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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみて Vol.11 “グリップだけ動かす”素振りでパット上達!

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

前回のお話はこちら

ゴルフダイジェストの記者がうちの練習場に来たとき、母が机に貼っていた『パターはグリップを動かす』というメモを発見し、疑問を投げかけた。

「どういう意味ですか?」

「ゴルフ歴40年。これでパターが開眼したのよ」と嬉しそうに答える母。

ボクと妹を育てている間、母は忙しく、ラウンドすることはめったになかったという。ただ、ちょっと手があくと、打ちっぱなしで球は打っていたので、育児明けのラウンドでもショットはほかに引けをとらなかったらしい。しかし、パットは違っていた。かなり勘が鈍っていて、狙ったところに打ち出せない日々が続いた。

「ドライバーはOBしない、アイアンの距離感もそこそこ。パットさえ入ればなぁ~……」

そう思ってから、ますますおかしくなったという。以来、最近までイップス気味だった。道具、グリップ、打ち方……すべてを変えてみたが、イマイチしっくり来なかったらしい。

そんなとき、ちょっとボクが進言した。それが冒頭のメモ「パターはグリップを動かす」だ。

パターはグリップエンドを支点にヘッドを動かす、っていう人もいるけど、ボクはちょっと考え方が違う。ヘッドだけを動かそうとすると「芯に当てなきゃ」という意識が強くなり緊張してしまう。そうではなく、グリップを積極的に動かすことで結果的にヘッドが動く、という流れがよいと思っている。グリップを動かすにはどうするか? そりゃもちろん手を動かさないと始まらない

自分でもこれを意識してから、パットの調子がすこぶるいい。ヘッドをどう動かすかを考えると、手が動かなくなる。それだと、いつまでたっても先に進まない。とりあえず、ホールアウトするには、手を動かさないと(笑)。ヘッドは気にせず、まずは手を動かす! そうすれば、おのずとヘッドも動くというわけだ。

手を使うと、押し出したり、引っかけたりしない? と心配になる人もいるだろう。もちろん、多少先に当たったり、ネックに当たったりすることはある。でも、手の動きがスムーズだと極端に弱いとか、パンチが入ることがないので、意外とOK範囲に寄るのである。

ヘッドはアドレスの位置に固定し、手元だけを動かす手元素振り。『グリップを動かす』感覚が養われる

半信半疑の人は、今すぐタイガー・ウッズの動画を見てみよう。彼はびっくりするぐらい手を動かしている。7~8メートルの距離でも太ももの外側から外側まで動いているはずだ。

それに気づいて以来、ボクはスタート前、練習グリーンでパターをソールし手だけを右左に動かしている。知人は不思議顔で「何してるの?」と聞いてくる。それまで「言わん」と内緒にしてたけど……今日ここで言ってしまおう。

「手を動かす練習ですが、ナニか!?」

みなさんも、よかったらお試しあれ。多少、不審がられるが、気にしない、気にしない。


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+2。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2016年12月13日号より