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【PGAツアーHOTLINE】Vol.14 ケビン・キズナー<後編>「アプローチの大事は“片手打ち”に詰まっている」

PGAツアーアジア担当ディレクターのコーリー・ヨシムラさんが米ツアーのホットな情報をお届けする隔週連載「PGAツアーHOT LINE」。第14回の注目選手は、前回に続きケビン・キズナー。アプローチの名手が語る、上達の最大のコツとは?

ARRANGE/Mika Kawano

PHOTO: Jared C. Tilton/Getty Images
前回のお話はこちら

利き手の片手打ちが上達の近道

チップインを量産するアプローチの名手、ケビン・キズナー。彼は言います。

「大半のアマチュアは、打ち急いだり手を使いすぎてアプローチをミスしています」

彼が出演するレッスン動画では、アプローチに悩むアマチュアにまず利き手1本で打つように指導します。すると両手で打ったときよりフェースにボールが乗ったナイスショット! アマチュアが驚くシーンから始まります。


「両手で握って振るとキミのリズムはめちゃくちゃ速くてひどかった。でも片手なら速く振れないし手首を使わず体のスピードで打てるからコンタクトがクリーンになるんだ」とキズナー。

ポイントはグリップエンドと胸を同じ速さ、同じ距離だけ動かすこと。試したアマチュアは「両手で打つよりずっといい球が打てる」と驚きの表情。

「もうひとつ気をつけたいのが、ひじを体から離さないこと。わきを開けず体の横に腕を沿わせて打てば、胸とおへそでクラブが振れる。そうすれば軌道が安定するし、それを意識して片手でアプローチすれば正しい動きを覚えることができるんだ」

レッスンに登場するアマチュアはこれまで「手首のコックでクラブを上げていた」。しかしキズナーはあくまでも「ややハンドファーストに構えたら手首は折らずアドレスの状態をキープ。で、グリップと胸の動きを合わせる」ことが重要だと言います。

「手首を折った瞬間手打ちになる」。結果ダフリも出ればトップのミスも出る。

両手で打つときもひじは体につけたまま。フォローでもわきは開けません。手ではなく体を使って打つことで、確実かつクリーンにボールをヒットできるのです。

「わかりにくかったらグリップエンドをおへそにくっつけてクラブを短く持った状態で体を回してみよう。この動きこそグリップと胸を一緒に動かすということだから」

「球を上げたいときは同じ打ち方でフェースを開くだけ」。「距離を出したいときは体の回転速度を上げるだけ」というようにキズナーの教えはシンプルです。

まずは片手打ちから始めてみてはいかがでしょう?

若い飛ばし屋が多い中で、アプローチとパットのショートゲームで成績を残し、シードを長年保持してきたキズナー。その多彩な技は、アマチュアにとって大いに参考になるはず

コーリー・ヨシムラ

PGAツアーのアジア全体のマーケティング&コミュニケーションディレクター。米ユタ州ソルトレーク出身でゴルフはHC6の腕前

週刊ゴルフダイジェスト2021年11月2日号より