【たま~に80台で回りたいッ!】Vol.27「一を聞いて十を知る。ワンポイントアドバイスのコツ」
シニアのための89ビジョン
飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。
ILLUST/Shinichi Hoshi

>>前回のお話はこちら
- 飛距離が出なくても、練習量が少なくても、たま~に80台で回るゴルフは十分に可能! コラムニストの木村和久がシニアのための89ビジョンを指南。 ILLUST/Shinichi Hoshi >>前回のお話はこちら 野球には“悪球打ち”という言葉があります。敬遠のクソボールをヒットにした新庄選手とかね。長島さんやイチ……
先日、ゴルフを一緒にした同伴メンバーの中に、飛ばし屋の若者がいました。ゴルフセンスが非常にあり、聞くと子供の頃からゴルフをやっていたそうです。ただ残念なのは弱点があるんですね。それはスウェイする癖です。
恵まれている体格なのにひざを無意識に使い、球筋が安定しないときがあります。100ヤードほどのショットでもひざがブレて、ミスショットになることがしばしば。惜しいな~。棒立ちでも良いから足を動かさず、軽く振ればいいんじゃないの。
声をかけて指摘しようと思ったのですが、会って間もない方に「あなた、ちょっとスウェイしてますよ」というのは失礼でしょ。何回かゴルフをして二次会で飲み、悩みはないですか? みたいになったら語ろうか、と思っています。
ゴルフは他人の欠点がよく分かるスポーツです。だからといって、それを指摘すれば良いのか? そもそも相手が聞く耳を持ってくれないと話が始まりませんよね。
つまり指摘する側がかなりの上級者で、リスペクトされているなら指摘を受けるでしょう。一方指摘を受けるシニア世代の人は、すでに自分のゴルフ哲学を持ってるので、弱点を熟知しています。そこで指摘を受けても「それ、癖で直らないんです」と受け流すはず。だから大事なのは、その直し方まで伝えられるかです。
というわけでシニアゴルファーだから分かる、ワンポイントアドバイスのコツを考察します。
自分のワンポイント体験
自分のことを例に出すと、過去5年間で2回ワンポイントのアドバイスを受けています。最初はティーチングプロに「スウェイ」していると指摘されました。そのとき、悩みはないと思っていたので、びっくりし話を聞きました。
結果、簡単なアドバイスを受け、自分でスウェイを直しました。けれど今度は腰の回転を注意するあまりフック癖がついて、そっちが大変に。悩んでないときのアドバイスは話半分でいいかなと思います。
続いて3年前に引っかけ、ヒールボールが多いということで、企画で女子プロにアドバイスを頂きます。その時は、一発でクローズスタンスを指摘され、極端な方向のオープンスタンスで打って、ナイスショット。目の錯覚は怖いですね。凄いオープンスタンスと思っていたら、それがスクエアスタンスだった。その時は、非常に有益な助言を頂きました。
的確に言える人は少ない
過去に練習場にいるティーチングプロに、ワンポイントアドバイスを受けるという、飛び込み企画をやったことがあります。
3人から教わったのですが、結果から言うとイマイチでした。悪くはないのですが、目からうろこが落ちるような指摘はなかったです。やはり練習場で10球打つ程度では、データが取れないのです。以前のクローズスタンスの指摘は、半日一緒にいてからです。ティーチングプロに教わるなら、時間を割いて見てもらわないと。
具体的な欠点とは
過去に気付いたり、指摘した欠点の例を挙げてみましょう。なんと言っても一番多いのがクローズスタンスです。すでに構える前から、右を向いている人がいますからね。その中でフェアウェイキープする人が半分ぐらいはいます。持病と知っていて対処しているのでしょう。案外器用なのかな? そして予想通り右を向いたまま、右にボールが飛んで行く人が2~3割いますかね。
ゴルフ談義からワンポイント
個人的にオープンスタンスに戻したと、意気揚々とラウンドしていたのですが、ある日仲の良いゴルフ仲間から指摘されます。オープンスタンスが良いと言っているわりには、ややクローズですよと。ガーン。知らず知らずのうちに、自分の都合の良い方向にスタンスが変わっていたのです。
認め合う仲での雑談がベスト
というわけでワンポイントアドバイスは、お互いの腕を認め合う仲で、かつ持病のことを知っていて、そこで指摘したりされたりするのがベストです。「最近スウェイがまた出ているね、注意したほうがいいよ」「あっそう、意識してるんだけど、じゃ動画撮るから見てくれない」みたいな感じで、言い合うのがよろしいかと。
我々はアマチュア、癖や持病は直りません。それが暴れないようにラウンドするしかないのです。

教える人/木村和久
「89ビジョン」をはじめ様々なゴルフの楽しみ方を提案するコラムニスト。ベストスコア75。01年鶴舞CCキャプテン杯優勝。ゴルフ歴は35年。現在は扶桑CCのメンバー
週刊ゴルフダイジェスト2025年10月7日号より


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