【新・待ってろ、ウエハラ!】Vol.8「マッチプレーの極意は“心の余裕”を持つこと!」
大畑大介と上原浩治との「ゴルフ対決」は上原に軍配が上がったはずだったが「あれは本番ではなかった」と言い張りだした大畑。パート1で出会った青木翔を“専属コーチ”に任命し、再修行を開始。すると、ラウンドレッスンで引き出しを増やしまくった大畑の前に“可憐すぎる刺客”が姿を現した!
ILLUST/Koki Hashimoto TEXT/SHOTANOW PHOTO/ARAKISHIN THANKS/六甲国際パブリックコース
オレの信条は「常に本気」。だって全力でぶつからないと、勝っても負けても意味ないでしょ。弱い相手に手を抜いてぶつかって勝っても、お互い何も得られるものはないんだよね。
なーんて、理屈を並べたけど、そもそもオレは手を抜くってことができないカラダなんだと思う。前に子どもたちのバスケットボールの練習に交ざったとき、火がついてしまってダンクシュート決めたことを思い出したわ。周りで見てる大人が苦笑いで引いとったな。でも、オレがそこで手を抜いて「あー、オジサン取られちゃったなぁ~」なんてやっても、全然選手のためにならない。何よりオレが悔しくて夜寝られんくなる。
今回は小学6年の女の子が相手だけど、もちろん全力よ。圧倒的な差で泣かせちゃってスタッフがドン引きしてもオレは手を抜かんぞ。待ってろ、ウエ……じゃなくて呼幸ちゃん!
ベストスコア68
小学6年の刺客にビビる
上原との対決に向け、青木コーチが課したのは最強の刺客とのラウンド。現れたのは155センチの女の子。
大畑 青木コーチ、前回のラウンドレッスンでオレが勝ったからって、刺客なんて大人げないなぁ。
青木 いつの間にか僕が負けたことになってるし……。で、今日の相手は、教え子の大槻呼幸さんです!
大畑 この子、知ってる! 前に青木コーチの練習場に行ったとき、エグい球打っとった。触発されて練習場で500球くらい打ったら、手が血だらけになったわ。
青木 本当に負けず嫌いですね。
呼幸 よ、よろしくお願いします……。
大畑 よろしく! オレは青木コーチに弟子入りして1年くらいになるけど、呼幸ちゃんはどれくらい?
呼幸 1年半くらいです。ベストスコアは先月出した68です。
大畑 姉弟子か。「姉さん」やんか。しかもベストが68。上原よりちょっと、いやかなり上手いんちゃうか。
呼幸 得意なのはドライバーです!
大畑 このオジサンの前でドライバーを得意と言うからには、相当の腕前なんやろな。早速見せてもらおうか。
パー4で1オンを狙うが…
ティーイングエリアに移動した一行。3ホールマッチで対決開始!
大畑 322ヤードか。届くな。狙いはカップのみやね。
呼幸 私は右のバンカーを避けてフェアウェイに置きたいです。
対照的(?)な2人。大畑はグリーンオンとはならなかったが、フェアウェイをキープ。一方の呼幸ちゃんは緊張からか右ラフに外してしまう。
大畑 オレがプレッシャーをかけすぎてしまったのか……。
青木 気にしてるんですか? 意外と優しいですね。
大畑 この大畑大介という大きな壁を乗り越えて、成長するいい機会やろ。
青木 誰目線ですか……。
しかし、さすが刺客。ラフで難しいアングルだったにもかかわらず、ピンそば2メートルにナイスオン。それに感化されたのか、大畑はその内側につけ返す。
大畑 すまんな。相手が強いほど燃えてしまうタチなんよ。
青木 いや、何も言ってませんけど。でも、ナイスオンです。
大畑 オレがラフで呼幸ちゃんがフェアウェイっていう逆パターンだったらって考えるとゾッとするわ。
青木 そうです。マッチプレーはとにかく相手よりも優位に立ち続けること。心の余裕も生まれますからね。
2人ともバーディチャンス!「オレのほうがちょっと近いからオレの勝ち」(大畑)「カップに入れてから言ってください」(青木)
バーディパットに臨む2人。呼幸ちゃんは惜しくも外してパー。そして、ここぞの集中を見せる大畑、バーディでリードか!? と思われたが、惜しくもカップ1つぶん外れる。1ホール目はお互いパーで、イーブンとなった。
大畑 いやー、腕の筋が切れるくらい集中したわ。
青木 下りのスライスラインでストロークがゆるまなかったのはナイスでした! カップのどこから入れるか“入り口”を常に意識できるようになると、さらにいいですね。
呼幸 大畑さんってテレビで見るより上手いですね!(ニコッ)
大畑 オレは進化し続ける男だからな。
スーパー小学生と堂々渡り合うプレーを見せるが、次回波乱の展開に!
【今週のバージョンアップ】
マッチプレーでは相手より優位に立ち続け
心の余裕を持つ!
令和の武蔵になる
オオハタダイスケ
大畑大介。1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング。大阪の東海大仰星高で上原浩治と同クラス。ベストスコアは91だが「本気を出せば上原に勝てる」と豪語する強メンタル&フィジカルでゴルフ修行フェーズ2へ
迎え撃つは
ウエハラコウジ
上原浩治。1975年4月3日生まれ。読売巨人軍の元エースで、メジャーリーグでも活躍したレジェンド。マウンド上の緊張感を今はコースで味わうのが楽しいという根っからのアスリート気質を持つエンジョイかつ本気ゴルファー。大畑の挑戦に一度は“勝利”したが……
週刊ゴルフダイジェスト2022年9月13日号より