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【しなりで飛ばす】#2 プロより飛ばす女子高生は38gの超軟シャフトを使っていた!

飛ばすには「ヘッドに仕事をさせる」ことが大事だとよく言われるが、シャフトのしなりを使って効率よくヘッドを走らせるにはどうすればいいのか。ここからは、アマチュア屈指の飛ばし屋・後藤あいさんとコーチの石井雄二プロに話を聞いていこう。

TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/ARAKISHIN、Takanori Miki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa、Getty Images THANKS/東名古屋カントリークラブ、六甲国際ゴルフ倶楽部
※この企画に登場するアマチュアの方にはボランティアとして協力いただきました

石井雄二 六甲国際ゴルフアカデミーでチーフインストラクターを務める。「体に無理のない」スウィング指導に定評がある

後藤あい 2008年生まれの16歳。石井プロ指導のもと、プロの試合でも活躍。ステップ・アップ・ツアー「SkyレディスABC杯」でアマ優勝を飾った

  • 飛ばすには「ヘッドに仕事をさせる」ことが大事だとよく言われるが、シャフトのしなりを使って効率よくヘッドを走らせるにはどうすればいいのか。まずは軟らかいシャフトを使うようになってイップスを克服した田中秀道プロと、今年日本シニアオープンに出場してシニアプロたちのスウィングからヒントを得たという早川佳智プロに話を聞いた。 TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/ARAKISHIN、……
  • 飛ばすには「ヘッドに仕事をさせる」ことが大事だとよく言われるが、シャフトのしなりを使って効率よくヘッドを走らせるにはどうすればいいのか。最後はドラコン選手としては小柄ながら最長429Yの飛距離を誇る松本一誠プロに話を聞いた。 TEXT/Daisei Sugawara PHOTO/ARAKISHIN、Takanori Miki、Shinji Osawa、Hiroyuki Okazawa、Ge……

プロより飛ぶアマの
1Wスペックに驚愕

JLPGA公認の唯一のドラコン大会「2025朝日インテックpresentsドライビング女王コンテスト」。毎年飛ばし自慢のツアープロが出場するが、今年優勝を果たしたのはアマチュアの後藤あいさん。そのスウィングもさることながら、驚いたのは使用クラブのスペック、特にシャフトだ。 

ヘッドスピードは46m/sもありながら、38gのRよりも軟らかいもの(F1)を使う。本人は「気持ちよく振れるものを使っている」というが、それにしても軽すぎて軟らかすぎないか? 指導する石井雄二プロは次のように話す。

「決してアンダースペックということはありません。自分の体を頑張るのではなく、シャフトに頑張ってもらうイメージです。しなりを存分に使って飛ばしているので体への負担は少ないんです。体に無理のないクラブを使うことはしなりを生かすために必要なことです」

超軽・軟シャフトで飛ばしていた

ヘッド:キャロウェイ「エリート」(8.5度)
シャフト:USTマミヤ「ATTAS SPEED」(38g・F1)

ドライバーのロフトは8.5度と小さめだが、スウィングで打ち出しを確保。シャフトのフレックスはメーカー独自のものだがRよりも軟らかい。軽くて軟らかいクラブで飛ばしている


後藤あいの1Wスウィング

その場で回る感覚です!

「飛ばそうとするとどうしても力んでしまうので、できるだけその場で回転することを心がけています。技術的に意識することよりもとにかく“気持ちよく”振りたい。そこを大事にしています」

飛びポイント①
体重がしっかり右に乗っている

右足にしっかり体重を乗せることができている。「見た目の動きは少ないんですが、実際はすごく加重しています」(石井)

飛びポイント②
コンパクトながら捻転差が大きい

トップでヘッドはコンパクトな位置に収まっているが、上体のねじれが非常に深く、背中が飛球線を指すくらい回っている

飛びポイント③
切り返しでの左への踏み込み

「切り返しの左への体重移動がスムーズなので、パワーを逃すことなくインパクトへ向けてクラブを下ろすことができています。しなりを殺さずに振れています」

体に負担をかけず
気持ちよく振れることを追求

そもそも後藤さんの「一見アンダースペックだけど実はそうじゃないシャフト選び」は、ジュニア時代に始まった。

「ジュニアの頃はとくに、自分に合ったスペック(とくに総重量が重すぎないもの)を使わないと、軸のずれや、最悪ケガの原因になってしまうので、自分が気持ちよく振れる範囲のシャフトにしてもらっていて、それを今でも使い続けているだけなんです」と後藤さん。子どもが大人のクラブを使うと、重すぎてオーバースウィングになるのはよく知られた話だ。

「切り返しのタイミングが合って気持ちよく振れるスペックだと、誰でもシャフトのしなりを最大限に使えます。つまり、無理にトップを大きくしなくて済むということで、一石二鳥なんです」(後藤さん)

Point 1
トップは小さくてOK

自分の可動域限界を越えてトップを大きくしたとしても、無理な体勢からはスムーズに切り返せず、結果的にインパクトスピードは遅くなる。コンパクトでもタイミングよく、素早く下ろせればスピードは上がる

Point 2
トップで右のお尻に張りを感じる

可動域に対しては無理をする必要はないが、上下の捻転差は可能な範囲で大きくしたい。右尻に張りを持たせることでスウェイせず、しっかり上半身を回せる

Point 3
腕は体の正面をキープ

テークバック後半で腕が胸の正面から外れ、両腕の三角形がつぶれてしまうと、その部分では捻転が起きていないので、ねじれ戻りの反動も弱くなってしまう

Drill
全力左素振り

右打ちのフォローをトップとして、そこから左打ちの要領で大きく振り抜く。左打ちで右足を踏み込む動きは、テークバックで右サイドにしっかり乗って、捻転を強くする感覚につながる

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月刊ゴルフダイジェスト2025年12月号より