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【HC12以下・競技ゴルファー向け】「成功率70%以下のクラブは使いません」藤田寛之の“守るゴルフ”3つの掟

ゴルフでは、積極的に攻めるよりも、いかに「守る」かが大事だという藤田寛之プロ。では、藤田プロ自身が実践する「守るゴルフ」とは、具体的にどんなものなのか。必ず守っているという“3つの掟”を教えてもらった。

TEXT/Kenji Oba PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/マルハンカップ太平洋クラブシニア

解説/藤田寛之

1969年生まれの53歳。福岡県出身。専修大ゴルフ部を経て92年にプロ入り。国内ツアー通算18勝。12年には年間4勝を挙げ賞金王に輝く。23年連続賞金シードを保持した百戦錬磨のベテラン。今季はシニアツアーにも出場し3戦2勝の大活躍。小誌で「フジタの時間」を連載中

セーフティなゴルフからチャンスが生まれる

実際の試合で藤田は、どのような“守りのゴルフ”を心がけているのか。ここでは藤田が実践する3つの掟を紹介しよう。

1つ目が成功率7割以上のショットを打つ、というものだ。

「3割以上ミスをする可能性のあるショットは選択しません。つまり10回打って7回以上成功するショットでしか戦わない、ということです。もちろん試合では攻めなければならない場面もあります。ですが、攻めるときも無謀なショットはしません。あくまで守りながら攻めるイメージです。その基準が成功率7割なのです」

7割という数字はかなり高いが、成功率で判断するという発想自体はアマチュアにも応用できるはずだ。

2つ目は「グリーンを狙うショットは、すべてトライアングルで考える」というもの。ターゲットに対して右のトライアングルならドロー系、左ならフェード系と球筋をしっかり決めることが大事だと、藤田は語る。

「アマチュアは、ピンに対して真っすぐ打ちますが、真っすぐでは左にも右にも行く可能性があり、計算ができません。プロは右サイドか左サイドを明確に決め、ゾーンで狙っていきます。私の場合、狙ったトライアングルに入れば、それがナイスショットです。カラーやラフにいっても問題はありません。ですが、左のトライアングルを狙って右に入ってしまうのは明らかなミス、と考えます」


そして3つ目の掟はグリーンのどこを狙うか。プロはピンをデッドに狙うもの……そう考えがちだが、それは大きな誤解だと言う。

「米ツアーを見てもピンを狙う選手は、ほとんどいません。そもそもベタピンのような、カップまでの近さは重要ではないんです。

大切なのは安全なサイドを狙うことです。安全なサイドとは、カップインする確率が高く、3パットをする確率の低いエリアです。ボクの場合、多少距離があっても『上りの真っすぐ』がベストポジションになります。下りよりも上り、曲がり幅が大きいよりも小さい場所につけることを重要視しています。1mの下りラインより、3mの上りのほうが入る確率は高いということです」

防御こそ、最大の攻撃ということか。そんな守りのゴルフに徹する藤田に手堅い、つまり守りに長けた現役選手を挙げてもらった。

「日本ツアーでいえば、稲森佑貴や時松隆光に手堅さや安定感を感じます。米ツアーならショートゲームの上手いT・ウッズやJ・スピース、J・ラームなどが、守りが上手い選手といえます。もっとも、守りが下手な選手なんていませんけどね(笑)」

藤田が実践する3つの掟は、競技ゴルファーやHC12以下のアマチュアに最適、と教えてくれた。

藤田寛之の”守るゴルフ”掟1
「ショットは成功率7割以上が基準」

「守るゴルフの基本は無理をしないこと。つまりできないことはしなければいいのです。その基準が成功率7割以上です。ミスを少なくし、安全にプレーしていれば、必ずチャンスは訪れます。守りがなければ、攻められませんから」(藤田)

藤田寛之の”守るゴルフ”掟2
三角形のゾーンに入ればナイスショット

「グリーンを狙うショットは『トライアングル(三角形)』で考えます。ピンに対して右か左を選択したら、そのトライアングルにドローまたはフェードで入れることだけを考えます。もし曲がりが少なくてもゾーンに入ればOK。うまく曲がればピンに寄ってくれます」

藤田寛之の”守るゴルフ”掟3
カップに近づけるより「上りの真っすぐ」を残す

「ベタピンが必ずしもベストショットにはなりません。下りや曲がりが大きい位置につけてしまうと、決められる可能性は低くなってしまいます。カップに近づけるよりも『上り・真っすぐ』につけることを優先します。それがバーディチャンスにつながります」

パッティングはイメージ最優先

「ゴルフはカップに近づくほど、精度が求められますからパッティングがもっとも重要です。決めたラインに対して、どのくらいの強さで転がせばいいのか、そのイメージを最優先します」

週刊ゴルフダイジェスト2022年9月20日号より