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【世界で戦う若手3人の練習を大公開】<後編>生源寺龍憲「上を目指し初めてのグリップに挑戦」、桂川有人「100ヤード以内を世界レベルに」

欧州ツアー挑戦中の金子駆大に、日本とアジアを駆け回る生源寺龍憲。そしてかつての米国下部ツアー参戦の経験を糧に自らを鼓舞し欧米ツアーで戦うという桂川有人。海外で活躍する3人が国内ツアーで顔を揃えた。そんな彼らがレベルの高い海外ツアーで戦い抜くためにどのようなことに取り組んでいるのか。

TEXT/Masato Ideshima PHOTO/ARAKISHIN THANKS/東建ホームメイトカップ2026、東名古屋カントリークラブ

(左)桂川有人 かつらがわ・ゆうと。かつてレベルの高い米国下部ツアーに参戦したことで自らの足りない部分が明確に。感覚派から理論派へ進化するために様々な練習を取り入れている
(右)生源寺龍憲 しょうげんじ・たつのり。戦える場所ならどこにでも行く。以前から変わらないスタンスはゴルフに対する貪欲さを示している。タフな環境で戦い抜くための術を知っている

握り方を変えたら
球質が柔らかく変化

アジア各国のタフなコンディションで戦い抜くためには、様々な球種が必要になると言う生源寺。それはショットだけでなくグリーン周りでも求められるため、そこで必要になるのがボールを操る技術だ。少しボールが強くなり過ぎている点を解消しようと取り組んだのがグリップを変えることだった。

「ゴルフ歴17年で初めてオーバーラッピングにしました。左右の手の一体感が強くなり過ぎていたので少し手首が返る度合いが強くなっていました。それで試しにオーバーラッピングにしたら手首の返りが抑えられてフェースにボールが乗るようになったんです」


また、生源寺が試合中もよくやっているのがパンツのベルト通しにスティックを差して打つ練習法だ。

「クラブが寝ると必ずスティックに当たるので軌道を確認、修正するには最適な練習法だと考えています。良い角度からコンタクトするから打ち出し、スピン量が安定します」

再現性の高いスウィングが世界で戦うには求められる。それはパッティングも同じで、生源寺の練習はひたすら同じ動きを繰り返す。

[アプローチ]ボールを運ぶ感覚で寄せられる

オーバーラッピングにしたことで特に右手の返しが少なくなり、フェース面にボールが長く乗るようになった。出球の高さやスピンのコントロールがやりやすくなった


[ショット]スティックをベルト通しに差し、腰を水平に回転する

ベルト通しに差したスティックにクラブが当たらなければ、適度に上からクラブを下ろせている証拠。クラブが下から入ると上手くヒットできたとしてもコントロールの利いたボールは打てない

[パッティング]インパクトで止める意識で緩まず打ち抜く


できるだけシンプルにしっかりヒットすることを心がけている。ショットと同じく、腰のラインが上下に動くとヘッドの挙動が不安定になるため、下半身を安定させることを意識している

改めて感じた頭で理解するゴルフ

桂川が練習場で行っていたのは、右腕と体を一体化させて打つウェッジの練習。アマチュアがやりそうな基礎的なドリルに見えるが、いま桂川が力を入れているのがアプローチを含めたウェッジショットだという。

「特に意識しているのがバウンスを使うこと。なかでもアプローチでは、今まで感覚だけで打ってきたのでクラブの機能をきっちり使えるようになることを目指しています」

海外に行けば芝質を含めて様々な環境に順応しなければならない。それには感覚だけでは対処できないと肌で感じた。もちろん感覚を捨てるわけではなく、感覚をより生かすための理論の構築、そのために基礎的な動きから徹底的に体に叩き込んでいる。

「手が動きすぎると感覚の部分が強くなってしまうので、より反復性を高めるには体、腕、クラブの一体感が大事だと考えています。それができて初めてバウンスもきっちり使えるようになるのかなと」
100ヤード以内の精度を高めることがいかに世界で戦うために必要かを改めて桂川は痛感している。

桂川が装着しているピンクの器具は、欧州ツアーで2勝を挙げたロバート・ロック氏が腕と体の一体感を出すために開発した『TRSスライダー』という練習器具だ

体の回転主導でクラブを振りたい

手先の感覚を消すわけではないが、できるだけリピータブルな動きをするために体主導のスウィングを目指す。プレッシャーがかかった場面ほど体で打つことで精度を落とさずに打てる

体全体を使うからコントロールできる


手先を使って無駄にヘッドを走らせないことがポイント。あくまでも主役は体の回転で、そこに手先の感覚を乗せるイメージ。100ヤード以内の精度アップが今の課題

目澤コーチから学んでいるのは体とクラブの関係。そのうえでクラブの機能についても知る必要があり、特にバウンスの使い方は今まで意識したことがなかった部分だと言う

まずは形を固めて安定感を上げる

練習グリーンでまるでガチガチに体を固めた状態でストロークしていた桂川。

「両わきに棒を挟むことで腕の三角形を意識できるので、今の僕にとってはいい練習法だと思っています」

まるでゴルフを始めたばかりの人のような発言だが、今は形を固めることを重視しているとのこと。パッティングに型は無いとよく言うが、年間を通して戦い抜くにはいつも戻れるベースが必要。厳しい環境で戦う桂川だからこそ気づいたことだと言える。

「ガチガチに固めているように見えますが、余計な動きが入らないので逆にいいストローク、いい転がりのボールが打てるんです」

両腕の三角形を崩さないという基本

手先の感覚が入りすぎるとインパクトが安定しなくなる。インパクトで強弱が出ないようにするためにも両腕の三角形を崩さずに肩でストロークすることが重要になる


腰の位置を高く保ったままストローク

両腕の三角形を崩さないことを意識することで肩のライン、腰のラインも整うようになる。スティックを使った練習法は体の中で動かすべき部分が明確になるという意味で効果的

週刊ゴルフダイジェスト2026年5月26日号より