自分の飛距離が落ちてきているのを実感して、落ち込んじゃいます。

齊藤 手を「使わない」というのが、最新理論には多いですけど、アマチュアの場合は逆に、うまく手を「使う」ほうが飛ぶことが多いです。浅香さんは、安定感を求めて今のスウィングになっていると思いますが、ゴルフ歴も長いですし、もう少し思い切って腕を振っても曲がらずに飛ばせるはずです。

浅香 腕より、頑張って体を動かそうとしていました。

体が頑張りすぎていて腕を振れていません

齊藤 首の根元からの振り子と手首の振り子、2つの振り子を目いっぱい使って、ヘッドスピードを上げましょう。そのためには、トップで右腰と顔が浮かないようにして、ダウンスウィングでもっと力を使えるようにしたほうがいいです。リリースを意識しながら、連続で素振りをすると、体が頑張らない振り方がわかると思います。

浅香 連続で振っていると、だんだん、腕の力が抜けてきて速く振れる感じがします。

齊藤 その感覚が大事なんです。真っすぐ立った状態で体をぐるぐる左右に回したら、腕の力さえ抜けていれば、「でんでん太鼓」みたいになって、遠心力で勝手に手が振られるじゃないですか。ゴルフのスウィングは、それに上体の前傾がくっついているだけです。

浅香 インパクトを過ぎたところで、ビシッと腕が伸びる感じは久しぶりです。

これで解決!
「体で振ろうと頑張りすぎずに
 もっと腕の力を生かして振ろう」

右腰を浮かせずにタイミングよく切り返す
トップで右腰(上体)が浮いていると、切り返しでまず、浮いた上体を元に戻す作業が必要になり、その間、腕を振り出すことができない。右腰が浮かない状態で切り返すと、すぐに腕が加速状態になり、フォローでフルリリースできる

Point 1
頭を残して両腕を伸ばす

インパクトを少し過ぎたあたりで、両腕を最大に伸ばすイメージで振る。このとき、頭が目標方向にずれていると、腕は伸びにくい。頭を残して振るとクラブの遠心力が増し、腕も伸びやすくなる

Point 2
腕はできるだけ力を抜いた状態で振る

直立した状態で体を左右に回す。腕に力が入っていなければ、遠心力で腕が持ち上がり、体の回転によって一緒に振られる。スウィング中もこの感覚で振るのがいい

Drill
フォローを意識して連続で素振りをする

フォローで腕が最大に伸びるポイントを意識しながら、連続で素振りを繰り返す。連続で振ることで、腕が脱力しやすく、いちばん効率のいい切り返しのタイミングがつかめる

週刊ゴルフダイジェスト2022年10月25日号より