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【クラブが仕事をする打ち方】#3「笑いながら打ってみて」“奥田流”脱力の極意

クラブに仕事をさせるために重要なのが「脱力」。そこで「ゆるゆるグリップ」でお馴染みの奥田靖己プロに、どうすれば力を抜けるようになるのかを教えてもらった、

TEXT/Daisei Sugawara イラスト/Yuki Kitazawa PHOTO/Takanori Miki THANKS/宝塚クラシックGC

奥田靖己
おくだせいき。1960年生まれ大阪府出身。「ゆるゆる」など独特の理論に聞こえるが、実はゴルフの本質を突く。93年日本オープンチャンピオン

●CONTENTS●
#1 クラブの力を最大限に利用する
#2 手首を柔らかく使うには?
#3 “奥田流”脱力の極意
#4 トップアマ3人のひと工夫

ギュッと握らなくても
力は勝手に入る

「ゆるゆるグリップ」でお馴染みの奥田靖己プロに、力が抜ける極意がないか聞いてみた。

「まず知っておかなきゃいけないのは、クラブは自分が考えるよりたくさん動くということ」と、奥田プロ。だから、動画で自分のスウィングを見たときに、「こんなはずでは……」ということも起きる。

「自分が『思っていること』と『やっていること』は違う、この認識が必要やね。クラブが自然に動くのを妨げているのは、実は『自分』だということ。どうしたらヘッドが自然に動くか、ボクなんかプロ入り37年、そのことばっかり考えてますよ。まだ答えはわかりませんけどね(笑)」


「ただ、できるだけ小さい力で、自分はなんもせんとクラブを大きく働かせられたら、体にもやさしいし、効率がごっつええ。これは確かで、そのための生命線が、グリップをゆるく握ることなんやね。フェースを『開かないように』とかやってると、ゆるくは握れないから永遠にうまくならない。ゆるく握ることを覚えると、クラブは慣性で勝手に動き出そうとするんです。どんなにゆるく握っても、人間というのは必要な力は無意識に入れるようにできとるんです。コップだって箸だって、頭で考えんでも最適な力具合で握ってるわけやからね。ゴルフもまったく一緒で、インパクトなんか勝手に力が入ってる。だから安心して、力を抜くほうに意識を向けてもらいたいですね」

強く握るとクラブが動かない

グリップを強く握ると、ヘッドの自由な運動を妨げてしまう。力を抜くことで、ヘッドの動きを感じやすくなり、思い通りにヘッドを走らせやすくなる

笑って打ったら
絶対に力が抜けますよ

どうしても抜けないグリップの力、奥田流ではどう抜く?

「アマチュアの方とラウンドすると、あまりにも一生懸命で、ごっつい怖い顔して打ちはるから、『笑って打ってみてください』って言うわけ。これ、単純なんやけど、意外とできる人がおらんのです。力が入ってたら、人間笑えんですから、笑えるということは力が抜けている証拠。それと、練習場だったら、誰かと話しながら打つのもええね」と、奥田プロ。力が抜けたら、その先は?

「切り返しで一瞬、クラブを引っ張る感覚だけあればOKやね。どう引っ張るかって? そんなん考えなくてもよろし(笑)」

奥田流、力みを取る方法1
笑いながらスウィング

グリップをギュッと強く握った状態のまま、自然な笑顔で声を出して笑うのは難しい。逆に、最初に笑ってからグリップを握ると、自然にゆるく握れる。そして笑ったままボールを打ってみよう

奥田流、力みを取る方法2
おしゃべりしながら打つ

ボールを打つことだけに集中してしまうと、どんどん力みが強くなりがち。だれかと話しながら、「ついでに」ボールを打つ感覚だと、グリップに力は入りにくい

スウィングのポイントは2つだけ

Point 1
地面に円を描くように振る

自分を中心に地面に円を描くように振れれば、フェースは自然に開閉し、インパクトで必ずスクエアになる。実際はヘッドが「3D」に動くが、イメージは地面の円をなぞるのがいい

Point 2
切り返しで一瞬クラブを引く

トップからの切り返しの瞬間、下半身リードでクラブをクイッと「引っ張る」感覚で下ろしてくる

月刊ゴルフダイジェスト2022年4月号より