【寺西明の急がば回るな!】Vol.3「リズムとイメージの大切さを知る」
寺西明「急がば回るな」
30歳からゴルフを始め、シニアツアーの賞金王にもなった寺西明が、自身の失敗をもとに、スクラッチプレーヤーを目指す全てのゴルファーへ「最短で72を出す」ためのメソッドを伝えていく。今回は自身が長く続ける練習法について語る。
TEXT/Kiyoshi Ogiku PHOTO/Yasuo Masuda
これまで、「72で回るためにはアプローチとパットが大切だ」という話をしてきました。ショットがよくなればスコアが縮まると考えている人が多いのですが、ショットを磨くだけでは決して72で回ることはできません。
やはりショートゲーム、とくにパットの精度を上げる必要があるのです。
では、どのくらいのレベルを目指せばいいのかというと、1ラウンド30パット以下という数字が、ひとつの目安になるでしょう。
72で回るためには、グリーンを外してもパーで切り抜け、ボギーを打った分だけバーディを取る力が必要になります。
そのためには、1ラウンド30パット以下が絶対的な条件になるのです。
それでは、この数字を実現するために何をすべきか? ここで何より大事なのがリズムです。
基本的に、ミスをする最大の原因は、リズムの乱れにあります。例えば、優勝争いのなかで最後のパットを入れるとき、悪い流れを断ち切るパーパットに臨むときなど、実戦にはキーとなるパットがいくつもあります。
そのとき、心が動じてリズムを崩す人はミスをする。いつも通りのリズムを奏で、いつも通りにストロークできる人は強い。
ですから、上手くなりたかったら、プレッシャーに乱されることなく、常に同じリズムで打てる自分を目指す必要があるのです。
ここで大事なのは、自分に合ったリズム、テンポを知り、常に一定のリズムを意識して練習し、それを毎日続けることです。
前回紹介したパッティングレール(レール型の練習器具)の練習もそのうちのひとつ。 リズムが狂えば、ボールはレールから外れます。
だから、レールを百発百中外さなくなるまで練習することで、リズムを安定させるのです。 もちろん、パットは距離感も大事。 方向性も大事。
でも、リズムが悪ければ、距離感も方向性も安定しません。だから、1ラウンド30パット以下を目指すのであれば、常にリズムを意識して練習し、それを続けてほしいのです。

自分に自信がないから
イメージができない
1ラウンド30パット以下を実現するために、もうひとつ大切なことがあります。それは、イメージを作ってから打つことです。
具体的に言うと、ラインを読んでボールの後ろに立ったら、どこに球を打ち出し、どんなスピードで転がすのか。
そこからどんなラインを描いて、カップのどこからどんなスピードで入れるのか、さらには、どうやってカップからボールを拾い上げ、どうやってギャラリーの声援に応えるのかをイメージし、そのイメージができてから球を打つのです。
もちろん、それは一朝一夕にできるものではありません。
でも、そこに一歩ずつでいいから近づくようにします。大事なのは自信をつけること。イメージができないのは、自分に自信がないからです。自信がつけば、イメージする力は自然についてくるのです。
手始めに、パターマットで構わないので、2mに絶対的な自信をつけてください。たとえば、パッティングレールを使って真っすぐ打つ。カップの手前から最後のひと転がりで入れる。
カップの向こう側の壁にぶつけて入れる。カップの右縁、左縁から入れる。カップの手前に止める、右縁に止める、左縁に止めるなど、マットであっても工夫次第でいくつもの状況を作り出せるはずです。 それを、常に、打ち出す方向と転がるスピードをイメージしながら練習し、続けていく。
それができれば、あなたの中に自信が芽生え、本番でもいいイメージが作れるようになるでしょう。
リズムとイメージ。
この2つを強く意識して練習している人は、ほとんどいないと思います。
しかし、この2つこそがパッティング上達のカギを握っていて、それなしでは上達は望めないことに気付いてもらえたらと思います。

解説/寺西明
30歳から本格的にゴルフを始め2015年のプロテストで一発合格。20年には日本シニアオープンを制し、シニアツアーの賞金王となった異色の経歴を持つプロ。自ら起業した製造業の社長を務める
月刊ゴルフダイジェスト2026年8月号より


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