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【先回りスウィングで飛ばそう】＜前編＞ドライバーとアイアンでは“頭の動く向き”が逆になる

週刊ゴルフダイジェスト
2025.11.18
KEYWORD スウィング作りドライバー吉田直樹西山星空

アイアンのミート率を上げるには、ダウンスウィングで体を“先回り”させることが重要だと吉田直樹コーチは言う。では、ドライバーで飛距離を伸ばしたいときはどうすればいいのか?　詳しく話を聞いていこう。

PHOTO／Hiroyuki Tanaka、Yoshihiro Iwamoto　THANKS／三甲GCジャパンコース

吉田直樹　よしだ・なおき。1978年生まれ。兵庫県出身。幼少期をアメリカで過ごし、有名コーチの指導を受けた経験を持つ。谷原秀人、小祝さくら、イ・ボミ、片山晋呉、上井邦浩などを教えてきた。兵庫県・芦屋で室内練習場「ラ・キンタ」主宰
西山星空　にしやま・ひかり。2005年生まれ。香川県出身。男子ツアーで活躍している西山大広の妹。プロテスト合格を目指して、日々練習に励んでいる。テレビ番組のゴルフサバイバルなどの出場経験もある

ドライバーとアイアンでは
頭の動きが違う

GD　体を左に先回りさせる“先回りスウィング”ですが、ドライバーとアイアンでは、頭の動きが違うんですね。

吉田　アイアンは上半身も下半身も大きく左に動いていますが、ドライバーの場合は、下半身が左に少し動いて、頭は構えたときより、むしろ右に動いていると思います。

GD　なぜこういう動き方をするんですか?

吉田　この違いは、ヘッド軌道の最下点と関係があります。地面にあるボールを打つアイアンでは、ボールの先にヘッドの最下点がくるダウンブローで打ちますね。

GD　そうですね。

吉田　でも、ティーアップして打つドライバーは、飛距離を出すためにボールの手前で最下点を迎えてアッパー軌道でボールをとらえます。そのために、頭が右に動くんです。

GD　頭が右にあると、アッパーに打てる?

吉田　ゴルフスウィングは回転運動ですから、ヘッド軌道の最下点は、体の重心位置、とくに重たい頭の下になる傾向があります。そのため、ボールの先で最下点を迎えたいアイアンは、体全体を左にスライドして、ボールの手前で最下点を迎えたいドライバーは、上半身をボールの右に残して振っているわけです。切り返しで左足を踏んで強い地面反力を受けるので、左腰は左に動きますが、頭が右に動くのはそのためです。

ドライバー

下半身は左に動くが上半身は右に動く

「アドレスのときより左腰は少し左に動いていますが、頭は逆に右に動いています。いわゆるビハインド・ザ・ボールという動きで、アドレスのときよりも左肩が左に先回りしていないのが、ドライバーとアイアンの動き方の違いです」

アイアン

体全体が左にスライドする

「アイアンショットでは、上半身も下半身も大きく左にスライドさせて、大きく先回りしてインパクトしていることがわかります」

上体は右に傾けるが
右足体重にはしない

GD　ドライバーとアイアンで上半身の動きが違うことはわかりましたが、どうやってスウィングすればいいのでしょうか?

吉田　上半身の動きは違っていても、振る感覚は、アイアンと同じでいいんです。

GD　そうですか!

吉田　ただし、ドライバーのときは、アドレスの姿勢を変えておきます。アドレスで上体を右に傾けておくんです。

GD　ボール位置が左足かかとだとしたら、ボールを斜め横から見る感じですね。

吉田　そうですね。ここで注意してほしいのが、上体を右に傾けても、右足体重にならないことです。あくまで、背骨だけ右に傾ける感じです。

GD　それは、なぜですか?

吉田　右足体重で構えると、トップでも右足体重になりやすくて、切り返しから左足を踏み込めなくなってしまうんですよ。

アドレスのポイント
上体を右に傾けてアッパー軌道を作る

「ドライバーの先回りスウィングでは、アドレスの姿勢が大切です。体の重心を右に置かず、やや左に置いたまま、上体だけ15度から20度くらい右に傾けます。この傾きがポイントで、アッパー軌道で振るために絶対に必要なんです」

バックスウィングのポイント

ドライバー

上体を15～20度右に傾けて構え、右にスウェイしないように右腰を回転。頭の位置を持ったまま、左足体重をキープ

アイアン

アドレスの体重配分は右4：左6ぐらいのイメージ。右腰を回転させる動きでクラブを上げ、左脚体重を保ったまま、体を左に先回りさせていく

>>後編はこちら

週刊ゴルフダイジェスト2025年11月25日号より

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