【工房を営むトップアマのスウィング&ギア】<後編>「スウィングから直すのは難しい。ライ角とフェースアングルが一番大事」
週刊ゴルフダイジェスト
ゴルファーたちの大切な”道具“を扱う工房の皆さん。自分のゴルフ上達のためには、クラブやスウィングにどのような工夫があるのだろうか。前編に続き、トップアマが多い地域で工房を経営しながら、自身もトップアマとして活躍するお二人に話を聞いた。
PHOTO/Yasuo Masuda

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- ゴルファーたちの大切な”道具“を扱う工房の皆さん。自分のゴルフ上達のためには、クラブやスウィングにどのような工夫があるのだろうか。トップアマが多い地域で工房を経営しながら、自身もトップアマとして活躍するお二人に話を聞いた。 PHOTO/Yasuo Masuda >>後編はこちら 「人やスウィングに合わせてクラブを作る」……
「クラブ重量、ライ角、
シャフトを合わせること」(新宮)
「ボクはHC+1までいったけど、この10年間、100球も練習しない。道具がわかるから練習しなくてもときどき60台は出ます」
自身の武器でもある、飛距離を維持するため、「最新の道具で自分に合うシャフトを探す」という。今のおススメはカーボンシャフト。アイアンとウェッジで50代に入ってから使っている。
「ハードスペックはしんどい。今の道具を生かしたほうがスウィング的にも体力的にもいい。直進性が強いし軽いから力のある男子プロなどは使わないけど、アマチュアはプロほど練習できないからこちらのほうがいいんです。また、体格によって振れる最大限の重いアイアンのシャフトを振る。体重58kg、ヘッドスピード42、43m/sなら90グラム。振れるのに軽いクラブだと曲がる。女性にも体重は聞きます。セクハラになるかもしれないけど、ライ角の調整も大事。身長や手の長さで変わってくる。背が高いけど腕が短い人はアップライトにしないといけないし、変えてすぐに結果につながることもあります」
自身のゴルフは100%クラブで維持できているという新宮さん。
「店主がどんなクラブを使っているかはキモ。15年前の道具を使っている店主はうさんくさい。おかげさまで『”神“が使っているならボクも使う』と言ってくれる方もいるんですよ」


学生のときから20年来の付き合いの神野勝さんと。「道具を変えてどんどん上手くなり、ティーの高さを低くして左右に球がバラつかなくなり中弾道のドローボールに。30Y伸びました」

現在はトップジュニア、早野織妃・香耶姉妹も見ている。「彼女たちにもMCIを使ってもらったら、成績も出ています」


三浦技研のヘッドにメタルコンポジットの特許があるフジクラのカーボンシャフト。「カーボンは軽く軟らかいイメージですが、メタルを先に入れることでカーボンの弱みは消える」
「ライ角、フェースアングル、バランスが大事」(木名瀬)
「重たいけど軽く感じるクラブを作る。グリップを重たくしたり鉛を貼ったりして、バランス調整をすることが必要です」
今も飛距離重視の木名瀬さん。300ヤード以上飛ばすため、クラブも”飛ぶ仕様“にしているという。
「ドライバーでもフェアウェイウッドでも、ライ角とフェースアングルが一番大事。フラットすぎる人は多く、それに合わせてどう構えるかを考えてしまう。外ブラは全部アップライト。身長が178cmの人に合わせているので165cmの人が使うと合わない。だからライ角を5度くらい変えたり、フェースアングルもプラスマイナスで極端にする。最初は何だかいいと感じるはず。家に帰り、1週間くらいしてダメだと感じてくるのはスウィングが自然によくなっていない証拠。そこでまたクラブを少し元に戻すといいんです」
木名瀬さんのドライバーのスペックは下記のとおり。
「バランスはF5で、重いから衝突が強くなる。そのぶん通常50gのグリップを40gと軽くしている。ただ重たくしただけでは右に行ってしまう。そうならないように超アップライトにしています。ウェッジと同じくらいの65度。これで全部相殺される。シャフトはRフレックスで、これはアイアンもです。年齢を重ねても飛距離は落ちたことがないですよ」
クラブでスウィングを直すことを提案する木名瀬さん。「スウィングから直そうとすると難しくなる。まずはライ角などに注目してほしいですね」


F5、65度、軟らかシャフト
46インチ、総重量328g、ライ角65度、フェースアングル-3度。「重いドライバーで“きつくない“ように作る。振動数は普通260〜270ですが、210cpmです」
新宮さんのスウィングの大事
「グリップ、アドレス、振り抜き」
スウィングの師匠はいないという新宮さんは、昔から低いフックボールが好きで取り入れてきた。「スライスボールは飛んでも嫌。目標に向かって右に飛んで返ってくるようなボールを目指してスウィングを作ってきた。新しいクラブは全部試すけれど基本、スウィングは変えません。ただ、スウィングでもコレという新しいことは一度取り入れ、違うと思ったらやめます」
グリップとアドレスがきちんとできていないと、いいスウィングにはならないという。
「シンプルにドローが打ちたい。最後まで振ることも大事。結婚と同じです(笑)。最後まで大事にする。アドレスは結婚前の初対面、バックスウィングはお付き合いの期間、インパクトはプロポーズ、ここで終らずに、ずっと大事にしていくイメージです」
ジュニアたちにも教えることは同じだ。「テークバックは30cmは真っすぐ、そのまま大きくインサイドに引いて、トップで左手首の背屈をやめて掌屈(手のひら側に曲げる)気味にし、耳の高さよりトップもフォローも上げるな、と教えています」
”神“の教えはゴルフを愛するものから愛するものへの想いなのだ。
トップは掌屈意識
トップで左手の手首が背屈(甲側に曲げる)にならないように注意すると、シャフトがクロスせずスライスが半分くらいに減る。「背屈でゴルフが上手くなった人はジョン・デーリーと横峯さくらくらい。練習が必要です」

徹底的に磨く 9時→3時
美しいビジネスゾーンで100切りを目標に練習する常連客のハトケンさん。インサイドにクラブを引くのではなく、飛球方向に上げて飛球線方向に出すイメージ。パンチは入れない
木名瀬さんのスウィングの大事
「腕打ちはNG、手打ちはOK」
クラブは合っているのに上手くいかない人は、まずアドレスの方向をチェックしてみるとよいと木名瀬さん。
「右を向いている人が多いんです。シンプルに10ヤード左を向いてアドレスしてみましょう。それをずっと続けることが大切です」
「今までスウィングはあまり変えていない」という木名瀬さんの理想のスウィングは「バックスウィングがないこと」。
「大きいほど当たる確率が低くなります。バックスウィングを小さくするために、上げたクラブをすぐに引き戻す練習をする。大谷翔平選手にも引き戻し作業があるから飛ぶんです」
引き戻し作業をするとギアが1つ上がるという。
「パワーが集約されます。それで振り遅れてボールに上手く当たらなければ、クラブを調整する。フェースが開くことを想定して、最初からクラブのフェースアングルを整えておくことです。そしてもう1つ大事なのは手を振ること。腰を回すとか地面反力とかは最後でいい。手を速く使おうとすれば勝手に足は動きます。ただし、腕で打とうとすると力みになる。”手打ち“はいいけど、”腕打ち“がダメなんです」
木名瀬さんのギアと教えにアツい想いが寄り添って、なんだか上達しそうな気分になるのだ。

上がった南半球から引き戻すという動きで確実に北半球には惰性でいきます
グリップはゆるゆる
グリップはできるだけ握らない。順番に握る。「インパクトのとき引き戻そうとすればインパクト時には必ず握る。この防衛反応でスピードは上がる」


バイバイが”手打ち“の感じ。腕全体を使ってもスピードにはつながらない。「走るときも手を振らなければスピードは上がりません」

バックスウィングが大きいと再現性が低くなる。「バックスウィングの大きさが”助走“になるわけではないんです」
週刊ゴルフダイジェスト2026年3月31日号より


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