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【スウィング研究】トップの位置、フェース使い、体重移動…ここまで変わった! 松山英樹スウィング変遷史

ツアーデビューから12年、PGAツアーで8勝を挙げ、いまだ進化を止めない松山英樹。今回は、そのスウィングの進化にスポットを当ててみた。

PHOTO/Blue Sky Photos、Tadashi Anezaki

2011年はトップの手元の位置が高く、フェースがやや開いていた。現在は手元が低くなり、フェースも以前より閉じている。また左右への体重移動も少なくなり、より回転重視のスウィングになっている

解説/内藤雄士
木村太一などの男子プロを教えるプロコーチ。PGAツアーの解説も行う

回転重視のスウィングに

アマチュアとしてツアーデビューしてから12年が経過した松山英樹プロですが、年齢とともに体の進化はもちろん、スウィングにも進化が見られます。

もっとも変わったのは、より効率的なスウィングになったこと。デビュー当時は、体重移動を大きく使ったスウィングで、切り返しから体が少し左に流れていました。それが2015年になると、体が鍛え上げられ、左右への体重移動を使っても軸のブレが減り、安定感が増しました。


そして現在では、「体重移動重視」から「回転スピード重視」に進化しています。これは腕のローテーションを抑えて安定感を出したいという意思の表れ。そして回転スピードを上げるための体幹力が強靭になったことによるものでしょう。

トップの位置もポイント。以前よりも低い位置に上がり、フェースも閉じています。この状態からだとインサイドから下りやすく球がつかまります。さらに、体を回していくだけで早い段階でフェース面がボールに対してスクエアになるため、インパクトゾーンが長くなります。回転スピードを上げるには体の強さが必要ですが、松山プロは12年で一回りも二回りも大きく、強い体になりました。その結果、PGAツアーでも屈指のスウィングに進化を遂げました。

2011年
体の柔軟性と体重移動を使ったスウィング

体の線が細く、体幹というよりも柔軟性で飛ばしていたスウィング。トップを高く上げ、ヘッドを上から落とすように振ることで、ヘッドスピードを上げているのが特徴。切り返しでは、左ひざが流れるため、ややスウェイしている

2015年
体重移動と腕のローテーションで飛ばす

2011年に比べてひとまわり体が大きくなったことで、バックスウィングで右股関節に体重を乗せるように大きく体重移動をしても軸のブレが少なくなった。加えて腕のローテーションを積極的に使うことで、ボールをつかまえて飛ばす

2022年
フェースローテーションを抑え体の回転で飛ばす

バックスウィングでは右尻、切り返しからは左尻を後方に引くことで、その場で回転するスウィングに。トップでフェースを閉じて使うのも、腕のローテーションを抑えて、回転で飛ばそうとする意思の表れ

持ち球がフェードからドローに変化

以前と比べトップが低く、フェース面も閉じている(フェース面が空を向く)。クラブがインサイドから下り、持ち球がドローに変わった

月刊ゴルフダイジェスト2022年8月号より