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【人気連載アーカイブ】遊ぶつもりでやってみてVol.1「“天狗下駄”でヘッド軌道がよくなる!?」

家族全員がチャンピオンの経験のある四国イチのゴルフ一家「二宮家」。その長男でありベストスコア59(!)のトップアマ・慎堂さんが、ゴルフに対する独特の考え方や一風変わった練習法を紹介。上達のヒントが満載!

ILLUST/Masaaki Takauji

先日、ゴルフダイジェストの人がうちにやってきた。うち、というのは愛媛県今治市にある練習場「乃万ゴルフ」。

ボクはそこの長男で、二宮慎堂(しんどう)。

その人は「二宮家を取材したいんです」と言った。それは初めての出来事ではなかった。実は過去に何度か紹介されている。

というのも、うちの家族はいわゆる『ゴルフ一家』。父、母、妹、そしてボクは、全員「四国アマチュアゴルフ選手権」という大会で優勝している。母の薫に至っては、なんと6回優勝している。父の英二とボクが2回ずつ、そして妹の歌奈子が1回。

それぞれの強さの秘訣や、練習法などを、プロとは違った視点で語ってほしいと言われた。

というわけで、毎号ボクや、父や、母が、何かしら話していこうと思う。皆さんのお役に立つかはわからないけど、気楽に読んでもらえたら嬉しい。ちなみに、妹は思うところあってゴルフをお休み中。だもんで、登場してくれるかわからないけど、ボクがみても実力のある奴だから、折をみて頼んでみようと思う。

前置きが長くなったが、初回は下駄の話なんてどうかな。

昔、母がボクに下駄を買ってくれたんだ。それも、一本歯の天狗が履いてるようなやつ。

「コレは履くだけでもグラグラするので、バランスをとるうちに骨盤矯正されO脚が治る」と母。本当? と思ったが、せっかくなので履いてみた。すると、本当にバランスをとるのが難しく立っているだけでもやっとなの。

こんな面白いものを与えられたら、やらずにはいられないでしょう。素振り。



ということで下駄を履いて、早速スウィングしてみると……振れない、振れない。でも、何度か挑戦するうち、コツがわかってきた。成功させるには下半身の安定が不可欠。アドレスは小刻みに足踏みをしてバランスをとり、スウィング中はお腹とお尻の筋肉を使ってバランスをとり続ける。体重移動したり、ひざを送ったり、腰を切ったりしたら転んで捻挫である。

履いたまま打てるようにもなった。最大のコツは、体の正面でとらえること。逆に、体の正面で打てれば、通常のショットに近い280ヤードは飛ばせる。高下駄は体の正面で打つことの重要性を再認識させてくれた。

ここで皆さんがこの練習をする場合の注意点を少しだけ。下駄って今や普通の家庭にはないよね。下駄とほぼ同じ効果が得られるのが「右つま先でボールを踏んで」打つ。右足の安定感と、体の正面で打つことが実感できます。だから、下駄がなくても大丈夫!

というわけで、すっかり母のプレゼントを気に入ったボクは、練習だけでなく体幹トレーニングのために、天狗下駄を愛用した。履くと2メートル近くなって、一見怖いんだけど、地元の人は慣れてるから。「また慎堂くんが、なんかやってるわ」と見守ってもらってる、はず。

「右足のつま先でボールを踏んで打つと、バランスを保つのが難しくなる。下駄と同じ効果が得られるはずです」


全員がチャンピオン! 二宮家

(左から)●慎堂(ボク)1983年生まれ。13、15年四国アマ優勝。HC+3。ベストスコア59 ●英二(父)1958年生まれ。90、95年四国アマ優勝。HC0。練習場経営 ●薫(母)1960年生まれ。94~97、01、03年四国女子アマ優勝。HC2。主婦 ●歌奈子(妹)1985年生まれ。07年四国女子アマ優勝。HC5

週刊ゴルフダイジェスト2016年10月4日号より