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よく「右向いてるよ」と言われる人は要注意! 不調の原因はスウィングではなく「アドレスの向き」だった

練習場にせっせと通い「上達してきたな」と思っていたら、なぜかまた調子が悪くなる……こんなスランプの原因はどこにあるのだろうか?

PHOTO/Shinji Osawa、Yasuo Masuda THANKS/松原ゴルフガーデン

解説/武田登行

豊富なアマチュアの指導経験を持ち、理論的なレッスンには定評があるスウィング研究家。松原ゴルフアカデミーのヘッドプロ

ラウンド中にアライメントは徐々にズレてしまう!

プロのツアーを見ていると、64や65の好スコアを出した選手が、翌日のラウンドでスコアを崩すことがある。「ゴルフの調子は一晩で変わる」といわれるほど、好調は長く続かないもので、プロでさえもそんな感じだから、アマチュアならなおさらだ。

「プロの場合はメンタル面が原因のことが多いですが、アマチュアの方がスランプに陥るのは別の原因があります」と言うのはツアー経験に裏付けられた理論的なレッスンが好評の武田登行プロだ。

「多くの場合、スランプの原因はアライメントのズレによるものです。実はラウンド中にアライメントは徐々にズレてしまいます。練習場と違い、コースでは左足下がりやつま先上がりなど、斜面から打つことが多いですが、これによりアライメントが狂います。またハザードやその日の調子によっても少しずつアライメントはズレていきます。これを放っておくと、最初は小さなズレでも段々大きくなり、しかもクセとして根付いてしまう。これがスランプの原因なんです」


「右向いているよ」とよく言われる人は要注意だ!

自分ではターゲットに向かって構えているつもりでも「右向いているよ」などと言われる場合はアライメントがズレている可能性が高い

「アライメントがズレると当然ですが、狙った方向にボールが飛ばなくなります。せっかくのナイスショットもターゲットから外れてしまえばミスになるわけです。これではスコアメイクはできません。ダフリやトップは練習を積むことで防ぐ必要がありますが、アライメントのズレによるミスは、気をつけていれば防げます。つまり、避けられるミスです。プロだって毎ショット完璧に打てているわけではありません。でもアライメントのズレには最大限の注意を払っています。それは注意さえすれば避けられるミスだということをわかっているからです」

【アライメントがズレる原因1】
斜面からのショット

左足下がり、左足上がり、つま先下がり、つま先上がり……コースでは平らなライから打つことのほうが少ない。これがアライメントを狂わせる

【アライメントがズレる原因2】
ハザード

左サイドの大きな池がティーインググラウンドから見えただけで、ゴルファーは無意識に逃げたくなるものだ。これもズレが生じる原因になる

【アライメントがズレる原因3】
その日の調子

コースに出ると「今日はボールがつかまらずに右に行くな」ということは多々あるが、その日の調子によってもアライメントは徐々にズレていくのだ

【アライメントがズレる原因4】
FWとラフの境目の線など

コース内にはゴルファーを惑わす仕掛けが多い。FWとラフの境目のラインなどに影響されて、目標に真っすぐに構えることが難しくなるのだ

“目線のズレ”にも注意が必要

放っておくとスランプの原因になるというアライメントのズレ。武田プロに具体的に説明してもらおう。

「たとえばラウンドのとき、たまたまその日はボールのつかまりが悪いというときがあると思います。するとどうしてもボールをつかまえたくなって右肩が前に出たり、左へ引っ張ったりしてスウィング軌道がアウトサイドインになる。これをそのままにしておくと、アウトサイドイン軌道が根付いてしまいますが、影響はそれだけではありません。ゴルファーは振り抜く方向にターゲットを合わせようとするので、左に振り抜く人のスタンスは右を向いてしまう。これがターゲットより右を向いてしまう原因です。逆にインサイドアウト軌道の人は左を向きやすくなります」

アウトサイドイン軌道の人は左の写真のようにスタンスのラインに対して左へ振り抜いていく。この振り抜く方向をターゲットに合わせると、右の写真のようにスタンスが右を向くことになる

プロ野球では強打者に対してインコースを厳しく攻めて、踏み込んで打てなくさせることでバッターの調子を崩すというが、それと同じようなことがゴルフのラウンドで起こっているのだ。

「アライメントがズレるとターゲット方向にボールが飛ばなくなるだけでなく、自分のスウィングを見失ってしまいます。コースでどう構えたらいいのかわからなくなってしまうのです。ですから、ラウンド後はズレてしまったアライメントを修正する作業が必要です」という武田プロにその方法を聞いてみた。

「まずはクラブなどを地面に並べてスクエアなラインを作り、ひざ、腰、肩のラインをチェックしてください。そしてもうひとつ、目線をチェックしましょう。これが重要なポイントです。目線が左右にズレたり、上下にズレるとそれだけでスウィング軌道が変わってしまいますので、ミスや不調の原因になります」

ひざ、腰、肩、そして「目線」をチェックしよう

アライメントの修正をするときは、スタンス、両ひざのライン、腰、肩のラインに加えて、目線もチェックする必要がある。目線がズレていると、スウィングの軌道もズレてしまうからだ

アライメントのズレはパットでも起こる!

目線が右を向くと……
プッシュしてしまう

結果が気になりヘッドアップしてしまう人は、目線が右を向いていることが多い。この場合はインサイドアウト軌道になりプッシュしてしまう

目線が左を向くと……
引っかけてしまう

インパクトで上体が前方に流れたり、起きる人は目線が左を向いていることが多い。この場合はアウトサイドイン軌道になり引っかけてしまう

その日のズレはその日に修正しよう!

ティーショットの待ち時間にチェック

ラウンド中に前の組が詰まっていて、待ち時間ができたときは、体とボールの間にクラブを置いてアライメントをチェックしよう。これだけでも効果がある

ラウンドした夜はパターマットでズレを修正

プロの選手たちのようにラウンド終了後にすぐにコースの練習場でズレを修正するのが理想だが、実行するのが難しいことが多い。そんなときは、帰宅してからパターマットなどでズレを修正しよう

週刊ゴルフダイジェスト2022年2月22日号より