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【イザワの法則】Vol.16「動画でのスウィングチェック。どこから撮る? どこを見る?」

世界も認めた美スウィンガー・伊澤利光が、ゴルフで大切にしていることを語る連載「イザワの法則」第16回。今回のテーマは、スマホで自分のスウィングを撮影する際のポイントについて教えてもらった。

TEXT/Daisei Sugawara ILLUST/Kenji Kitamura THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

前回のお話はこちら

動画でのスウィングチェック
積極的に活用しよう

スマホ1台あれば、誰でもどこでも、動画でスウィングチェックできる時代になりました。うまく活用している人も多いですが、「そんなものには頼らない!」という感じで、黙々とボールを打っている人もまだまだたくさんいます。一体、どちらが「正解」なのか。上達の「スピード」で考えると、やはりスマホを積極的に活用するほうが有利だと思います。とくに、やりたいことがはっきりしている人、やろうとするスウィングのイメージが明確にある人の場合、途中でスマホを使いながらチェックすることで、「無駄練習」を省くことができますから、かなりの時間短縮になるのではないでしょうか。

逆に、そういうイメージが固まっていない人の場合、動画をセルフチェックしても、どこが悪いのか、どこを直せばいいのかわからないということも考えられます。


撮った動画を実際のスウィングに還元するには、スウィングに対する明確なイメージと、スウィング動画を正しく分析する「目」が必要ということです。ただし、「目」の部分は、先輩ゴルファーとか、自分より上手いゴルフ仲間にまかせるという手もありますね。

また、初心者のうちは、動画を見て、仮に「ここが変だな」と思う部分があったとしても、実際のスウィングの中で、その部分を変えるのは難しいでしょう。ですので、初心者の場合は、アドレスの形やスタンスの向き、ボール位置など、すぐに直せる部分のチェックに使うのがいいと思います。

「全身動画」にこだわる必要は
まったくない

動画を撮影するときに大事なのは、「どこから撮るか」と、「どの部分を撮るか」です。私自身は、ほとんど飛球線後方からしか撮影しません。スウィングでいちばん大事なのは、ダウンスウィングのクラブ軌道だと考えているので、その部分をチェックしたいからです。一般のアマチュアの場合でも、後方からの動画のほうが、上達につながるヒントがたくさんあるのではないかと思います。切り返しでのクラブの角度や、ダウンスウィング途中の体やクラブのポジション、体の上下動があるかどうか、前傾角度はキープできているかなどが、後方からの動画でチェックできます。正面からの動画でチェックできるのは、ボール位置や手の位置、トップの大きさなどですので、時々、確認する程度にチェックするくらいで大丈夫だと思います。

「どの部分を撮るか」については、そのとき何か課題を持って練習しているなら、それに関わる部分を重点的に撮影すればいいと思います。たとえば、テークバックでヘッドが急激にインサイドに入るクセがあって、それを「ゆるやかに引きたい」という課題を持っている人であれば、始動のヘッドの動きがよくわかる画角で撮影すればよくて、別に全身が映っている必要はないということです。

最後に、動画チェックの頻度ですが、スウィングのどこかを変えようとしているとき以外は、2週間~1カ月に1回くらいのチェックで十分だと思います。私の場合でいうと、昨シーズンは、開幕から割と好調をキープできていたので、ほとんど動画を撮りませんでした。そんな状態がずっと続いたら、楽なんですけどね(笑)。

「動画を撮るなら後方から。
ダウンスウィングのクラブ軌道に注目!」

飛球線後方からの動画を優先しよう

飛球線後方からの動画のほうが、チェックできる項目が多い。その際、全身を画角に入れずに、気になる部分だけを重点的に撮影してもいい。また、正面からはオーバースウィングになっていないかなど、トップの大きさをチェックしよう

伊澤利光

1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位の4位入賞(当時)。現在はシニアツアーを中心に活躍中

月刊ゴルフダイジェスト2022年3月号より