【PGAツアーHOTLINE】Vol.29 ホアキン・ニーマン「コーチおすすめ! アプローチの距離感を磨ける50/50ドリル」
PGAツアーアジア担当ディレクターのコーリー・ヨシムラさんが米ツアーのホットな情報をお届けする隔週連載「PGAツアーHOTLINE」。第29回のテーマはホアキン・ニーマンの“アプローチ”について。
ARRANGE/Mika Kawano PHOTO/Blue Sky Photos
ニーマンのような
チップショットを身につけるには?
プレジデンツカップで松山英樹のチームメイトだったホアキン・ニーマン。「ヒデキは僕の顔を見るとレッツゴーと練習に誘うんだ」というほど仲が良いそうです。
松山もショートゲームが上手い選手ですが、ニーマンは小細工せず、もっとも安全な方法でグリーン周りを攻略するタイプ。アマチュアにも真似できるニーマンのチップショットを習得するためのドリルを、有名コーチ、トッド・アンダーソン氏に聞きました。
「皆さんにオススメしたいのは50/50ドリル。ターゲットまでの距離の50パーセント球を上げ、50パーセント転がすチップショットです」
まずは50/50を行うのに最適なクラブの選択から始めます。グリーンエッジから5歩離れたところにボールを置き、エッジからグリーン上のターゲット方向に5歩離れたところにティーを刺し目標を設定します。
「最初はPWでエッジまで球を上げ、どれくらい転がるかをチェックしてください。5歩分転がったならOK。でも10歩分転がったらもっとロフトのあるクラブに持ち替えます。その作業を繰り返し、5割上げて5割転がるクラブを探します」
実戦では5歩&5歩の状況だけではないので、ボールを打つ場所とピンの中間地点に球を落とせるクラブを練習で探る作業が必要になります。
「大事なのはどこに球を落とすか。ほとんどの人が落としどころではなくピンだけに集中しますが、それは間違い。ニーマンもピンではなく球をどこに落としたいかに集中してプレーしているのです」
アプローチがオーバーする人はピンだけを狙っているから。中間地点にボールを落とすイメージでチップショットを行えば、おのずと距離は合ってくるでしょう。
「最後にもう1つ重要なことがあります。素振りをするときはスウィングの振り幅やスピードだけでなく、クラブヘッドのソール部分が地面に当たる、あるいは擦る感覚もしっかりチェックしてみてください。50/50のアプローチではボールの位置か、その少し前でソールが地面を擦るのが正解です。点で打つのではなくソールを滑らせて打つ。これはぜひ試してみてください」
独特な側屈の強いスウィングからか、ショットメーカーのイメージが強いが、ショートゲームの技術も高く、オールラウンダー。プロデビューしてからも、そのスキルは年々向上している
コーリー・ヨシムラ
PGAツアーのアジア全体のマーケティング&コミュニケーションディレクター。米ユタ州ソルトレーク出身でゴルフはHC6の腕前
週刊ゴルフダイジェスト2022年6月21日号より