【新・待ってろ、ウエハラ!】Vol. 4 ロングパットで距離感を合わせるには?
大畑大介と上原浩治との「ゴルフ対決」は上原に軍配が上がったはずだったが「あれは本番ではなかった」と言い張りだした大畑。パート1で出会った青木翔を“専属コーチ”に任命し、再修行を開始。今回は“勝負”に直結するパットの特訓。自慢の感性を生かす時だ、大畑!
ILLUST/Koki Hashimoto TEXT/SHOTANOW PHOTO/ARAKISHIN THANKS/六甲国際パブリックコース
オレはラグビー選手の中では体が小さいほう。だからどんな相手でも気持ちだけは絶対に負けないようにってやってきてた。引退してからだけど、とあるホテルで現役のラグビー選手たちとすれちがったことがあって、体のデカさとオーラにビビって腰抜かすかと思ったわ。それくらい現役のときは気を張ってたってことやね。
今は特に体のトレーニングはしてないけど、勝負事になると、この「絶対負けん」っていう気持ちのスイッチが勝手に入る。そして1回そうなれば、ラグビーのプレー時間の40分はそのモードが切れることはない。
つまり、ティーオフしてしまえばドライバーだろうがパッティングだろうがガンガン攻めるのみ。上手いことタッチを合わせて絶妙に打つなんてのは性に合わんからね。グリーン上でもガッツリ相手にプレッシャーをかけるのが大畑流や。待ってろ、上原!
遠い距離は
止まる位置をイメージ
短期集中マンツーマンレッスンの最終回はパッティング。青木コーチはここでも大畑の“強み”を伸ばす作戦だというが、果たして……。
大畑 オレのパッティングにも強みってあるの?
青木 ズバリ、気持ちの強さです。
大畑 それ、苦し紛れに絞り出してない?
青木 そんなことありませんよ! パットを強気で臨めるって、誰でもできるものじゃないし、簡単に身につくものでもないですから。ところで大畑さんって、パッティングのとき、何を考えてますか?
大畑 穴に入れる!
青木 えっと……、それだけ?
大畑 ほかに必要?
青木 カップに近いパットはそれでOKです。でも遠い距離は、入るイメージが出にくいことありますよね。
大畑 あるな。離れるほど小さく見えるから、入る気しないことはある。
青木 そんな時はどこまで打つか。つまり、打ったボールがどこら辺に止まるかを意識してほしいんです。
大畑 なるほどね! それなら目標まで離れてても、タッチのイメージが湧きやすいわ。そういうの、早く言ってよ~。
テークバックと
フォローは同じ幅で
大畑 じゃあ、そのイメージした転がりはどうやって出せばいい? たいていはオレの天才的なタッチで合わせられるけど、初めてのコースとかで最初の数ホール、うまく合わないことがある。
青木 パットは振り子運動なので、ブランコのように行きも帰りも同じ幅、同じ速度で動くのが理想です。
大畑 テークバックもフォローも同じ幅を振ればええんやね。楽勝や。
アドバイスの通り振り子をイメージしてヘッドを動かす大畑だったが、青木コーチは致命的な欠陥を発見する。
青木 今、同じ幅で振ったつもりかもしれませんが、テークバック側が小さいです。
大畑 そんなバカな! じゃあ、測ってみてよ。
青木 テークバックとフォローの大きさを決めるとき、どこを中心にしましたか?
大畑 そりゃボールでしょ。ボールを打つんだから。
青木 それだと、ヘッドの振り幅は均等になりません。基準にしてほしいのはフェース面。そこからテークバックとフォローの大きさを決めてください。
大畑 ボールを中心にしてたから、その分テークバックが小さくなっていたのか!
「振り幅は、等しく……。ボールじゃなくてフェース面を中心に等しくですよ」(青木)
青木 テークバックが小さいと「目標まで届かないかも!」という意識からインパクトが強くなりがちです。そうするとイメージ通りの転がりが出せなくなってしまいます。
大畑 タッチが合わないことがあったのはこのせいか。
青木 逆に言えばそれだけです。気持ちは強気、距離感はもともと◎、振り幅のコントロールができるようになったので、死角はなしです。
大畑 ついにシン・オオハタが完成してしまったな。今すぐにでも上原と対戦したいくらいや。
青木 今できていたのはあくまで練習場の中。コースでできるかは別です。
大畑 オレが本番に弱いわけないでしょ。
青木 じゃあ、次回からは特訓ラウンドをしてもらいます。
自信満々の大畑に、青木コーチが次なる課題を出す。特訓ラウンドの内容とは? 乞う、ご期待!
【今週のバージョンアップ】
パットは振り子。
中心はフェース面でボールじゃない!
令和の武蔵になる!
オオハタダイスケ
大畑大介。1975年11月11日生まれ。ラグビー元日本代表、伝説のウイング。大阪の東海大仰星高で上原浩治と同クラス。ゴルフのベストスコアは91だが「本気を出せば上原に勝てる」と豪語するスーパーメンタル&フィジカルでゴルフ修行へ
迎え撃つは
ウエハラコウジ
上原浩治。1975年4月3日生まれ。読売巨人軍の元エースで、メジャーリーグでも活躍したレジェンド。マウンド上の緊張感を今はコースで味わうのが楽しいという根っからのアスリート気質を持つエンジョイかつ本気ゴルファー。同窓生・大畑の挑戦を待つ
週刊ゴルフダイジェスト2022年8月9日号より
CS放送のGAORAでは「大畑大介×青木翔 レッツトライゴルフ! ~待ってろ上原~」がオンエア中(火曜日23時30分~23時45分 ※再放送あり)