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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.39「距離感は日常生活で磨ける」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

来たる9月。我が故郷、愛媛県で国体が開催される(※2017年)。ボクもゴルフで出場予定なので、気合十分で準備している。

と言いたいところだが、経験上、ストイックになりすぎると、ろくな結果を招かないので、なるべく気持ちを抑えるようにしている。欲を減らし、楽しくラウンドする、これがボクのモットーである。試合では、ひと言も口をきかずに黙々とプレーする選手が多いけど、ボクは逆。めっちゃ、みんなとおしゃべりしたいタイプである。この前四国アマに出場したときも、ボクの組だけコンペですか!? というくらい和気あいあいとした雰囲気だった。「ナイスショーッ」とか普通に言うし、知り合いなら「どうしたの、そんなきしゃなー(汚い)スウィングして」とかいじることもある。アマチュアやけん、試合であっても所詮は遊びやし、楽しいにこしたことはない。

距離だって、いちいち歩測なんかせんよ。メモも見ないし、はやりの距離計測器も使わん。ヤード杭さえあれば、だいたいグリーン手前までの距離がわかるので、そこにピンまでの距離を足すだけ。ピンポジを示した用紙があれば参考にするけど、なければないで大丈夫。打ち下ろしも、打ち上げも、旗の見え方でなんとなく想像つくしね。

そりゃ、歩測してプレーしたこともあるけど、スコアは変わらなかった。むしろ1ヤード、2ヤードを打ち分けようとしたばっかりに、ショートしたりオーバーしたり・・・ショットが安定しなくなってしまった。それからは、距離はだいたいの見た目、と決めている。

一緒に回った人によく「すごいですねー、ニ宮さんって全部覚えてるんですか?」と驚かれるが、初めて行ったコースでも一緒だ。キャディさんに残り何ヤード?」と聞くことは、まずないかも。もちろん、聞くことが悪いわけじゃないけど、聞かなくて済めば、そのぶんプレーに余裕が生まれるので、そっちのほうがいいと思う。

絶対音感ならぬ、絶対距離感が備わっているわけではない。みなさんだって、意識すればいくらだって、距離感を身につけることができる。ボクは、散歩中に「あそこの電信柱まで何ヤードかな?」とか、仕事中に「こっから自販機までは何歩かな?」と、距離を意識するのが習慣となっている。

日常生活のなかでも距離感を養うことができる。日頃から距離への意識を高く持っておくようにしよう

都会は歩く機会が多いし、目標物も事欠かないのだから、距離感を磨くのにはもってこいだと思う。最寄り駅のホームなんて格好の場所じゃない? まず迷惑にならない時間帯にホームの柱と柱の距離を補足する。仮に10ヤードで、等間隔に柱が立っているなら、もう1本先の柱までは20ヤードとなる。会社だったら、入口からエレベータまで、自分の席から部長の席まで……とかね。

とにかく、いろいろ計測するうちに、自然と距離感が身につくはず。目指すは人間計測器! コースで少なからず役に立つと思うので、試してみて。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2017年9月5日号より