【新・待ってろ、ウエハラ!】Vol.7 同じ番手で距離を伸ばすこともできる!
大畑大介と上原浩治との「ゴルフ対決」は上原に軍配が上がったはずだったが「あれは本番ではなかった」と言い張りだした大畑。パート1で出会った青木翔を“専属コーチ”に任命し、再修行を開始した。セッティングを半分にした対決形式のラウンドレッスンは絶好調だったが、ここにきてクラブを抜いた弊害が……。
ILLUST/Koki Hashimoto TEXT/SHOTANOW PHOTO/ARAKISHIN THANKS/六甲国際パブリックコース
この連載が「シーズン2」になってオレに起きた最大の変化は“飛ばしバカ”からの卒業だな。前まではただ振り回して飛距離を出すことしか考えてなかったけど、狙う楽しさがわかってきた。
何で変わったかというと、テレビ放送のおかげで自分のスウィングを見るようになったから。あれはアカンな。自分のイメージとの差に、半笑いになってしまった。
なかでも一番ビックリしたのが、全番手でフルショットしてたってこと。振り回してるだけだから“目標を狙ってる感”が全然ないのよ。コース出てるのに、練習場でフルショットだけしとるのと変わらなく見えた。映像はいい復習材料になるな。
今回でラウンドレッスンはいよいよ最終回。飛ばす男から狙う男へ大進化の仕上げ、バッチリ決めるぞ。待ってろ、上原!
距離が足りないけど
ウッドは……
ウンドレッスンで実戦的な経験を積んでいく大畑。前回はつま先上がりから、無謀にもウッドを使い大失敗……。「世の中にはどうにもならないライがある」と青木翔コーチにフォローされたが、そのウッドに嫌なイメージが残ってしまったらしく……。
大畑 さっきのホール、傾斜でウッドを振り回して、大失敗やったやろ?
青木 ほぼ空振りみたいな当たりでしたね。本番じゃなくてよかった!
大畑 あの後からなんかウッドが当たる気しないんだけど。
青木 そういうことってありますよね。別にミスの後じゃなくても、なんか今日、このクラブしっくりこないな、みたいな。もし構えて違和感があったら、その番手は避けるのが正解です。嫌なイメージを持ったままスウィングしても、大抵いい結果にはなりません。
大畑 でも、ウッドの代わりにUTを使おうと思ったら、今回抜いたほうの半分だったからちょうどいいクラブがないのよ。
青木 それは困りましたね~(ニヤッ)。
大畑 全然困った言い方じゃないし、むしろまた意地悪な顔になってるぞ!
ボール位置でロフトを変える
青木 ウッドがダメ、UTがないとなると残るは5番アイアンですね。
大畑 でもそれだとちょっとだけグリーンに届かないくらいなのよ。
青木 じゃあ5番アイアンの飛距離を伸ばしちゃいましょう。
大畑 そんなことできるの?
青木 5番アイアンと4番アイアンって後者のほうが飛距離が出ますよね?
大畑 そりゃロフトが立ってるからな。
青木 だから、5番アイアンを打つときにロフトを立てればいいんです。
大畑 オレの怪力でネック部分を曲げちゃうってこと?
青木 いえいえ(笑)。ボール位置を少し右にずらせばいいんです。
アドレスに入っていた大畑は、スタンスの中心にあったボール位置をやや右寄りに変えた。すると……。
大畑 おぉ! 勝手にハンドファーストになってロフトが立った!
青木 ボール位置を少しずらすだけでロフトが変わって球が低く、前に飛ぶようになります。
大畑が早速、ボール位置を右寄りにしてショットしてみるも、ハーフトップで右方向に飛び出してしまった。
大畑 ムズイな、コレ。
青木 結構難易度は高めです。でも林の中から低い球で距離を出したいとか、冬場にランで距離を稼ぎたいというときには武器になります。練習でもやってみてください。
大畑 同じ番手で距離を変えるって、スウィングを小さくして距離を落とすだけだと思ってたけど、伸ばすこともできるんか。
青木 コースに出て「距離が足りないな」って思うと、どうしても思い切り振って力で距離を出そうとします。
大畑 まさにオレや。
青木 そうではなくて、アドレスや番手の変更で距離をカバーすることを覚えれば、ゴルフが楽になります。わかりやすいのがカップまで少し距離のあるバンカーとかですね。
大畑 出ないのも嫌やから開き具合は変えずに、力いっぱい振ってるかな。
青木 例えばいつも58度を使っているなら、その上の54度を使ってみてください。スウィングを変えずに距離をプラスできますよ。
「次回は新たな対戦です。手強い相手ですよ」(青木)
「建山かな?」(大畑)
「普段はランドセル背負ってます」(青木)
「建山がランドセルを……?」(大畑)
「……」(青木)
引き算に加え足し算も覚えた大畑。次回、新たな刺客が現れる(上原ではないらしい)新展開!
【今週のバージョンアップ】
ボール位置を中心からやや右に。
低い球で距離が出せるぞ!
令和の武蔵になる
オオハタダイスケ
大畑大介。1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング。大阪の東海大仰星高で上原浩治と同クラス。ベストスコアは91だが「本気を出せば上原に勝てる」と豪語する強メンタル&フィジカルでゴルフ修行フェーズ2へ
迎え撃つは
ウエハラコウジ
上原浩治。1975年4月3日生まれ。読売巨人軍の元エースで、メジャーリーグでも活躍したレジェンド。マウンド上の緊張感を今はコースで味わうのが楽しいという根っからのアスリート気質を持つエンジョイかつ本気ゴルファー。大畑の挑戦に一度は“勝利”したが……
週刊ゴルフダイジェスト2022年9月6日号より
CS放送のGAORAでは「大畑大介×青木翔 レッツトライゴルフ! ~待ってろ上原~」がオンエア中(火曜日23時30分~23時45分 ※再放送あり)