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【“側屈”で飛ばす】<後編>左右の目を垂直にするイメージで振ってみよう

「側屈」の動きを取り入れることで、飛んで曲がらない球が手に入るという早川佳智プロ。とはいえ側屈の動きに馴染みのない一般ゴルファーには、なかなか取り入れることは難しい。そこで早川プロに、側屈スウィングが簡単に身につくとっておきの方法を教えてもらった。

PHOTO/ARAKISHIN、Takanori Miki THANKS/東名古屋CC、日進ゴルフエトワス

解説/早川佳智

1975年生まれ。愛知県出身。日々、スウィングとギアの研究にいそしむこだわりプロ。大物ルーキー・大西魁斗がゴルフを始めたキッカケとなった人物でもある

>>「側屈」を使うメリットとは? 前編をチェック

  • PGAツアーなどで活躍する選手のスウィングを見ていると、上半身が地面と平行になるぐらい傾けて打っている選手が増えていることに気づく。側屈(サイドベンド)と呼ばれるこうした動きは、どんなメリットがあるのか。我々一般ゴルファーにも真似できるものなのか。スウィング理論に詳しい早川佳智プロに話を聞いた。 PHOTO/ARAKISHIN、Takanori Miki THANKS/東名古屋CC、日進ゴ……

左右の目を地面と垂直にする

側屈することのメリットはわかったが、実際に我々がその動きを取り入れるためには、どんなことを意識したらいいのか。引き続き早川プロに聞いていこう。

「体を無理に曲げようとしても、なかなか動かすことはできません。ポイントは、ボールの見方を変えること。これだけで、体が勝手に反応して側屈の動きがしやすくなるんです。

まず、トップからダウンスウィングの切り返しで、ボールの右側面を見る意識を持ってください。すると、体がなんとなく右へ傾いてきます。あとは、インパクトで左右の目が地面と垂直になるような意識を持ってください。実際にならなくても、意識することが大切です。これにより、側屈させてボールを横から押せる体勢が作れます。このとき、トップで曲げた右ひじを伸ばすことなくインパクトする意識を持つと、よりヘッドの入射角が緩やかになり、高打ち出しのストレートボールが出やすくなります」


Point 1
ボールの右側面を見る意識を持つ

ボールをどう見るかによって、体の動きは大きく変わってくるという早川プロ。トップから切り返した時点でボールの右側面を見る意識を持てば、体が硬くても自然と右わきが縮まる動きになってくる

Point 2
トップの右ひじの角度をインパクトまでキープ

アドレスからトップまで上げると、自然と右ひじが曲がる。この右ひじが曲がった形を変えずに、右わき腹を側屈させて打つ。右ひじが曲がっているため、頭の位置を下げてインパクトをしないと空振りしてしまう。頭の位置が下がるのを怖がらずに振っていこう

左ひじは畳まない

目線使いで側屈させる動きを覚えたら、あとはインパクトからフォローでひと工夫を加えるだけで究極のストレートボールが打てるようになると早川プロ。それが左親指の動きと右手の掌屈だ。

「フェースの開閉を極力なくして打つのが、この側屈スウィングの特徴です。フェースの開閉を抑えるためのポイントのひとつが、左ひじの動き。フォローでシャフトを立てるように左ひじを曲げる動きは行わず、ひじを伸ばす意識が必要です。それを簡単に行うには、インパクトで左親指を下に向ける“サムダウン”という動きを入れます。これにより、フェースを閉じる動きが抑えられます。

もうひとつのポイントは、右手のひらの向き。フェースの開閉を積極的に打つタイプの人は、フォローで右手の甲が上を向くと思います。しかし、この側屈スウィングの場合は逆で、フォローで右手のひらが上を向く「掌屈」の動きになります。

この2つを意識することで、これでもか! というくらいフェースを返す動きが抑えられ、ライ角とフェース向きをキープしたまま振り抜けるようになる。まさに究極のストレートボール打法といえます」

フェースを返さないポイント1
サムダウン

インパクトからフォローにかけて、左手親指を下に向ける“サムダウン”の動きを入れることで、フェースの開閉運動が起こりにくく、フェースを真っすぐ押し出しやすくなる

以前はフォローでシャフトを立てて、グリップエンドを支点にヘッドを走らせる教えが多かった

フェースを返さないポイント2
右手の掌屈

フォローで右手のひらが自分を向くように動かす。フォローで右手の甲が見えるとフェースを閉じる動きになるので、ボールが曲がりやすくなる

右手のひら側に折る(左)
>>フォローでフェースが上を向き、フェースの開閉は行われない

右手の甲が上になる(右)
>>フェースローテーションが大きくなり、球が左右に散らばりやすい

ジャンプの動きで体を高速回転

側屈を使いフェースの開閉を抑えることで球を真っすぐ飛ばせることはわかったが、より遠くへ飛ばすにはどうすればいいのか? 早川プロによると、屈伸運動を使って体の回転スピードを上げることが重要だという。

「側屈スウィングでヘッドを走らせるには、体の回転速度を上げる以外にありません。そのために、ツアープロたちはいわゆる地面反力を使ったジャンプする動きで、体の回転速度を上げているのです」

左足のめくれは回転力が強い証拠!

どの選手も、インパクトでジャンプするように左足がピンと伸びている。これは地面反力を利用して体の回転スピードを上げている証拠で、結果的に左足がめくれるような形になっているが、これ自体は問題ないという

週刊ゴルフダイジェスト2022年7月19日号より