「頭上にタオル」「インテンショナル目玉」小祝さくらのとっておき練<後編>【動画あり】
国内女子ツアー最強軍団『チーム辻村』の強さの秘密に迫るシリーズの第2弾は、今季賞金ランクトップを走る小祝さくらの練習法を紹介!
PHOTO/Hiroaki Arihara
THANKS/鎌ヶ谷カントリークラブ、丸山ゴルフセンター
【小祝さくらの練習メニューその2】
タオル乗せドリルで
その場回転を身につける
GD 体幹を意識してスウィングするための手作り練習器具は、我々でもすぐにマネできるのでさっそくトライしてみたいと思います。練習法はほかにもありますか?
小祝 頭の上にタオルとかヘッドカバーを乗せて振ったりもしますよ。
GD 頭の上にタオル?
辻村 さくらにとっては、メチャクチャ重要な練習ですよ。
小祝 これも、やり出して飛距離が伸びてきましたね。
GD おお! ぜひ教えてください。
辻村 さくらは、インパクトで右サイドが下がるクセがあったんです。それだと、振り遅れはもちろんですが、インパクトでボールをしっかり押し込めないから球質が軽くなって飛距離も出ません。もともと、ボールをとらえるセンスはあったので、スコアは出ていましたが、プロの世界では通用しません。そこでやりはじめたのが、頭の上にタオルなどを置いたまま振る練習です。少しでもダウンスウィングで右に傾けば、頭の上から落ちますよね。両足は地面に着いていますが、1本足で立っているような1本軸イメージのスウィングに変わりました。タオルを落とさないように振っていくだけで、イメージと現実のギャップを埋めていけるので、効果的な練習だと思います。
Point 1
左右の目が水平のまま回転するイメージ
スウィング軸が右へ傾くクセがあったため、インパクトで力が逃げていたという小祝。それを修正するため、腰や肩など体のライン、特に左右の目の高さを変えずにスウィングするイメージを持つように辻村コーチがアドバイス
Point 2
右足は蹴るのではなく押し込む
右足側面を押し込む 蹴り上げると力が逃げる
右足側面を目標方向へ押し込むと、スウィング軸が傾かずボールに力を伝えられる。小祝は特注の短いドライバーで球を打つことで、重心を低く保ったままボールを強く押し込める右足の使い方を覚えている
その場回転の究極ドリルがこちら!
「直ドラからのティーアップ打ち」
【小祝さくらの練習メニューその3】
バンカー練習で
左足荷重を極める
GD 重心を低く保ち、1本軸のイメージで振るために様々なドリルをしていることが、いまの小祝プロの強さにつながっているのですね。
辻村 ほかにも、バンカーから打つ練習も欠かさずにやっていますね。
GD バンカーから普通に打つだけですか?
辻村 普通に打つだけでも、実は意外とちゃんと打てていない選手が多いんです。特に女子の選手は。よく、バンカーは力がいるから、女子には難しく高さも出ないし、バックスピンもかからないといいますが、それは違います。その原因は手打ちだったり、スウィング軸が右に傾いているからです。
小祝 私もはじめのころは、全然上手く打てなくて、腕が疲れるだけでした。でも、体幹を使って腰をレベルターンできるようになってからは、バンカーが得意になりました。
辻村 いまでは、さくらはわざと目玉のライで練習しているくらいです。体幹で振れてくると、ヘッドの重みを感じて、左足にしっかりと体重を乗せて打てるので、目玉でも簡単なんです。バンカーだけでなく、ショットにも通じる動きなので、いまでも欠かさず練習しています。
Point
左足重心で腰を上下動させない
究極Drill
あえて目玉から打つ
ヘッドの重みを利用して、体幹を意識して振れれば、目玉からでも高さと距離が出せるという。実際、3メートル先に設置した1メートルの高さの棒を、いとも簡単に越えてみせた
こんな練習も!
「息を止めて20回連続素振り」
【小祝さくらの練習メニューその4】
左足下がりから
激スピンアプローチ
小祝 バンカー以外にも、左足下がりのアプローチ練習をよくやります。
辻村 このライからスピンの利いたアプローチが打てるようになれば完璧。低重心で軸が傾かず、体幹を意識して振らなければ絶対打てません。このライから打てるようになったからこそ、いまの彼女があるのだと思います。
体の芯を意識して体を回転させていく
週刊ゴルフダイジェスト2021年7月20日号より