【春の薄芝アプローチ】#2 “イン・トゥ・イン”で払い打つ
春先の薄い芝はアプローチでザックリなどのミスが出やすい難しい状況。アドレスの注意点は分かったが、打つ際にはどのようなことを意識すればいいのだろうか。
PHOTO/Hiroaki Arihara TEXT/Kosuke Suzuki
解説/甲斐慎太郎
1981年生まれ。日体大4年時に日本アマと日本学生を制し、卒業後プロ入り。08年「バナH杯KBCオーガスタ」でツアー優勝も果たしたテクニシャン。ISPS所属
●CONTENTS●
#1 ザックリが出る原因とは?
#2 “イン・トゥ・イン”で払い打とう
#3 “お尻”を動かせば手打ちは防げる
ヘッドを扇形に動かすイメージ
バウンスを使いやすいようにボール位置を真ん中に構えたら、打ち方はどうすればいいのだろうか。
「上から打ち込まずに払い打ちをしたほうがソールは滑ってくれるのですが、これはヘッドを真っすぐ動かそうとせず、イン・トゥ・インのイメージでスウィングするのがポイントです。感覚的にはアイスホッケーみたいにフェースを開閉させてヘッドが扇形に動くような意識を持つと、払うイメージが出ると思います。それにフェースの開閉があれば、少しダフリ気味に入ってもフェースターンのエネルギーで減速しにくく、ひどいザックリにはなりにくいんです」
なるほど、たしかにアイスホッケーのようなイメージを持つと、ヘッドが低く動きやすい。ただし、あまり極端にインに引いたりフェースの開閉を大きくしすぎるのもミスの原因になるので、フェースを閉じながらややトウ側で打つくらいの感覚がちょうどいいだろう。
「ゆるやかなイン・トゥ・インのアーク軌道を意識するには、少しボールから遠く立つのがポイントです。ボールに近く立ちすぎると、パターのように直線的な軌道のイメージになってしまうので注意してください」
ゆるやかな“アーク軌道”をイメージしよう
ヘッドを真っすぐ動かそうとすると、手先でクラブを操ったりフェースの開閉を抑える動きにつながりやすく、手打ちになってダフリのリスクを高める
Point 1
ややトウ寄りにボールをセット
ボールから少し遠く立つと大きな円弧のアーク軌道をイメージしやすい。フェースのトウ側でボールを拾うようなイメージを持とう
Point 2
フェースは少し閉じながら打つ
フェースの開閉は、開いて上げることよりも閉じながら打つイメージが重要。フォローでトウが上を向くように振るのがポイント
Point 3
手元をインに引くのはNG
ドロー回転をイメージしよう
「グリーンが平らだとした場合ですが、ピンよりも少し右を向いて構え、さらに体の向きよりも若干右方向にボールを打ち出しましょう。落ちてからドロー回転で少し左に曲がりながら転がって寄っていくイメージを持つと、スウィングの動きもスムーズになると思います」
ターゲットより右に低く出すのがポイント
インからボールを包み込むようにとらえ、ドロー回転の球を打つ。フォローでトウが上を向くように振り抜いていこう。卓球やテニスでドライブ回転をかけるときのようなイメージだ
週刊ゴルフダイジェスト2022年4月12日号より