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フェアウェイバンカーはフェースをかぶせれば上手くいく! チャンドに聞いたクリーンヒットのコツ

TEXT/Kenji Oba PHOTO/Yasuo Masuda THANKS/船橋CC

練習する機会が少ないこともあり、苦手としている人が多い「フェアウェイバンカー」。自身も昔はフェアウェイバンカーが苦手だったというデニッシュ・チャンドが、名手から盗んだというとっておきの秘策を教えてくれた。

デニッシュ・チャンド

1972年生まれ。ツアー3勝。「日本人以上に日本人」と呼ばれるフィジー出身プロ。来年は来日30年でシニア入り。かつて週刊GDで『チャンド襲来』を連載。現在は船橋CCでレッスンを行う

打ち方は変えなくていい
「フェースをちょっとかぶせてみて!」

GD 距離もあるしアゴもある、それにクリーンに打つという技術が求められるFWバンカー。アマチュアにはとても難易度の高いショットなのですが……。

チャンド ボクも船橋CCで何千人もラウンドレッスンしてきたけどアマチュアは反対のことをやるからね(笑)。

GD 反対のこと?

チャンド
 最大の間違いは、まずフェースを開くこと。脱出しようと思うからなんだろうけど、フェースを開けば開くほど、クラブはダフりやすく作られているからね(笑)。

GD ボールの手前の砂を打って脱出できず……、よくあります。

チャンド 本当はフェースは開くんじゃなくてかぶせるの。ボクの基本はターゲットから1度だけ左に向ける。少し距離を出したければ2度、といったように。実はボクも若い頃はFWバンカーが苦手で、その原因がフェースを開いていたからなんだ。この技術は、メジャー3勝のニック・プライスが来日した時に盗んだんだ。その後、注意深く他の選手を見たら、ビジェイ(・シン)や(アーニー・)エルスなんかもそうしていたよ。

GD でも、それじゃ左に飛び出すんじゃないですか?

チャンド
 わずかだけど砂の抵抗があるから、インパクトではフェース面が真っすぐに戻ってくれる。これはラフからのショットと一緒だよね。でも開くより砂の抵抗は断然少ないから、ヘッドの抜けが良くなるんです。

GD 打ち方はとくに変えなくていいんですか?

チャンド フェースをかぶせたら、あとは普段と同じように打てばいいんだよ。アマチュアの場合、距離を出そうと力んだり、上げようと右肩が下がったり、特別なことをするからミスにつながる。ただ、かぶせる。それがコツ。極端にアゴが高いとか、アゴの縁、あるいは半分以上ボールが沈んでいる目玉でない限り、簡単に打てるよ。

Point
フェース面を1~2度左に向ける

構えも打ち方も普段と一緒。ただフェース面を左に向けるだけ。フェースを左に向けることで、ロフトが自然と立ち、砂の抵抗が少なくなる効果もある

フェースをかぶせるときは、アドレスに入ってから手首を回すのではなく、あらかじめフェースの向きを変えてから普段通り握るようにしよう

フォローまでベタ足を意識して

GD 打ち方で注意すべきポイントはありますか?

チャンド フェアウェイバンカーが苦手な人に多いのは、自分で球を上げようすること。これだと、すくい打ちになって余計にダフりやすい。ロフトで球は勝手に上がってくれるから、自分で上げようとしないことが大事だね。そのためには、インパクトで右肩を下げないこと。スウィング中は肩の高さが変わらないように注意してください。

GD ボール位置も通常通りでいいんですか?

チャンド 球を高く上げたいからと左寄りに置く人も多いけど、それは逆。クリーンにヒットしやすくするために、真ん中~やや右足寄りに置くのが基本。それから、飛ばそうとしてボールが体から遠くなっているケースも多く、これもインパクトが安定しない原因。グリップと体の距離が拳1個分ぐらいになっているのが理想だよ。

GD 再現性を高めるためには、打ち方で注意するポイントはありますか?

チャンド クラブが絶対に体の中心から外れないこと。そのためには右足をベタ足にして、体重移動を最小限にすることが大事だよね。インパクトまで右足かかとを上げないこと。もうひとつは、腕が余計な動きをしないこと。そのために、わき、特にフォローで左わきが開かないよう、タオルをわきに挟んで打つのもいい練習だと思うよ。若い頃は、ボクは両ひじが肋骨から離れないよう意識して練習していたんだ。

Point 1
ボール位置はやや右足寄り

基本のボール位置は真ん中からやや右足寄り。これを基準に、左足上がりならやや左、左足下がりならやや右と、傾斜に応じて当たりやすい場所にボール位置を調整する

Point 2
インパクトまで肩の高さをキープ

いつもどおり打てれば、ボールはロフト角どおりに飛んでくれる。自分で上げようという意識がダフリを生む

Point 3
フォローまでベタ足のまま

右足のベタ足を意識して体重移動を抑えよう。クラブが左腰にくるまで前傾角度をキープ。ボールを目で追うと、伸び上がりの原因にもなる

残り150Y
チャンドのお手本ショット

【正面】

【後方】

平らなライばかりとは限らない!
最後に状況別の対処法をチェック

週刊ゴルフダイジェスト2021年6月29日号より