【目指せ! 90切り】「OBや林でなければ大成功」「セカンドは乗らなくていい」藤田流・素ダボがなくなるラウンドテクニック
藤田寛之プロが実践する「守るゴルフ」は、競技志向のゴルファーにとって非常に参考になるが、90切りを目指すアベレージゴルファーにとっても藤田流思考法は役に立つ。ここでは、90を切るうえで重要な4つのポイントを教えてもらおう。
TEXT/Kenji Oba PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/マルハンカップ太平洋クラブシニア
解説/藤田寛之
1969年生まれの53歳。福岡県出身。専修大ゴルフ部を経て92年にプロ入り。国内ツアー通算18勝。12年には年間4勝を挙げ賞金王に輝く。23年連続賞金シードを保持した百戦錬磨のベテラン。今季はシニアツアーにも出場し3戦2勝の大活躍。小誌で「フジタの時間」を連載中
- ゴルフでは、積極的に攻めるよりも、いかに「守る」かが大事だという藤田寛之プロ。では、藤田プロ自身が実践する「守るゴルフ」とは、具体的にどんなものなのか。必ず守っているという“3つの掟”を教えてもらった。 TEXT/Kenji Oba PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/マルハンカップ太平洋クラブシニア 解説/藤田寛之 19……
- 43歳で賞金王に輝き、“中年の星”と呼ばれた藤田寛之。飛ばし屋が闊歩するパワー全盛時代において小柄な体でツアー通算18勝をマークした職人プロは勝つために「攻めるよりも守り」に徹したという。その極意に迫る! TEXT/Kenji Oba PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/マルハンカップ太平洋クラブシニア 解説/藤田寛之1969年生まれの53歳。福岡県出身……
グリーン周りとパットに全集中
3つの掟は藤田自身が実践しているものだが、レベルは高い。そこで90切りを目指すアマチュア向けにも「守るゴルフ」を教えてもらった。
藤田によれば、まずは自分のミスの傾向を知ることだという。とくにダボのとき、どんなミスをするのか。90を切るには、ボギーペースでパーがひとつあれば達成できるからだ。
「90台であれば、自分がフック系かスライス系かは、ある程度わかるはずです。その傾向に合わせて片側のトライアングルを徹底するのはおすすめです。そのうえで絶対に避けたいのがOBと3パット。これをベースに守るゴルフを考えます」
まずはティーショット。アマチュアはフェアウェイに置かなきゃと考えがち。だが藤田は、「狙いどころが広いのがティーショットです。ですからOBや林の奥でなければ、ナイスショットです。ラフや傾斜地でも次打がグリーン方向に打てれば大成功です」
ただ林の中に入れた場合、全力でフェアウェイに出すこと。横はもちろん、後方に打ってもいい。
「林に入れたらラフではなく、フェアウェイにきっちり出します。フェアウェイであれば、3オンの可能性が高まるからです」
では、セカンドショットは?
「基本はピンではなく、グリーンセンターを狙います。ボギーペースですから乗らなくてもいいですが、できるだけグリーンに近づけましょう。得意距離を残す方法もありますが、距離が短いほうがグリーンに乗る可能性は高くなります。バンカーが苦手な人は、避けるサイドを狙うのもアリです」
あえてバンカーに入れる、という選択肢もある。というのも、「ガードバンカーは設計上、そこから打つと簡単というところに設けられている場合が多いのです。つまりチャンスにつけやすい、いい場所でもあるんです。バンカーショットはボールを直接打たなくていいのでそれほど難しくありません。“バンカーに入れても平気”というくらい練習しておくと守るゴルフもしやすくなります」
アプローチやパットのミスは取り返しがつかない。それだけに90切りを目指すゴルフでカギを握るのがグリーン周辺。グリーン周りこそ、全力で集中したい。
「アプローチはトップ&ダフリのミスを徹底回避します。まずはパターが使えるかどうかを考え、ダメならウェッジを選択。ウェッジが苦手ならPWや9Iでもいいので、とにかくグリーンに確実に乗せましょう」
そしてパット。ファーストパットは直径2mの円の中に入れることを心がける。つまり半径相当の1m以内のパットが残る場所に寄せるのだ。
「そのためには1mのパットだけは、自信がつくまで徹底的に練習しておきましょう」
“藤田流”守るゴルフで90切りを目指そう。
ティーショットのポイント
OBや林の奥に入らなければ大成功
●ラフでも傾斜地でもいい
●林に入ったら確実にフェアウェイに出す
「アマチュアはティーショットに全力を注ぎがちですが、力を使うのはここではありません。ドライバーはOBや林の奥に入らなければ、すべてナイスショットです。次打がグリーン方向に打てれば、何の問題もありません。ラフでもOKです」(藤田)
セカンドのポイント
グリーンセンター狙い。乗らなくてもOK
●バンカーが苦手なら避ける
●得意距離は残さなくていい
「残り距離にもよりますが、セカンドショットは、いちばん確率の高いグリーンセンターを狙います。もちろん乗ればラッキーですが、乗らなくてもグリーンに近い場所にいけば問題ありません。そう考えるだけで力みも抑えられます」
アプローチのポイント
トップ&ダフリを徹底回避。まずパターが使えるかを考える
●グリーンに乗ればOK
●ウェッジが苦手ならPWや9Iを使う
「グリーン周りからが守るゴルフの本番です。ここで力を使いましょう。アプローチはトップ&ダフリのミスを徹底的に回避します。最低ラインは、どこでもいいのでグリーンに乗せること。乗せておけば、2パットの可能性が高まります。ドライバーを練習するよりアプローチを鍛えましょう」
パットのポイント
ファーストパットは2mの円に入れるイメージ
●円内に止まればどこでもいい
●振り幅ではなく力加減を意識
「3パットを回避したいわけですからファーストパットは寄せるイメージがいいです。カップの周りに直径2mの円を描き、そこに入れましょう。大切なのは力加減です。どのくらいの強さなら円内に止まるか、そこに全神経を集中させましょう」
痛い「素ダボ」が確実に減る!
「1mのパットを毎日50球」
「パターマットで1mのパットを繰り返し練習しましょう。毎日50球やれば、相当レベルは上がるはずです。1mを外さない自信がつくと、プレーに余裕が生まれ、ダボの確率も低くできます」
週刊ゴルフダイジェスト2022年9月20日号より