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【人気連載アーカイブ】イザワの法則2018「“全力”で振るより8割スウィングのほうが飛距離アップにつながる」

世界も認めた美スウィンガー・伊澤利光が、ゴルフで大切にしていることを語る連載「イザワの法則」。今回は、ゴルファーの永遠のテーマである、飛距離アップについて聞いてみた。

TEXT/Daisei Sugawara THANKS/福岡レイクサイドCC(PGM)

マン振りしてもHSはそれほど変わらない

伊澤 飛距離に関しては、結局のところ「身長が高い人」が有利ということになるかもしれません。ダスティン(ジョンソン)もそうですし、私と年代が近いプレーヤーで、若いころからあまり飛距離が落ちていないのは、アーニー・エルスとか、フィル・ミケルソンとか、やっぱり身長が高いプレーヤーです。

GD それは一理あるかもしれませんが、アマチュアはプロほど道具の進化の恩恵を受けていないように感じます。

伊澤 アマチュアが飛ばない原因の多くは、「振りすぎ」にあります。最近は「トラックマン」のような計測器があるので、はっきりわかるのですが、むきになって振り回すほどスピン量が増えて飛ばなくなるんです。それに思い切りチカラを入れて、全力で振ったとしても、それで上げられるヘッドスピードはせいぜい1~2㎧ですよ。8割、9割程度の力感で振ってもヘッドスピードはそれほど変わらない。だったら力まずスムーズに振り抜いたほうが、ミート率が上がるので、初速が出て飛ぶことになります。


GD プロが「飛ばそう」と思ったときも、チカラを入れて振るわけではないと。

伊澤 チカラを入れるんじゃなくて、体の回転を全体的に速くするイメージですね。チカラが入ると、回転は逆に遅くなりがちですから。

GD アマチュアでも「体を速く回す」やり方で飛距離を伸ばせるのでしょうか。

伊澤 以前、スコアが150くらいのアマチュアをラウンドレッスンしたら、ティショットが右、右とミスが続いた後、3ホール目で今度は左にミスが出るんですね。つまり「右が嫌だ」というのを意識して、体が「反応しちゃった」ということなんです。スコア150くらいの人でも、そうなんですから、普通のアマチュアなら、少しだけ速く回転しようと「意識するだけ」で、ヘッドスピードがアップする可能性は十分あると思いますよ。

フォロー側を速く振る

強く振ろうとすると、アマチュアはテークバック側だけが速くなりがちです。リラックスしてフォロー側を速く振るイメージを持つほうが、実際の飛距離につながります。

【POINT 1】
クラブを逆さに持ってフォローでスピードを出す練習をしよう

軽いものを振って「スピードを出せる」という意識を体に覚えさせると、力まず、スムーズに体が動くようになる

【POINT 2】
インパクトで減速させない

インパクトは「打つ」感覚よりも、フォローまで「振り抜く」感覚をもちましょう。インパクトのヘッドスピードが速くなり、飛距離アップにつながります

【POINT 3】
フィニッシュまで軸がブレないようにする


最後までバランスよく振り抜けるということは、途中の動きもスムーズで、しかも速いスピードで行えた証拠です

伊澤利光

1968年生まれ。神奈川県出身。学生時代から頭角を現し、プロ入りしてからは、プロも憧れる美しいスウィングの持ち主として活躍。2001年、2003年と2度の賞金王に輝く。また、2001年、マスターズで日本人最高位(当時)の4位入賞。現在はシニアツアーを中心に活躍中

月刊ゴルフダイジェスト2018年4月号より