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【かかと荷重で飛ばす】#2 体が回りやすい“自然なアドレス”を身につけよう

スムーズに体を回すには、体を動かしやすい自然体のアドレスが重要だと松田涼伽プロは言う。そのためには「かかと体重」がポイントだというが、その真意とは?

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/Hiroyuki Okazawa、Shinji Osawa THANKS/ぎふ美濃GC

西郷真央のインパクトでは、左足かかとに荷重され、そこを中心に左足(左腰)が回転しているのがわかる

●CONTENTS●
#1 足裏の正しい重心移動とは?
#2 自然なアドレスはかかと体重
#3 足裏の感覚を研ぎ澄ませよう
#4 遠心力を最大限に活用

解説/松田涼伽

まつだりょうか。ツアープロを目指すも度重なるケガで断念。その経験から“体の構造”からスウィングを考え指導を行う。姿勢調整師の資格を持つ

かかと体重は最も自然な姿勢

「姿勢調整師」という資格を持つ松田涼伽プロは、「そもそも人間にとってニュートラルな立ち姿勢は、やや後方体重になる」と言う。試しに、わざとつま先に体重をかけて立つと、前もものあたりが強く緊張する。それはつまり、無理をして姿勢を保っているということだ。

「スタートが自然な体勢であれば、動き出しがスムーズになりますし、無駄な力を使わないので体への負担も小さくなります。また、最初からバランスがとれている状態なので、動き始めてもバランスが崩れにくく、ゴルフでいえば、軸をぶらさずに安定したスウィングをしやすくなるなど、様々なメリットがあります」(松田)


真っすぐ立つと重心はやや後ろに

自然な立ち姿では、くるぶし、ひざ、肩、耳が一直線上に並ぶ。重心はややかかと側。同じかかと重心でも、腰を前に突き出すのはNG

かかとに乗ると動きが速く、スムーズに!

スウィングの始動で力が入ってしまうのは、動き出しにくい姿勢から無理に動き出そうとするから。最初から動き出しやすい姿勢を作っておけば、無駄な力が入らないので、スウィングの動き自体がスムーズになる

ムリなく体を回転できる

つま先寄り重心だと、体の自然な回転にブレーキがかかり、スムーズに回転できなくなる。自然なかかと体重なら、体をスムーズに回すことができる

スウィング中の安定感がアップ

最初の姿勢がよくないと、動き出してすぐバランスが崩れて、それを修正するのに無駄な力を使ってしまう。自然な姿勢で動き出せば、スウィング中も常にバランスをキープしやすくなる

つま先体重は体に負担がかかりやすい
つま先体重は“自然”な姿勢ではないので、自然な姿勢に戻すために始動で余計な筋力を使う必要があり、体への負担が大きくなる。またスウィング中にバランスを取るのが難しくなるため、ひざが前に出たり上体が起き上がったりと、スムーズなスウィングを妨げる様々な弊害を招く。

“もも裏の張り”感じてますか?

それではスムーズに始動しやすいアドレスを作るにはどうすればよいのか。松田プロは、「両足のもも裏に張りを感じることが大事」と言う。

前述の通り、わざとつま体重で立つと、張りを感じるのは「前もも」で、ももの裏にも力は入っているが、「張り」は感じられない。

「アドレスではよく、『尻を突き出して、股関節から前傾する』などと言われますが、それで『もも裏』の張りを感じられる人は少ないでしょう。それより、後ろに倒れる寸前まで、思い切ってかかとに体重をかけてみてください。そこから、倒れないようにバランスをとって、上体が前傾すると、それがゴルフのアドレスになります。この手順なら、もも裏の張りを感じ取りやすいので、その感覚をまずは覚えるといいでしょう」(松田)

自然な構えを作る3ステップ

まず、ややかかと寄り体重の自然な姿勢で立ち、お腹を少し引っ込める。そこから後ろに倒れる寸前までかかと寄りに体重をかけていく。するとバランスを取ろうとして自然とひざが曲がり、上体が倒れる。これが自然なアドレスの姿勢

Check
「足パタパタ」でかかと体重を確認

アドレスの姿勢を作ったら、両足のつま先を交互に上げ下げしてみる。つま先に体重がかかっていると、当然つま先は上がらない。つま先を上げ下げする際には、もも裏に張りを感じられるはず

普段から意識して「もも裏」を鍛えよう

階段は一段飛ばしで!

階段を上る際、段差が大きいほど、後ろ足を蹴って体を持ち上げる必要があるが、このとき使うのがもも裏の筋肉。日常的に階段を一段飛ばしで上ると、もも裏の筋肉を意識しやすく、なおかつ筋肉自体も強化できる

歩くときは大股で!

歩幅を大きくしようとすると、必然的に後ろ足のもも裏を強く使うことになる。普段からできるだけ大股で歩くと、もも裏が刺激され意識しやすくなる

一日2リットルの水を!

筋肉の動きには、カリウムなどのミネラルバランスが整っていることが大事。水分が不足すると、余分なミネラルが排泄されず、筋肉が反応しづらくなる

月刊ゴルフダイジェスト2022年7月号より