【青木瀬令奈のパット教室】#1 3パットを防ぐうえで最も大事なのは“タッチ”。セレナ流ライン読みの極意
20歳前後の若手が台頭する女子ツアーのなかで、今季も資生堂レディスで優勝するなど奮闘する29歳の青木瀬令奈。その原動力は、なんといっても“パッティング”。ツアーで最も3パットを打つ確率が少ないパット巧者に、パット数を減らす極意を聞いていこう。
TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Shinji Osawa THANKS/知多カントリー倶楽部
「3パット率」がツアーで最も低い!
青木が3パット以上を打った回数は、1566ホール中28回で、3パット率は1.788。2位の岸部桃子が1.875、3位の森田遥が2.0344と、2位以下を大きく引き離している
●CONTENTS●
#1 セレナ流ライン読みの手順
#2 スムーズなストロークは“首を長くして”打つ
#3 曲がるラインのミスを防ぐアドレスの工夫
グリーンの情報は多ければ多いほどいい
女子ツアーのライバルたちにも、その技術を参考にする人が多いという、ツアー屈指のパット巧者・青木瀬令奈。その準備は朝の練習グリーンから始まっている。
「朝は必ず、練習グリーンを手で触ります。それで、コンパクション(硬さ)だとか、芝の長さや湿り具合、最近砂を入れたかどうかなどがわかるんです」と、青木。
なぜ、そこまで詳細な情報が必要かというと、それによって実際に打つときのスピード(タッチ)を調節するからだ。
「パッティングで一番大事なのは、何といっても『タッチ』です。ラインはタッチ次第で変わりますし、タッチをミスすると3パットに直結しやすい。だから、曲がる方向の傾斜だけでなく、ラインの横から上り、下りの傾斜を見ることがすごく重要です」
青木が実践している、ライン読みの手順のなかで、ぜひ参考にしたいのが「ブレークポイント」の概念だ。
「ブレークポイントは、そこを過ぎたらカップに向かって曲がっていく地点。ブレークポイントまでは真っすぐなラインとして狙います。ブレークポイントまでの傾斜、過ぎてからの傾斜(上り、下り)を事前に確認して、最終的なタッチを決めます」
青木流ライン読みルーティン
(1)ボールの後ろ(1回目)
(2)カップの向こう側
(3)ブレークポイントの延長上
(4)ブレークポイントの手前
(5)ラインの真横
(6)ボールの後ろ(2回目)
まずボールの後ろからラインを見て、次にカップの反対側へ。そこで曲がりの頂点となるポイント(ブレークポイント)を探す。ボールからブレークポイント、ブレークポイントからカップまでの傾斜を細かく見て、ラインのイメージを固める。上り、下りの傾斜判断を忘れずに。最後にもう一度、ボールの後ろからラインを確認
ブレークポイントの延長線上からもラインを見る
カップの反対側からラインを見る際、ボールと曲がりの頂点(ブレークポイント)を結ぶラインの延長線上に行って、打ち出し方向のイメージを明確にすることが大事
「朝は必ず芝の状況を確認します」
練習グリーンの芝面を指でグッと押すと、グリーンの硬さ(コンパクション)がわかる。さらに、手のひらで芝をなでるように触ることで、芝の伸び具合や湿り気がわかり、それらがスピード(タッチ)の判断材料になる
ラインが分かったら、どう打てばいい?
>>スムーズなストロークは“首を長くして”打つ
>>曲がるラインのミスを防ぐアドレスの工夫
週刊ゴルフダイジェスト2022年10月11日号より