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【森守洋 “オンプレーン”の真実】＜前編＞「誰でもできる“棒を振る動き”にスウィングのすべてが詰まっています」

週刊ゴルフダイジェスト
2025.12.11
KEYWORD ジャック・ニクラススウィング作り堀琴音森守洋

非常に個性的なスウィングを持つ堀琴音だが、そのスウィングで日本女子オープンを制し、フェアウェイキープ率は80%超えと堂々のトップ。なぜここまで強いのか。コーチの森守洋に話を聞くと、アマチュアゴルファーが勘違いしがちなスウィングの核心が見えてきた。

PHOTO／ARAKISHIN、Tadashi Anezaki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa　THANKS／学芸大ゴルフスタジオ、大王製紙エリエールレディスオープン、伊藤園レディスゴルフトーナメント

森守洋

もり・もりひろ。1977年生まれ。静岡県出身。堀琴音、柏原明日架、香妻陣一朗ら多くのツアープロを指導。原理原則を謳い文句にゴルフスウィングの核心に迫る

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“棒を振る”だけで
オンプレーンになる

森　“チャンバラ”の動きって100パーセント、オンプレーンなんですよ。

GD　どういうことですか?

森　子どものチャンバラごっこって無意識に棒を速く振っていますよね。それって棒を振ることだけ考えているから、一切余計な動きが入らない。だからオンプレーンになるのは当たり前なんですよ。

GD　ゴルフのオンプレーンも同じということなんですか。

森　もちろん!　ボールを真っすぐ飛ばそうとか、曲げたくないとか、余計な思いが入るから動きが悪くなるわけで、もっと棒を振ることを大事にしなきゃいけないんです。

GD　堀琴音プロもその感覚でスウィングしているんですか。

森　だから彼女は強いんですよ。見た目とかどうでもいいんです。

堀琴音の1Wスウィング

超アップライトにクラブを上げるトップの独特なスウィングをする堀だが、棒を振ることを何よりも大事にしていることが最大の強みだという森コーチ。これが道具を使うゴルフにおいて最も大切なことだと力説する

目的は“モノを叩く”こと
形を目的にしてはいけない

GD　見た目なんてどうでもいいとおっしゃいましたが、本当になんでもいいのですか?

森　そうですよ。

GD　アドレスはやっぱり大切だと思うのですが。

森　良いアドレスと悪いアドレスがあって、良いアドレスはモノを叩くための目的意識がはっきりしていること。よく骨盤を立ててとか、母趾球に乗せてとか言いますが、目的意識がないならそれらはまったく意味のないことで、見た目で判断するだけならアドレスなんてどうでもいい、そういう意味です。本質はマスターズのオナラリースタートにあるってよく話すんですが、ニクラスがひじ下だけを使ってチョンって打ってるじゃないですか。あれは急にあんな感じになったんじゃなくて、年齢とともに徐々になっただけ。棒を振ってボールを飛ばすという本質は何も変わっていないんです。

躍動的な最強時代のスウィングと比べて、80歳を過ぎたニクラスのスウィングは手打ちのように見えるが、棒を振ってボールを飛ばすという本質は何も変わっていない。加齢によって骨盤の角度や姿勢が変われば見た目も変わるのは当然のこと

やっていいこと＝モノを叩く

目標に対して棒を振ってボールを飛ばす。この本質さえ押さえていればアドレスなど見た目の形はどうでもいい。モノを強く叩く練習をするだけで、いいアドレスに導かれる

やってはダメなこと＝形を作る

綺麗な構えをすると綺麗なスウィングになると思いがちだが、それでも綺麗に振れないのは練習不足でもなんでもなく、単に目的意識がないだけ

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週刊ゴルフダイジェスト2025年12月16日号より

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