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【原英莉花】ピンの根元を狙い打ち。体の捻転を使ったゆるまないスウィングに注目!

2019年のこの週、リゾートトラストレディスでツアー初優勝を挙げた原英莉花。その容姿に加え、男子プロに勝るとも劣らないスウィングスピードで正確なアイアンショットを放ち、ファンを魅了する。今季ますますの活躍に期待がかかる彼女のスウィングを、プロコーチ・江連忠が分析する

原英莉花
1999年2月生まれ。神奈川県出身。10歳からゴルフを始め、15年から尾崎将司の指導を仰ぐ。18年、ステップアップツアーで2勝し、プロテストに合格。19年「リゾートトラストレディス」でツアー初優勝。国内女子プロのなかではフィジカル面が群を抜いており、海外での活躍が待たれている

しなやかさと体の芯の強さを
生かした捻転と回転

身長173㌢と恵まれた身体から繰り出される彼女のアイアンショットは、いい意味で“女子らしくない”、男子プロ的な雰囲気を漂わせています。

女性特有のしなやかさと体の芯の強さを併せ持った、躍動感のあるスウィングは、国内の女子プロのなかでは群を抜いているといっていいでしょう。彼女がアイアンで芯を食ったときのインパクト音は、男子プロのような硬くて乾いた音がします。

女子にはなかなか出せない音で、男子並みのスウィングスピードとパワーの持ち主であることを証明しています。バランスのいいアドレスから、しっかりと体の捻転でバックスウィング。ゆるみのない締まったトップからも、体の芯の強さを感じます。

ただ、プロコーチの目線から見て、気になるポイントもあります。

たとえば、アドレスのバランスは悪くないのですが、少し重心が高く見えます、鈴木愛プロや渋野日向子プロなど、強い選手に重心の高い選手はいません。

ショットに入る前、必ず行うルーティンでは目標に向かってシャフトを立てて方向を確認する。アドレスに入る
までのリズムに狂いがないのも、ターゲットを狙い打つには大切な要素といえる

また、ややドライバー寄りのスウィングで、ダウンのときに上体が左に流れる傾向もあります。これらのポイントが修正されれば、現状よりもさらに精度がアップするでしょう。

右サイドが前に出て
前傾を保つ

飛球線後方からの連続写真で注目してほしいのが、スウィングプレーンの美しさです。ダウンスウィングでボールに向かうときと、フォローで振り抜いていくときの、シャフトの角度が揃っていて、ゆがみがありません。

このオンプレーンスウィングを可能にしているのが、前傾姿勢のキープです。ダウンからインパクトにかけて、やや右足のかかとが上がるの早いですが、右サイドが前に出て、体が起き上がったりせ
ず、しっかりと前傾姿勢を保つことができています。

ここはアマチュアの方にも、ぜひ真似してほしいポイントです。長いゴルフの歴史のなかで、世界一強くて美しいスウィングと賞賛されたのが、男子ではベン・ホーガンであり、女子ではLPGA通算82勝、メジャー13勝を挙げたミッキー・ライトでしょう。

アイアンで大切にしていることは「スウィングスピードとボールに当てる圧によって、ドローとフェードを打ち分けること」(原)だという

身長やスタイルが似ていて、躍動感のある原プロのアイアンショットは、そんな伝説の女子ゴルファーを想起させます。上手さや強さだけではなく、ショットでも観客を魅了できる。そんなプレーヤーに成長してくれることを期待しているし、それだけのポテンシャルを秘めています。

原英莉花

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