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【「打つ」から「振る」へ】#1「振り切れない原因は“アドレスの力み”」伊澤流・飛ばしの大前提

「曲げたくない」「球に当てたい」という思いが強くなると、どうしてもボールを“打ちに”いってしまい、当てて終わりのスウィングになってしまう。ぶ厚いインパクトで効率よく飛ばすには、しっかりと“振り切る”ことが重要。しかし分かってはいても、いざティーイングエリアに立つと、なかなか振り切ることができなくなってしまう。いったいどうすれば、プロみたいにフィニッシュまで振り切ることができるのか。まずはキング・オブ・スウィングこと伊澤利光プロに話を聞いた。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/福岡レイクサイドカントリークラブ【PGM】

●CONTENTS●
#1 伊澤利光に聞く「振り切れない原因」
#2 振り切れるようになる“いい素振り”の条件とは?
#3 トップアマがやっている“振り切る”工夫

解説/伊澤利光

いざわとしみつ。1968年生まれ神奈川県出身。01年のマスターズで4位に入る活躍。現在はで活躍中

ボールの存在がスウィングの邪魔をする

ボール存在に惑わされずに、フィニッシュまでしっかり振り切るにはどうすればいいのか。日本が誇るベストスウィンガー、伊澤利光プロに聞いてみた。

「プロは必ず『当たる』前提でスウィングをするので、『当てにいく』という感覚はありません。アマチュアの場合は、常に『当たるかな』という心配があって難しいとは思いますが、たとえば広いホールに来たときだけでも、『最後まで振り切る』という意識で打つようにすると、だんだん、ボールが気にならなくなってくると思います」

大事なのは、そのときうまくいかなくても「やり続ける」こと。「プロは1度曲げると、逆に『もう次はない』と考えます。アマチュアも、2、3度曲げたからといって諦めずに、『次は真っすぐ行くはず』と思って打つほうがいいです」

【プロ】
当たる“前提”で振るからボールは気にならない

プロはよほどの悪条件でなければ、ボールに「当てる」ことは意識せず、「どういう球を打つか」というイメージに集中して、そのためのスウィングをする。だから最後まで振り切れる

【アマチュア】
ボールが気になりスウィングがおろそかに

フェース面をボールに当てる作業と、クラブを振り切る作業はまったくの別モノ。前者はどうしてもインパクトが主役になってしまい、スウィングの形が崩れてしまう

振り切るための第一歩
「グリップを“1”で握る」

伊澤プロは、10段階の「1」という、ごく弱い力でアドレスし、スウィング中もその力感を変えないことが「振る」第一歩だと言う。

「スウィングがスタートすると、勝手に力は入るものなので、最初の時点で『4』とか『5』の力で握ってしまうと、インパクトでは簡単に『10』を超えてしまう。これが、アマチュアが振り切れない原因のひとつです」と、伊澤プロ。また、グリップを握る力が強いと、テークバックでコックが入りにくい、上体に力が入って肩が回りにくくなる、などのデメリットも出てくる。

「前のホールでミスをしたりすると、『次はちゃんと当てたい』という気持ちからグリップ圧が強くなりがちです。それを防ぐために、『必ず深呼吸してから打つ』とか、簡単なルーティンを決めておいて、それを毎回やるのがおすすめです」

グリップが“1”じゃないと……
「肩に力が入り体が回りにくくなる」

グリップに力を入れると、連鎖的に腕から肩、上半身全体に力が入る。上半身が力んでいると体は回転しづらくなり、スムーズなスウィングを妨げる。また、トップも浅くなりがち

グリップが“1”じゃないと……
「トップで手首の動きが制限される」

グリップをゆるく握るほど、テークバックでは自然にコックが入り、ダウンスウィングではタメが深くなる。グリップに力を入れると、手首の動きが悪くなり、スウィングは小さくなる

いつも“1”で握るために……
打つ前のルーティンを大事にしよう

アドレスに入るまでの動作(プレショットルーティン)を一定にすると、いつも同じ力感でスウィングに移行しやすくなる。自分なりの簡単なルーティンを決めておくといい

「振り切る=思い切り」ではない

強く振っても、振り切れるとは限らない。普段、5割程度の力で最後まで振り切るスウィングの練習をしておき、コースでは、7~8割で振り切るのが理想

振り切れるスウィングを身につけるには?
>>振り切れるようになる“いい素振り”の条件
>>トップアマがやっている“振り切る”工夫

月刊ゴルフダイジェスト2022年9月号より