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【リズムを極める】江連忠編「“いいリズム”を妨げるのは“力み”」

プロはよく、スウィングでは「リズム」が一番大事と言うが、なぜリズムが大事なのか、どんなリズムが理想的なのか、いいリズムを作るにはどうすればいいのか。プロ・アマ問わず指導経験豊富な5人のコーチに話を聞いた。

プロの真似が必ずしもいいわけではない。「松山英樹のように間のあるトップを褒めるひともいるが、皆が真似できるわけではない。反対にニック・プライスのようにシャッと上げてシャッと打つ速さも真似できない。いいリズムは人それぞれです」(江連)

解説/江連忠

1968年生まれ。東京都出身。高校を卒業して渡米し、ミニツアーを転戦しながらジム・マクリーンに師事したのち帰国。日本のプロコーチ第一人者となり、片山晋呉や上田桃子を賞金王に育て上げた

「心地よさ」を追求しよう

生活リズムという言葉があるぐらいだから、やっぱりリズムは大事です。ただ、タイミングとかテンポというのはリズムというカテゴリーの1つのパーツであるというところは押さえておいたほうがいいと思います。

リズムを大事にしろと言う人は、ルーティンなども大事にするし、時間の使い方も大事にしていると思います。ゴルフをする人にはスウィングのリズムがもちろん大事なんだけど、本当にゴルフが上手くなりたい、あるいはすでに上手な人は、時間の使い方を大事にしている印象があります。自分を追い込むときと休むときとか、時間にメリハリがあると思うんです。


今のアメリカツアーを見ていると、ゴルフは個人戦だけど、完全に団体戦としての動きになっています。チームの和とかチームの時間とか、それこそ何を食べるから始まって、時間管理がちゃんとできています。チームのリズムがよくないと勝てないわけです。

さて、超一流もミスはします。そのときリズムが狂うとは言わない。だいたいテンポが速くなっていて、リズムが速くなるとは言いません。切り返しの一瞬の間がなくなったり、逆にタメ過ぎてしまったりするんです。リズムはその間もずっと流れています。

明らかにリズム感が悪い人というのは、力感が強すぎたり、スウィングのどこかに詰まりがあったりする人ですけど、そういう人は、鼻歌まじりでアドレスに入ったり、口笛を吹きながら打ったりすると、力感の強さとか詰まり感とか、そういうものが解消されるかもしれません。自分の心地よさを探すべきだと思います。

僕もレッスンのとき「リズムよく振って」という言い方することもある。そこで言いたいことは、基本的に足を使って、力みをなくせということ。あるいは詰まりをなくせとか、力感をコントロールさせるために、「リズムよく」と言うわけです。力みは絶対にリズムをなくします。「バランスよく」「手の力を抜こうよ」「切り返しを静かにしよう」「もっと体を使って振ろうよ」など、「リズムよく振って」という言葉の裏には、こういう思いが込められています。

リズムがよくないということは人間っぽくないという意味もあります。「壊れたロボットですか? もっと人間らしく振ってください」と言うときもあります。リズムというものは、一般社会でいうところの「愛」みたいなものだと僕は思っています。

調子いいときは2拍子か4拍子で歩く

歩くときにもリズムがあるが、それを意識している人は少ない。「トレーナーの先生から『調子がいいときは誰でも2拍子か4拍子で歩くが、調子が悪くなると3拍子になっている』と聞いた。スウィングリズムも同じかもしれません」

週刊ゴルフダイジェスト2022年3月15日号より