【新・待ってろ、ウエハラ!】Vol.9「上手すぎる小6女子との対決で課題を再認識」
大畑大介と上原浩治との「ゴルフ対決」は上原に軍配が上がったはずだったが「あれは本番ではなかった」と言い張りだした大畑。パート1で出会った青木翔を“専属コーチ”に任命し、再修行を開始。すると、ラウンドレッスンで引き出しを増やしまくった大畑の前に“可憐すぎる刺客”が登場! 3ホール対決の2ホール目は……?
ILLUST/Koki Hashimoto TEXT/SHOTANOW PHOTO/ARAKISHIN THANKS/六甲国際パブリックコース
どんなスポーツでも、ワールドカップみたいな大きな大会の前って、必ず練習試合をやるやろ。「本番を想定して」みたいに言われるヤツ。オレ、持論があって、あの相手は絶対本番よりも強くないとダメだと思う。だって弱い相手にたとえ勝ったとしても、自信につながるみたいなことはないもん。そんなん、強敵の前では何の役にも立たんからね。
強い相手ならボロクソに負けたとしても、それ以下はないって思える。自分が通用しなかった弱点とかも見えてくるしね。要は強いやつとガチンコ勝負しとけば、負けても得られるものはデカいってこと。
それにしたって今回の刺客の呼幸ちゃん、強すぎ。全然曲がらんし、難しいライにボールが止まってもケロッとしてるもん。小学生でどんな心臓してるんや。オレも、ポーカーフェース見習ってみようかな。
実力で劣るときは
腹をくくるのみ
仮想・上原として小学6年の大槻呼幸ちゃんとの3ホールのラウンド対決が始まった。ベストスコア68の刺客を相手に、1ホール目はお互いにパーでイーブンのスタートとなったが、大畑の様子がどうもおかしい……
大畑 ちょっと、青木コーチ(小声)。
青木 なんですか、縮こまっちゃって。
大畑 強すぎやろ、呼幸ちゃん。可愛い顔してオレのドライバーショットにも全然ビビらんし、技術も高くてハートも強い。ここまでとは聞いてないぞ。
青木 相手は誰でもいいって言うから。ところで、現役の時、相手が自分たちよりはるかに実力が上だなと思ったとき、どうしていましたか?
大畑 そりゃ、覚悟を決めて自分ができるベストを尽くすしかないやろ。
青木 マッチプレーも同じです! 相手が自分と同じくらいなら、強みを見せてプレッシャーをかければいいけど、実力差があるなら、相手を見ずに自分のベストを尽くすだけ。
大畑 なるほど。次はパー5。引き締めていくで!
小学生に翻弄される
元スーパーアスリート
青木コーチとの会話で格上相手との戦い方を思い出した大畑。しかし2ホール目のティーショットは残念ながら右プッシュ。一方の呼幸ちゃんは、狙い通りのフェアウェイキープ。
大畑 あかーん! ドライバーはオレの強みだと思って、いらん欲が出てしまった。しかし呼幸ちゃん、こんな飛ばすオジサンと回ってるのに、自分のペースがしっかり守れててさすがやね。
呼幸 練習通りに、と思って打ってます!
青木 呼幸ちゃんは、本当にゴルフが好きで、ずーっと練習してるんですよ。
大畑 将来はやっぱり渋野プロみたいになりたいの?
呼幸 はい。大好きで尊敬してます!
大畑 じゃあ、その前にオレを倒しておかないとね。ちょっとハードルが低すぎるかな?
呼幸 ……(苦笑)。
大畑 リアクションが正直すぎやろ!
「夏ラフや……って誰が一句詠んでんねん。こっちは必死やぞー。まあ、夏草は元気あるなあ。芭蕉もびっくりや」(大畑)
すっかり呼幸ちゃんのペースにのまれた大畑。セカンドはPWで見事なレイアップをするも、そこからミスが続きダブルボギー。一方の呼幸ちゃんは見事にパーをセーブした。
大畑 オレがペースを崩されるなんて。
青木 ドライバーで受けたショックを、その後まで引きずってしまいましたね。3打目以降に続いたミスは、普段なら出ないようなものでした。
大畑 ドライバーが当たれば、そのあともスコーンとスムーズにいくのに、ティーショットがダメだとあかんな。
青木 お、見事な敗因分析です。それがわかっていれば、大事なのは何かわかりますよね?
大畑 ティーショットをミスった後の切り替えやね。
青木 パー5は特に、ミスしても取り返しがききますから。
大畑 前のミスを悔やむより、目の前の一打に集中できていれば、挽回は可能やったな。もったいない!
青木 呼幸ちゃん、こうやって自分の課題を見つけて、1つずつ解決していくんだよ。
呼幸 はい。勉強になります!
大畑 おっちゃん、なかなかやるやろ。って、そんなこと教えたら、もっとレベルアップしてしまうやないか!
3ホール対決で2つめを落とし、1ダウンとなった大畑。次回、最終ホールで奇跡が起きる!?
【今週のバージョンアップ】
ミスは引きずらない。
一打一打に集中して挽回を目指す!
令和の武蔵になる
オオハタダイスケ
大畑大介。1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング。大阪の東海大仰星高で上原浩治と同クラス。ベストスコアは91だが「本気を出せば上原に勝てる」と豪語する強メンタル&フィジカルでゴルフ修行フェーズ2へ
迎え撃つは
ウエハラコウジ
上原浩治。1975年4月3日生まれ。読売巨人軍の元エースで、メジャーリーグでも活躍したレジェンド。マウンド上の緊張感を今はコースで味わうのが楽しいという根っからのアスリート気質を持つエンジョイかつ本気ゴルファー。大畑の挑戦に一度は“勝利”したが……
週刊ゴルフダイジェスト2022年9月20日号より