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【ゴルフの急所】Vol.20 右はダメ! と思うほど右に曲がってしまうのはなぜ? 左右のミスを避けるコツと練習法

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC

前回のお話はこちら


右サイドが全面OBのときや、グリーン左サイドが崖になっているときなど、コースに出ると絶対に曲げたくない場面に遭遇することがあります。そういう罠を避けるには、どうしたらいいですか?(佐々木尚さん・47歳・HC18)


左右のミスを確実に
避ける方法と練習法

基本的に、左右のミスにハマる人というのは、打つ直前まで「右に打ってはいけない」「左には打ちたくない」と、打ちたくない方向のことばかり考えています。

しかし、そうやって打ちたくない方向に意識があると、体はスムーズに動かないし、せっかく逆の方向を向いていても、そちらにミスをしやすくなってしまうので注意しなくてはいけません。

心理学の先生に言わせると、「ミスをしたくない」と思うエネルギーは、「ミスをしたい」と思うエネルギーと同等なのだそうです。つまり、「右に打ちたくない(ミスをしたくない)」と意識することは、「右に打ちたい(ミスをしたい)」と考えているようなものなのです。


ですから、そのミスを避けるためには、「ミスをしたくない」というエネルギーを他に向ける必要があります。右のOBを避けたいのであれば、フェアウェイの左サイドを狙い、「あそこに打つぞ」と考える。そして、狙ったところにしっかりと向いて構え、いつもどおりのスウィングを意識して、「イチ、ニ、サンのリズムで打つ」ことに集中するのです。

とはいえ、それだけで左右のミスをしなくなるかというと、そういうわけにはいきません。やはり、普段から左右のミスを避ける練習をしておく必要があるのです。

たとえば、練習場で「あの柱よりも左に打つ(右には絶対に打たない)」「150ヤードのグリーンの右サイドを狙う(左には絶対に外さない)」といった練習をしておけば、本番で罠につかまる確率を減らすことができます。

また、球を左右に曲げる練習も必須。いつもと同じアドレスからインサイドアウト、アウトサイドインに振って球を曲げる。フェース、肩、胸のラインを目標に向けたまま、スタンスの向きだけを変えて球を曲げる。そういう練習をしながら、自分が自信を持って打てる球を見つけておくのです。

プレッシャーのかかった場面を乗り越えるためには、いつでも自信を持って打てる「勝負球」が必要になります。それは、スライスでもフックでも低い球でも構いません。球を曲げる練習をしながら、10球打ったら8球以上成功する、そういう勝負球を身につけてください。それさえ身につけてしまえば、左右のミスは、確実に減らすことができるでしょう。

Point
打つべき方向を明確にする

打ちたくない方向に意識が向いているとミスが出やすいので、今すべきことに集中する。たとえば、右がOBのときには「右に打たない」と考えるのではなく、「左のバンカーの右へ打つ」というように、狙い所を明確にしつつ、具体的な目標に集中することが大切だ

曲げる方法1
軌道を変えて球を曲げる

いつもと同じアドレスから、クラブの軌道をインサイドアウト、アウトサイドインで振ることで球を曲げる。インサイドアウトに振るときには球を少し右に、アウトサイドインに振るときには球を少し左に置いてもOK

曲げる方法2
スタンス向きを変えて球を曲げる

フェース、肩、胸はスクエアで、スタンスの向きだけを変えて球を曲げる。写真では、わかりやすいようにかなりスタンスを変えているが、ほんの少し変えるだけでも球は曲がるので試してみよう

月刊ゴルフダイジェスト2022年10月号より

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