Myゴルフダイジェスト

  • ホーム
  • レッスン
  • 【冬を制する低弾道アイアン】<後編>打ち方のイメージは「ランニングアプローチ」

【冬を制する低弾道アイアン】<後編>打ち方のイメージは「ランニングアプローチ」

冬ゴルフの大敵「風」を攻略するための低弾道ショット。大田和桂介プロによると、打ち方のポイントは「ランニングアプローチのイメージ」だというが、その真意とは?

TEXT/Kosuke Suzuki PHOTO/Hiroaki Arihara THANKS/麻倉GC

解説/大田和桂介

1989年生まれ。鹿島学園から日大を経て2010年にプロ入り。2020年にAbemaTVツアーの「TIチャレンジ」で初優勝。麻倉GC所属

>>【前編】「低い球を打つための準備」はこちらから

風の日のショットは
ランニングアプローチの延長

ボール位置と番手を変えれば低い球は打てると大田和プロは言うが、なかなかそうもいかないもの。スウィングを抑えようとするとダフリなどのミスが出がちだ。

「振り幅を抑えてダフる人は、手打ちになってゆるんでしまうから。そういう人は『フルショットを抑える』のではなく、アプローチのような『小さいスウィングを大きくする』ことで肩から肩の振り幅を作るイメージを持つとよいでしょう。僕自身、風の日のショットはランニングアプローチを大きくしたショットだと思って花道から乗せていくイメージで打ちます。まずはこのイメージの転換をするのが成功の近道だと思いますよ」


小から大でイメージすればゆるまない

大きい動きを小さくしようとするとゆるみやすい。反対に小さなアプローチの動きを少しずつ大きくしていって肩から肩の振り幅になるように意識すると、コンパクトかつシャープに振れる

Point 1
手首のコックを抑えてスウィング

手首をロックし、ノーコックで左肩を支点としたヘッドまでの1本の長いクラブが振り子のように動くイメージでスウィングする。フェースの開閉は意識しなくてOK。コックするとダフりやすいし球も自然と上がってしまう。そのままフェースの向きを変えずに振るイメージだ

Point 2
腹筋を締めて前傾をキープ

スウィング中は腹筋を締めておくことで上体の起き上がりを防ぐ。上体が浮いて前傾が崩れるとフェースが開きやすくスライスやシャンクなどのミスが出るので要注意

Point 3
左わきを締めて腕と胴体を一体化

スウィング中は腕が暴れないよう左わきを締めて、左上腕と胴体が一体になって動くようなイメージを持とう。左わきが開くとインパクトがゆるみやすく、プッシュやスライスなどが出る

Point 4
左のポケットを引っ張るように体を止めずに回転

体、とくに下半身の回転が止まるのも絶対にNG 。ダウンスウィング以降、ズボンの左のポケットがお尻方向に引っ張られるような感覚で、腰が目標方向を向くまで止めずに回し切ろう

「横風」のときは
逆球だけは出ない打ち方を徹底

アゲンスト、フォローの場合は距離感の調節がメインの対処になるが、横風が吹いている場合は球の曲がりを計算しなければならなくなる。大田和プロは、横風の場合はどう考えてショットするのだろうか。

「やはり低い球で風の影響を最大限抑えたうえで、自分の持ち球をベースに考えます。強風というプレッシャーがかかるなかで苦手な球筋を打とうとすると逆球が出る危険が大きく、致命的なミスになりやすいですからね。その意味では、持ち球の曲がりを少し強調して、絶対に持ち球なりに曲がる球を打つようにするのが安全かもしれません」

持ち球がドローの場合
インサイド・アウトで必ず右に打ち出す

フェースローテーションを強めに意識し、ゆるやかな入射角でインサイドからボールをとらえて右に打ち出す。フォローでトウが上を向くように振っていくのがポイント

持ち球がフェードの場合
左足体重のまま左下に振っていく

極端な左足体重で構え、上からヘッドを入れて左下方向にカットに振っていく。カットに振るぶん、フェースが返ると引っかけになってしまう。フェースを絶対に返さないように注意しよう


月刊ゴルフダイジェスト2022年2月号より