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【右手と左手、どっちが大事?】小山田雅人「ショットは左、アプローチは右が主体」

ゴルフのスウィングでは、左手のリードが大事と言う人もいれば、右手の感覚が大事と言う人もいる。いったいどっちが正しいのか? 右手が義手でありながら、ティーチングプロの資格を持つ小山田雅人コーチに話を聞いた。

解説/小山田雅人

67年生まれ。2歳のときに事故で右手首から先を切断。14年PGAのティーチングプロ(B級)取得。シニアツアーにも挑戦しながら講演やレッスン活動を行う

右手首から先が義手の私は、これまでずっと右手の役割を左手でどうできるかを考えてきました。

右打ちの場合、左手はボールを飛ばすために、右手はボールのスピンコントロールに重要。左手はタメを一気に解放していくのに使います。また、ボールを止めるためにはバックスピンをかけますが、スピンの調整は右手で行うんです。私は右手がないのでボールが止まらない。障害者のなかには左手がない人もいますが、その場合は逆に右手を使いすぎるからスピンがかかりすぎてしまう。スピンって意外にパワーが必要なんです。

右手の押し加減でスピンコントロール、左手でタメを作りパワーを解放する。「私は、左の肩から指先まで全部の筋肉を使うので、ショットでもアドレス時から強く握ります」


基本、ショットは左が主体、アプローチは右が主体で考えます。そして速く振るため、ベースボールグリップです。通常は左手の小指・薬指・中指の3本、右手の小指・薬指の2本で握りますが、その役割を左手の人差し指と親指にさせます。また、アドレスでグリップはゆるく握ると言いますが、ひじから肩までの筋肉を使わないため。そこに力が入ると腕もクラブも速く振れません。でもアプローチは飛ばす必要がないので初めから強く握っていてもいい。右の中指と薬指をぎゅっと握るとヘッドが落ちてダフることが減りますよ。

自分にないものを嘆くより、あるもので工夫する。これからも日々工夫して頑張っていきたいですね。

左手でタメを解放、右手でスピンコントロール

スピン調整は「曲がっている右ひじを伸ばしていきインパクト後にグッと押す感じ」で行う。「健常者の方がグリーン周りで上手くいかないのは、軽く握って左手リードで打つから。利き手を上手く使うべき。右手を主体にして左手は添えるだけ。普通のショットは逆のイメージでいいんです」

週刊ゴルフダイジェスト2022年8月23・30日合併号より