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【アプローチ】50㍎・30㍎のアプローチこそ“選択”と“集中”が成功を左右する!

メニューを見て食事を選んでいる米田プロ。選択肢が多いとどれにしようか悩むのは、アプローチも同じ。だから状況に合った選択をすることがとっても大事。でも!30Yは2つ、50Yは1つだけ覚えておけば、選択に迷いがなくなって集中して打てますよ!

米田 貴プロ
よねだたかし。弊誌漫画「新モダンゴルフ」のヨネでおなじみ。親しみやすさと、アマチュアに寄り添ったレッスンが定評。ETGA副社長

【30㍎①】ピッチエンドランを覚えよう

GD 30Yは2つ、50Yは1つだけ覚えればいいとのことですが、まずは30Yの打ち方から教えてください。

米田 キャリーとランが5対5のピッチ&ランが基本であり、カンタンな打ち方です。まずは、この打ち方を習得しましょう。

GD 5対5ということはスピンはかけないのですか?

キャリーとランの割合は5対5。これがもっともカンタンなピッチ&ラン。クラブはSWだが、スピンをかけていないため、転がりを計算しやすく距離感が合う

米田 スピンがかかる打ち方をすると、転がる距離が想定しにくい。さらに、ファーストバウンドで目標とは違う方向に跳ねることもあります。だから、スピンをかけないほうが、距離感を合わせやすいのです。

GD では、どう打てばいいですか?

米田 ヘッドを低く長く動かすことが大事です。そのために、腕の張りをキープしたまま振るようにしましょう。スウィング中、腕の張りがなくなると、入射角が鋭角になりスピンがかかりやすいです。腕の間にボールを挟んで落とさないように振る感覚があると、腕の張りがキープできますよ。

3つの打ち方のポイント

【打ち方①】
トップで作った腕の張りをキープ

腕に張りを持たせたままクラブを下ろすと、入射角がゆるやかになる。ひじや手首を曲げると、鋭角に下りるのでスピンがかかり距離感が合いにくくなる。

挟んだボールを落とさないようにテークバックし、フォローでは腕を曲げない!

【打ち方②】
クラブを引っ張られるように上げる

クラブを引っ張られる感覚で上げると腕を長く使えるので、インパクトゾーンを低く長くできる。ポイントは体の軸をブラさずに、遠くに上げること。軸ごと右に流れないように注意。

遠くに上げるイメージ

【打ち方③】
軌道はイントウイン

軌道はイントウインで振る。真っすぐ軌道で振ると、フェース面にボールが乗りやすくスピンが入りやすい。自然なフェースターンを心がける。

自然な円弧を描く

アドレスチェック!

ボールは右足親指の前に置いて、ハンドファーストに構える。ボールとの距離は靴1足ぶんほど近づいて立つ。

【30㍎②】ボールは左で
アッパーに打つ

GD では、30Yのもうひとつの打ち方を教えてください。

米田 障害物がなければ、7番アイアンで打つ、ランが多めの打ち方がおすすめです。ここで一番大切なポイントは左足寄りにボールを置くことです。

SWではなく7番アイアンを使うことでスピンが入りにくくなる。7番アイアンで上から打つと、強い球筋になり転がりすぎるためアッパー軌道でふわっと打つくらいがちょうどいい。ピンまで障害物がない場合は、この打ち方を選択しよう

GD ランが多めなのに、左足寄りなんですか?

米田 SWではなく7番アイアンで打つので、左足寄りに置いてアッパーにとらえたとしてもロフトが立っているぶん、しっかり転がってくれます。

GD SWでロフトを立てて打ってもいいですよね?

米田 SWだとスピンが入り、止まる危険があるので、7番アイアンがベストです!

7番アイアンで打っているため、落ちてからのランは基本のピッチ&ランよりも多い。アッパー軌道で打っているので、やわらかく転が

アッパーに打つための②つのポイント

【アドレスチェック!】

ボール位置は左足寄りにして、グリップエンドはお腹を指すようにする。ハンドファーストに構えると、ロフトが立ち、出球が強くなる危険がある。右足体重にしてアッパーで打てる準備をする。

クラブは7番アイアンを選択しよう!

【アッパー打ち①】
ドライバーの軌道と同じ

アッパー軌道でボールをとらえるので、ドライバーのイメージに近い。アッパーにボールをとらえるが、最下点の先にボールを置いているので、球を上げようとする必要はない

【アッパー打ち③】
スウィング中は右足体重

スウィング中は右足に体重を乗せたまま振る。自然とアッパー軌道になり、ボールの手前でソールが滑る。体が突っ込むと、ロフトが立ち鋭角にクラブが入り、芝にクラブが刺さるので危険

〇ソールが滑ってくれる、×突っ込むと芝に刺さる

「最下点の先で打つから、やわらかく上がる」

【50㍎】だるま落とし!

GD では最後に、50Yの打ち方を教えてください。

米田 50Yはどんなピン位置でも寄せられる、キャリー多めのピッチ&ラン、これ一択です!

スピンが効く打ち方をしているため、ランは少ない。30Yのピッチ&ランと比べると振り幅が大きくなるぶん
スウィングスピードが速くなるため、球は高くなる

GD ロブショットということですか?

米田 ロブショットは難しいので、SWで横振りをしてスピンをかける打ち方です。これなら、誰でもできます。

GD 横振りですか?

米田 そうです。だるま落としのように横からヘッドを入れると、フェース面にボールが乗る時間が長くなるので、スピンが入りやすいです。そのために、まずはボールから靴2足半ほど離れて立ちましょう。すると前傾が深くなり、フラットな軌道で振りやすくなります。このとき、グリップを一番長く持つこともポイントです。

だるま落としで一番下を打ち抜くように横から打とう。だるま落としを鋭角に打つと、ひとつの駒だけを打ち抜くことができない。横から勢いよく払い打つ感覚をイメージしよう

GD アドレスで横に振れる体勢を作っているから、簡単にできそうです!

横振りの3つのコツ

【横振りのコツ①】
ボールの遠くに立つ

ボールから離れて立つと前傾が深くなり、横振りしやすくなる。アドレスで作った前傾を崩さないように注意しよう。ボール位置は真ん中でOK。

軌道がフラットになる

長く持つのも大事!

【横振りのコツ②】
手先を使わず体の回転で上げる

短い距離でも、体の回転を使って振る。手先や腕だけでクラブを上げると、横ではなく縦に動きやすい。体の回転を使うことで横振りしやすくなる。

【横振りのコツ③】
ひざを使って体重移動する

下半身が止まると、手打ちになるため、ひざを使ってしっかり足を動かす。トップでは左ひざを、フォローでは右ひざを前に出す。

足はしっかり使う!

体が止まるとスピードが落ちる

もうワンポイント

フォローでフェース面は自分を指す

フェースローテーションはせず、フェース面が自分を指すようにクラブを使う。フェース面に乗る時間が長くなるためよりスピンが効きやすくなる。

よりスピンをかけやすい!

「ハイティアップ打ち」で最下点チェック

GD これまで3つのピッチ&ランの打ち方を教えてもらいましたが、共通する練習方法はありますか?

米田 高めにティアップしたボールをSWで打つ練習が効果的です。ボールの高さにヘッドをセットしたら、30Yのピッチ&ランの打ち方で、ティを打たずにボールだけを打てるようになれば完璧です。

米田 インパクトを意識したり、ボールを打ちにいくと、クリーンに打てないので、一定のリズムを保ってスムーズに打ちましょう。最下点がそろってくれば、アプローチのミスが格段に減るはずです!

インパクトを意識すると上体が突っ込みやすいため、インパクトは通過点の意識で振る。打ちにいくとリズムが変わり、最下点がバラバラになってしまう。

PHOTO/Hiroaki Arihara

週刊GD6月30日号より

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