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【ゴルフの急所】Vol.19 オープンに構える必要はない!?「バンカーからのホームラン」を防ぐ方法

30歳からゴルフを始め、トップアマとして活躍したのち、49歳でプロ転向。会社経営の傍ら、2020年には日本シニアオープンを制するまでに至った異色プロ・寺西明が、自身が考える「ゴルフの急所」について、読者からの疑問に答える形で解説していく。

PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/六甲国際GC

前回のお話はこちら


今までバンカーショットに悩んだことはなかったのですが、最近、ホームランになってOBを打ってから、バンカーが怖くなってしまいました。これを修正するにはどうしたらよいのでしょう?(竹川和成さん・50歳・HC12)


スウィング軌道によって
直し方が違う

バンカーショットというのは、その人のアドレス、スウィングのクセ、使っているSWなどによって結果が大きく変わります。ですから、スウィングを見ないでアドバイスをするのは難しいのですが、今まで悩んだことがなかったということなので、ある程度スウィングが固まっているものとしてお話をしたいと思います。

まず知っておきたいのは、同じホームランでも、インサイドアウト軌道の人と、アウトサイドイン軌道の人では、原因と直し方が異なるということです。

基本的に、インサイドアウト軌道の人は、ボール位置が右すぎたり、スタンスがオープンすぎたりすると、ヘッドが薄く入ってホームランが出やすくなります。ですから、いつもより球を少し左に置くか、スタンスをスクエアに近づけることで、これを修正します。球をどのくらい左に置くべきか、スタンスの向きをどのくらい変えるかは人によって違うので、いろいろなパターンを試してみてください。


これに対して、アウトサイドイン軌道の人は、球を左に置きすぎたり、右足に体重をかけすぎていたりすると、シャフトが寝た状態でヘッドがボールの手前に落ち、それが跳ねて当たることでホームランになります。だから、球をいつもより右に置くか、体重を左足にかけて構えることで修正していくとよいでしょう。

大事なのは、いろいろと試してみることです。それで修正できれば、次に同じようなミスが出ても、自分で直せるから、今のように悩むことはなくなると思います。

ただ残念ながら、ほとんどのアマチュアゴルファーはバンカーショットを練習できる機会が少ないです。これこそがバンカーでミスをする最大の原因なのです。だから、とにかく機会を見つけて練習をする。それが第一歩でしょう。
そのときに試してもらいたいのがクローズスタンスのバンカーショットです。クローズスタンスにして、左足に体重をかけて構えると、自然にクラブの入射角、ヘッドの入る位置が安定してバウンスが利きやすくなります。だから、ホームランに限らず、バンカーショットを苦手にしている人が、いい動きを身につけるには最適なのです。この練習で「出す」ことに自信がつけば、ホームランの恐怖からも抜け出せるのではないでしょうか。

クローズスタンスのバンカーショットを試してみよう

ハンドファーストではなく、シャフトを真っすぐに構えることでバウンスが利きやすくなる

写真の構えができたら、ボールの少し手前にソール(バウンス)を入れ、ピンに向かって真っすぐ振っていく。バンカーはオープンスタンスでカットに打つものだと思っている人も多いが、最近はプロでもピンに向かって打つ選手のほうが圧倒的に多い。この練習で、カットに打たなくても「出せる」感覚を身につけよう。フォローではフェースを返さず、フェースを自分に向けるのがポイント

軌道によってホームランの直し方は変わる

インサイドアウト軌道の人は、球を右に置きすぎたり、オープンスタンスにしすぎたりすることでホームランになるので、それを修正する。それに対して、アウトサイドイン軌道の人は、球を左に置きすぎたり、右足に体重をかけたりすることでホームランになるので、そこを直すのだ。

【インサイドアウト軌道の人】
1. スタンスをスクエアに近づける
2. ボールを左に置く

【アウトサイドイン軌道の人】
1. 左足に体重をかける
2. ボールを右に置く

月刊ゴルフダイジェスト2022年9月号より

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