【松山みたいなスピンアプローチ】<後編>「振るのは腕ではなく“お腹”」フェースに乗るインパクトを極めるコツ
松山英樹のようなスピンの利いたアプローチを実現するには、「ボールをフェースに乗せる」ことが重要だと英治プロは言う。では具体的に、どうすればフェースに乗せることができるのか。打ち方のポイントを深堀り!
TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara、Blue Sky Photos THANKS/千葉よみうりCC
解説/横田英治
明るい人柄と理論的なレッスンが人気。一番弟子の岸部桃子がツアーで活躍中。自ら主宰するゴルファーが集う総合サロン「クラブハウス」が6月にオープンする。広島県出身51歳
>>そもそも「フェースに乗る」ってどういうこと?
- PGAツアーでも屈指のアプローチの技術を持つ松山英樹。マスターズでも見せたピン手前で強烈にブレーキがかかるあのアプローチは、どのように打っているのか? スピンの利いたアプローチのメカニズムと打ち方について、横田英治プロに教えてもらった。 TEXT/Yumiko Shigetomi PHOTO/Hiroaki Arihara、Blue Sky Photos THANKS/千葉よみうりCC ……
インサイドアウトに振り抜く
フェースに球を乗せて適度なスピン量で安定して打つには条件がいくつかあると横田プロはいう
「まずフェースは少し開いて構えることでバウンスを利かせてリーディングエッジが刺さるリスクを減らします。ただ、そのままだとフェース面が右を向いていて球がつかまらないので、ハンドダウンに構えてフェースのトウ側を少し浮かせます」
トウを浮かせれば右を向いていたフェース面がスクエアになるという仕組みだ。
「あとはヘッドを横から入れたいからコックは使わずにクラブをインサイドに引いて内側から下ろしていきます。そしてアウトサイドの高めの位置に振り抜くようにします」
なぜ高く振り抜くのか?
「開いて構えたフェースを少し閉じながら振ると、ヘッドは自然と上がっていって球がフェースに乗るんです。注意してほしいのは手首を横に折ってヘッドを上げようとしたり、手元を高く振り抜こうとしないこと。手元は低い位置のままシャフトを立てるようにすればヘッドが高く上がります。ヘッドとボールが一緒に上昇するようなイメージです」
Point 1
フェースは少し開いて構える
Point 2
フックグリップでハンドダウンにする
球をつかまえるためのハンドダウンは、ストロンググリップのほうがやりやすい
Point 3
ノーコックでクラブを上げる
コックを入れてクラブを上げるとヘッドが上から入りやすい。ノーコックで肩を回してテークバックする
Point 4
ヘッド軌道はインサイドアウト
腕を振らずにお腹で振る
「アマチュアに多いすくい打ちでは、手首のリリースが早くヘッドが走ってしまうから球がフェースに乗りません。フェースに乗せるためには手首はリリースさせてはダメなんです」と横田プロ。リリースしないで打つというのは手首の角度を変えずに腕を振るということ?
「リリースしないというのは体の正面にクラブが保たれているということです。だから腕は振りません。アマチュアは腕を振ろうとするからリリースが早くなって体の横に外れるんです。クラブを振るのは腕じゃなくてお腹というイメージで打ってください」
お腹で振る感覚をつかむ方法はある?
「松山選手のルーティンのひとつ、右片手打ちでぜひ練習してください。彼は右わきを締めた状態で腕は振らずに体幹で打っています。SWで低く打ち出せるようになったら球がフェースに乗った証拠です」
Point
グリップエンドをお腹につけたまま打つイメージ
Drill
右片手打ちで低い球を打てればフェースに乗っている証拠
【Point1】右わきは締めたまま体幹を使って打つ
右わきは締めたまま腕は振らずに体幹を使って打っている。手首の角度が変わらないまま打てるようになる
【Point2】グリップはゆるゆる
グリップを強く握らずクラブを支えるだけ。手の力で打っていない証拠でもある
月刊ゴルフダイジェスト2022年7月号より