森守洋「レッスンは受けるな」Vol.11 “道具の扱い方”がわかれば誰でも上手くなれる
森守洋「レッスンは受けるな」
堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのプロを指導する森守洋が、自身が行きついたゴルフスウィングの本質を語り尽くす。
PHOTO/ARAKISHIN
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運動神経がいい人は
ゴルフも上手い?
道具の扱い方がわかれば誰でも上手くなる
私のスタジオに通われているお客様の中には、運動神経がいい方もいれば、そうでない方もいらっしゃいます。よく運動神経がいい人はゴルフも上手いと思われがちですが、いろんなスポーツの中でも特にゴルフは、運動神経と上手さが比例しないと言えます。理由はこれまでも話してきた通り、ゴルフは道具を使うスポーツだからです。
運動神経がいい人と同様に、モノマネ上手な人は形を作るのは上手いかもしれませんが意外とゴルフに手こずる人が多いのは、形を作ることとゴルフのスウィングは別物だからです。形を真似るのが上手かったり、運動神経がいい人が、ゴルフだけは簡単に上達しないのは、クラブに対する意識が足りないからです。
ですので、独特で個性的なスウィングをするシングルのおじさんに敵わないなんてことが起きてしまいます。
なぜそのような現象が起きるのか?
ゴルフスウィングはクラブが発生するエネルギー抜きには語ることはできないからです。最近、スウィングを見た選手の中に興味深い選手がいました。下川めぐみ選手です。昨シーズンはステップ・アップ・ツアーで優勝を飾っている実力者ですが、彼女からスウィングを見てほしいと言われて、衝撃だったのが「インパクトバッグを棒で叩いてみて」と言っても叩けなかったこと。インパクトバッグどころか、後ろにいた僕の顔のほうに振ろうとしていたくらいです。
実際にはプロゴルファーの中には運動神経がそれほど良くない選手は思っている以上に多いんです。そんなプロゴルファーたちがクラブを持ってひとたび振りだすと、驚くような体のキレでスウィングをする。クラブが発生するエネルギーに対してバランスを取るからで、クラブが一度動きだすと体が反応するからです。これは道具を使うスポーツをやっていたかどうかに大きく関係しています。
世界のトップクラスのレベルで活躍してきた選手でも、例えばサッカーやボクシングのようなスポーツ出身の選手がゴルフになると手こずるのは、道具を扱う術を知らず、ゴルフでいうクラブを感じることが上手くできないからです。
運動神経の悪さでいえば、下川選手は自分が知る中では最高峰かもです(笑)。その選手がクラブをいざ振らせるとあれだけ素晴らしいスウィングができる理由を解明すれば、アマチュアが上手くなるための真実を解き明かせるのではないかと真剣に考えています。
発生するエネルギーに対して体をどう使うべきなのか。僕がよく使う例えはハンマー投げです。「ハンマー投げなんかしたことがない」という人がほとんどだと思いますが、想像するだけで十分です。ハンマー投げは、遠心力と求心力を拮抗させているので、当の本人はその場にとどまります。
ですので、ハンマー投げに関しては体の強さが勝敗に影響するわけですが、ゴルフのスウィングもこれのミニマム版だと考えています。遠心力と求心力をどう感じるか?
その方法は素振りです。特に夜の暗い中でやる素振りが効果的で、フィニッシュで止まらず連続で左右対称の素振りをすると「今まで気にしていたことを考えていたら素振りなんてできない」と感じるはずです。
夜の素振りは、五感を鋭くさせて体に良い感覚を染み込ませた状態で寝ることができる、だから効果絶大なんです。
形なんか考えていたら素振りはできません。もちろん最初はクセが勝ってしまうので、上手くスムーズに振れないかもしれませんが、続けることでどんどん無駄な動きがそぎ落とされていきクラブヘッドを感じることができてきます。
結論は「四の五の言わずに素振りしろ」ということです。
ゴルフはクラブという道具を使って行うスポーツ。そのため体を動かす運動センスがあったとしても道具を使いこなせなければ元も子もない。それを証明してくれたプロゴルファーのひとりとして、いま指導に当たっている下川めぐみがいる


解説/森守洋
もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る
週刊ゴルフダイジェスト2026年4月21日号より


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