【通勤GD】高松志門・奥田靖己の一行レッスンVol.55 「今日の一万より明日の百万。」 ゴルフダイジェストWEB
「その問題をいつ解決する気なのかはつねについて回る」。今週の通勤GDは、高松志門プロと奥田靖己プロによる名師弟「一行レッスン」です。その第五十五話。
【通勤GD】
通勤GDとは‟通勤ゴルフダイジェスト”の略。世のサラリーマンゴルファーをシングルに導くために、月曜日から金曜日(土曜日)までの夕方に配信する上達企画。帰りの電車内で、もしくは翌朝の通勤中、スコアアップのヒントを見つけてください。
【ゴルフ芸人 高松志門】
1951年生まれ。橘田規に師事し水平打法から独自の理論を展開。多彩な技から‟ゴルフ芸人”の異名をとる。
【志門流一番弟子 奥田靖己】
1960年生まれ。絶妙な寄せ技を武器に93年日本オープンで尾崎将司を退け優勝するなどツアー6勝、シニア2勝。
前回のお話し
奥田 狭いホールほど逆にドライバーで思いっ切りいけっていいますけど、あれは真実を突いた言菜ですね。
高松 そやね。曲げたらすぐOBとかそういうときは、その考えが一番間違いは起きにくい。
奥田 僕らやったら、コントロールしてOBゾーンから曲げて戻すのは、ものすごくやさしい攻め方。でも、狭いホールでもしっかり振って、真っすぐの球でポジションを取ることがやっぱり必須なんです。球を曲げるのはある意味、逃げの手。逃げ回ったところで、いつまでも逃げるわけにいかんから。
高松 プロにとったら、グリーンの左にピンがあってその左が全部池でも、逃げずにピンの左側を狙えるスウィングがあってなんぼ。
奥田 ピンの右の広いスペースなら何番で打ったって乗りますからね。でも、左を狙うからこそ、スウィングが締まるし、スウィングスピードも出てくる。ただ、こういう話をして誤解してほしくないけど、これは単にプロ向けの話じゃないい、つこと。
高松 そうそう。アマチュアかてその問題をいつ解決する気なんやという話はつねについて回る。今日の話か、明日か、半年後か。そのうち腕が上がったら狭くてもドライバーでバーンといこうと思ってるもんも多いやろうけど、気がついたらそれは今やろっていう話やねんな。
奥田 やっぱり怖いから明日にしとこというのも分からんことはないけど、いつか必ず「ああ、あの時やっとったら良かった」ってなりますからね。
高松 コンペや月例じゃやるのは大変。でも、それをずっとやることで「打てなかったものが打てるようになった」とか、逆に「今までは打ててたものが打てなくなった」っていう自分のバロメーターができてくる。ああ、オレもボチボチ終わったなとなって、それでももうちょっと長生きしたい、まだゴルフやりたいと思ったら、自然に素振りもするようになるし、もう終わりでええわと思ったら、そんな努力もせんやろし。
奥田 なるほど。ところで、狭いホールほど思い切り振れという考えは、全然真っすぐ飛ばせないレベルの人でも必要なんですかね。狙えるスウィングがまずあってその発想なのか、発想を持つからそれはできるのか、どっちが先ですか。
高松 オレはやっばり先に気持ちゃと思うわ。そういう人は安全にいったほうが今日の一万円はもらえるやろうけど、明日の百万は絶対手に入らん。
奥田 その日のスコアだけがこぢんまりまとまるだけの話やいうことですわね。それはクラブの重さでも同じことがいえますね。
高松 軽いクラブを使うか、重いクラブを使うかいうことやね。13本のバランスが揃っているという前提でいえば、クラブは絶対重いほうがええ。重いクラブで打ってるほうが、スウィングの持続性があるからね。
奥田 ただ目先のスコアこだわったら、やっぱり軽いクラブのほうがいい。長続きはせんけどその場その場で合わせるのは楽やから。
高松 それでも今日の一万を考えるなら、これ以上いうても仕方ないわ。
2015年月刊GDより
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